山奥に病気で寝たきりの父親と、幼い息子が二人で住んでいた。息子は毎日山で薪を拾っては、町へ売りに行ったり、谷で魚を捕ったりして暮らしていた。
ある日、息子が薪拾いに夢中になってしまい、山の中で野宿し、一夜明けるとどこからか甘い良い香りがしてくる。匂いの元を探して歩いていると、霧で足下が見えなかったので、深い谷底に落ちてしまった。そこには大きな滝壺があって、甘い匂いはその滝の匂いだった。
息子は水を手ですくって一口飲んでみると、体中が熱くなって元気が出てくるような気がした。これは父親の病気にも効くかもしれないと思い、滝の水を持っていた瓢箪に入れて持ち帰って父親に飲ませた。
すると父親は、これは酒じゃと言う。不思議なことに次の日から父親の病気がよくなり、何ヶ月かするとすっかり元気になった。この噂は国中に広まり、感心な息子が年老いた父親を養ったことから、養老の滝と言われて長く語りつがれた。
(稿: 蔵人 本掲載日2012-8-14 14:37 )
ナレーション | 常田富士男 |
出典 | (表記なし) |
備考 | 講談社の書籍に岐阜のお話と明記あり |
DVD情報 | DVD-BOX第2集(DVD第6巻) |
場所について | 美濃国の山奥(養老の滝) |
本の情報 | サラ文庫まんが日本昔ばなし第8巻-第037話(発刊日:1976年9月20日)/童音社BOX絵本_第04巻(発刊日不明:1970~1980年頃)/国際情報社BOX絵本パート1-第035巻(発刊日:1980年かも)/二見書房まんが日本昔ばなし第8巻-第31話(発刊日:2006年3月20日)/講談社テレビ名作えほん第023巻(発刊日:1978年3月) |
サラ文庫の絵本より | 絵本巻頭の解説によると「岐阜県の昔ばなし」 |
童音社の絵本より | 絵本巻頭の解説(民話研究家 萩坂昇)によると「岐阜県の昔ばなし」 |
講談社の300より | 書籍によると「岐阜県のお話」 |
レコードの解説より | LPレコードの解説によると「岐阜地方の昔ばなし」 |
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