昔、作物がよく採れる豊かな村があり、これも山の神様のおかげと考えていました。神様は山の大木の祠に住んでいて、とっても恥ずかしがり屋の女の神様でした。
山の神様は秋の収穫が終わると近くの山を守り、春になると里にでて田の神になるのでした。ある年の田植えが済んだ頃、神様が田んぼの見回りをしている際に、はじめて小川に映る自分の顔を目にしました。それはあまりにもみにくい顔だったので、恥ずかしくなって山へ逃げ帰ってしまいました。
すると、神様がいなくなった里の田の苗は枯れ始め、畑は荒れるし山の木も大きく育たなくなりました。困った村人たちは「山の神様よりもっと醜い顔をしたものをお供えしてみよう」って事になり、オコゼを持って山の祠に行きました。
オコゼを見た山の神様は、自分より可笑しな顔があったことを知って、機嫌をなおして村へおりてきてくれました。それからというもの、山の神と村人たちはいつまで仲良く暮らしました。
(紅子 2012-1-7 1:30)
ナレーション | 常田富士男 |
出典 | 山口県 |
DVD情報 | DVD-BOX第8集(DVD第38巻) |
現地・関連 | お話に関する現地関連情報はこちら |
場所について | 五年神(ごねんがみ) |
本の情報 | 講談社テレビ名作えほん第045巻(発刊日:1981年4月) |
講談社の300より | 書籍によると「山口県のお話」 |
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