放送回 | No.0035(0019-A) |
放送日 | 1976年02月14日(昭和51年02月14日) |
出典 | (表記なし) |
クレジット | 演出:樋口雅一 文芸:鈴木良武 美術:内田好之(竹森佳史) 作画:スタジオアロー |
ナレーション | 常田富士男 |
備考 | 講談社の書籍に岐阜のお話と明記あり |
山奥に病気で寝たきりの父親と、幼い息子が二人で住んでいた。息子は毎日山で薪を拾っては、町へ売りに行ったり、谷で魚を捕ったりして暮らしていた。
ある日、息子が薪拾いに夢中になってしまい、山の中で野宿し、一夜明けるとどこからか甘い良い香りがしてくる。匂いの元を探して歩いていると、霧で足下が見えなかったので、深い谷底に落ちてしまった。そこには大きな滝壺があって、甘い匂いはその滝の匂いだった。
息子は水を手ですくって一口飲んでみると、体中が熱くなって元気が出てくるような気がした。これは父親の病気にも効くかもしれないと思い、滝の水を持っていた瓢箪に入れて持ち帰って父親に飲ませた。
すると父親は、これは酒じゃと言う。不思議なことに次の日から父親の病気がよくなり、何ヶ月かするとすっかり元気になった。この噂は国中に広まり、感心な息子が年老いた父親を養ったことから、養老の滝と言われて長く語りつがれた。
(稿: 蔵人 本掲載日2012-8-14 14:37 )
地図:美濃国の山奥(養老の滝) |