放送回 | No.0682(0427-B) |
放送日 | 1984年01月21日(昭和59年01月21日) |
出典 | 岩手県 |
クレジット | 演出:岩崎治彦 文芸:沖島勲 美術:西村邦子 作画:岩崎治彦 |
ナレーション | 市原悦子 |
昔、山深いところに吾助という獣とりの名人が、かみさんと二人で住んでいた。罠にかかった獲物を町で売って、生活の足しにしていた。
ある冬の日のこと、吾助の罠に大きな女狐がかかっていた。この狐を売れば、かみさんにあったかい角巻き(肩掛け)を買ってあげられると喜んだが、この女狐には二匹の子狐がいる事に気が付いた。みなしごだった吾助は、幼少期に寂しい思いをしていたことを思い出し、子狐が可哀そうになり母狐を逃がしてやった。そして、吾助はこれを機会に獣とりの仕事をやめた。
春になった頃、吾助夫婦の家に一人の若者が訪れ、「母からの使いです」と、数本の柿の苗を差し出した。吾助がその柿の苗を植えてみると、次の年から沢山の甘い実をつけた。この柿の実は評判となり、町からも買いに来るようになり、吾助夫婦は大金持ちになった。
(紅子 2011-10-2 0:26)