岩手県 (80 件)
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頭にカキの木

むかしむかしあるところにお酒の大好きな男がいました。その男の主人はお侍だったので江戸へとよくお使いに行かされました。その途中に一軒の飲み屋がありました。お酒の大好きな男...

怪しい虫

山の中にすごく立派な野生の馬がいるという噂を聞いた腕利きの猟師がそのすごい馬を仕留めてやろうと山に入る。魔物や獣が入ってこられないように結界を張り、その中で焚き火をして...

意地くらべ

むかし、ある村に「赤鼻の悪衛門」と呼ばれる大層頑固者の男がおった。一方、その隣村には「青鼻の悪太郎」という、これまた大層頑固者の男がおった。両方の村人達は、それぞれこの...


いじわるじじい・せっこぎばばあ

昔あるところに、気短で威張り屋の爺さんと無精者の婆さんが住んでいました。じじいが種まき用の豆をばばあに持ってこさせようとしますが、いつまでものんびり数を数えています。「...

命びろいした犬

昔、ある家に一匹の老犬(タロウ)と猫が飼われておった。ある日家人は、一日中寝てばかりの老犬を嫌い「山に捨てるか、殺して皮を剥ぐか」と話していた。それを聞いた老犬は、同じ...

岩手

昔々のそのまた昔、岩手県あたりの国がまだ出来上がっていなかった頃の、遠い昔の話です。この辺りに「三つ石の神」が住むようになり、気にいった三つの石の上でそのまま深い眠りに...


岩屋の娘

岩手県の大槌あたりのお話です。ある村の若者が、町へ行く途中で大槌川の橋の上で、一人の婆さまから呼び止められました。婆さまが「病気の娘の為に町で薬を買ってきてほしい」とい...

兎と太郎

まだうさぎの目が赤くなく、尻尾も長かった頃の話。ある山奥に、爺さまと孫の太郎が住んでいた。そして二人の家からほど近い笹山には、ずる賢いうさぎが住んでいた。ある日、爺さま...

牛飼い源次

岩手県は九戸郡、九戸富士と呼ばれる階上岳のふもとに、源次と言う目はしの利く牛飼いが住んでいた。この源次が所有する大牛は体も大きく角も立派で、牛同志の角合わせでも決して負...


狼と虎

昔、ある食料の豊かな山に、虎と唐獅子(からじし)が住んでいました。その山の下の荒れ地には、みじめなオオカミが住んでいました。オオカミはいつもお腹を空かせ、虎の強烈な吠え...

オオカミと娘

昔、秋田と岩手の国境に小さな貧しい村がありました。ある寒い冬の晩、巡礼姿の母娘が村に一夜の宿を求めてやってきました。ところが、この村には「よそ者は村に泊めるな」という掟...

オドテさま

むかし、岩手県は九戸(くのへ)の江刺家岳(えさしがたけ)に1人の若者が住んでいた。この若者、ふもとに住む金持ちの乙名様(おとなさま)の牛を世話して暮らしていた。そんなある...


鬼の角

昔、ある山の中に、美しい娘が猟師の父親と暮らしていました。この親子の家の近くにはきれいな池がありましたが、鬼がいるという噂があったので村人たちはあまり近づきませんでした...

お萬の火

ある村にお萬という身寄りの無い女が牛と一緒に暮らしていた。彼女は牛とともに毎日荷物運びの手伝いをして、生計を立てていた。ある年、雨が降らず延々と日照り続きで、村は酷い飢...

おらが淵

昔、岩手県黒岩の呉竹という所に、藤兵衛という働き者の百姓と母親が暮らしていました。藤兵衛の家の裏手には、北上川が流れていてちょうどそこは深い淵になっていたので、昔から「...


かくれ里のふしぎ

むかし、和賀国(岩手県和賀郡)の赤沢山では黄金(こがね)が出ると言われており、ここに二人の男がこの話を聞いて山に入って黄金を探していた。一人は年配で、もう一人は若い男で...

かっぱの淵

昔、岩手の八戸(はちのへ)あたりに八太郎沼(はちろうぬま)という、ひっそりとした沼があった。ある日の事、一人の男が八太郎沼のそばを通りかかると、淵の底から「のののののの...

神さまとカラス

昔々、まだ神様が地上に住んでいたころのこと、あるところに、たいそう悪戯好きなカラスが居ました。カラスは、狸の取った魚を横取りしたり、兎の掘った芋を盗んだり、猿を驚かして...


神さまの縁結び

昔、陸奥(みちのく)のある村にお花と権太(ごんた)という恋仲の男女がいた。二人は結婚を考えていたが、お花は大百姓の大事な一人娘、一方の権太は村一番貧乏な小百姓。お花の両...

雷さんのドンチャン騒ぎ

昔々ある所に、器量のいい娘ばかり揃って大繁盛している料理屋があった。店の評判はとうとう雲の上の雷さん達の所まで届き、自分たちも行こうと思った雷さん達は、下界に下りてきた...

雷と悪者

昔、あるところに伊平、六助、八兵衛の同い年の男がいた。ある年の秋の終わりのこと。来年、三人は厄年を迎えるので、厄払いの為に善光寺参りをすることになった。信心のおかげか雨...


ききみみ頭巾

お爺さんが柴刈りから帰る途中、子狐が木の実をとろうとしていた。お爺さんが木の実をとってやると嬉しそうにしていつまでもお爺さんの後ろ姿を見送っていた。ある日、お爺さんが町...

狐とタニシ

昔ある所に、足の速いのが自慢のキツネがいました。いつも「ちょっと都まで往復してきた」と言っては、足の遅いタニシをバカにしていました。そこでタニシは「そんなに足が速いのな...

狐の柿の木

昔、山深いところに吾助という獣とりの名人が、かみさんと二人で住んでいた。罠にかかった獲物を町で売って、生活の足しにしていた。ある冬の日のこと、吾助の罠に大きな女狐がかか...


狐べら

昔、ある所に長者さんがいて、ある暑い夏の夜に庭で涼んでいた。庭の岩陰で、持つと空を浮遊できるという不思議なヘラを拾った。その夜、長者さんの所へ美しい芸者さんに化けたキツ...

くせえと狐

むかしむかし、「くせえ(狸のこと)」と「狐」は仲良しじゃった。じゃが、くせえは狡賢い狐に騙されて、いつも損な役回りばかりさせられておった。例えばある時、くせえと狐は樵の...

けちんぼ女房

昔ある村に、心やさしい伊助が年老いた母親と住んでいた。伊助には自分勝手で意地悪く欲深な女房がいて、いつも母親に意地悪をしていた。ある日のこと、伊助がいつものように釣りに...


ケラ売りじっちゃ

ケラ売りじっちゃと呼ばれるおじいさんが、深い深い山奥の谷間で、ばあ様に先立たれてひとり暮しておりました。働き者のじっちゃはいつももっと奥深いマンダの森へ分け入っては、苦...

九重の楓

昔ある所に、様々な骨董品、珍品を集めることを競っている庄屋と和尚がいた。ある時、和尚が大変美しい楓(かえで)の古木を手に入れた。それは幾重にも紅葉した葉を茂らせた、実に見...

サレコウベと長者

昔、ある村に貧しくとも心やさしいお爺さんが一人でひっそりと暮らしていました。今日はお婆さんの命日でしたが、急な用事で出かける途中、野原の草の陰にしゃれこうべ(頭蓋骨)を...


座敷童子

昔、陸奥の岩手での話です。ある年の春の日、年老いた六部(ろくぶ:旅の僧)が一夜の宿をもとめて、一軒の長者屋敷を訪ねました。何代も続いている長者屋敷は大変立派で華やかで、...

塩ふきうす

百姓の兄弟がいた。兄は欲張りで大きな家に住み、弟は正直者だったが貧乏だった。年の暮れに、弟は米と味噌を借りに兄の家に行くが、欲張りな兄は貸してくれなかった。仕方なくとぼ...

塩ふきうす

むかし、ある所に兄と弟が一緒に住んでおった。兄は強欲なだけの怠け者で、家や田畑を働き者の弟に手入れさせておった。ある時、弟は女房をもらったが、兄は弟に田畑を分け与えず、...


シシとり太郎

昔ある山の中に、働き者の「太郎」と怠け者の「次郎」という二人の木こりが住んでいました。ある日、食べ物がなくなったので、太郎は一人で山へ猟に出かけていきました。山についた...

死ぬが一ツ生きるが一ツ

昔々、ある村に一軒のお寺があって、和尚さんと小僧さんが住んでおった。この小僧さん、お経よりも三度の飯よりも、剣術が大好きじゃったそうじゃ。ある日のこと、小僧さんは門前で...


じじばば岩

昔、岩手県の立花という所に、とても仲の良い爺さんと婆さんが住んでいました。ある年の六月のこと、雨宿りのため近くの大きなサイカチの木の根元にいくと、赤ん坊が泣いていました...

節分の鬼

昔、ある山里に、妻も子供にも先立たれた一人暮らしの貧乏な爺さんがいました。爺さんは毎日二人のお墓にお参りすることだけが楽しみでした。やがて冬になり、村はすっぽりと深い雪...

空飛ぶ舟

昔々、村から村へ旅をしながら、手伝い仕事で生計を立てる兄弟がおりました。弟は働き者でしたが、兄は強欲な怠け者で仕事はすべて弟にやらせておったそうです。それでも弟は、たっ...


タケノコ仙人

むかしあるところにタケノコを掘って暮らしている男がいた。ある日、山で立派なタケノコがたくさん取れた。山をおりようとすると不思議な老人に出会い、家に招かれご馳走になる。家...

蛸屋加左ヱ門

昔ある海辺の村に小さい子供とばあさんが2人で暮らしていた。2人は大変貧しかったので、毎日たこばかり食べていたため「たこやかざえもん」と呼ばれていたある日、たこやかざえも...

タニシ

昔、ある所に五人の兄弟が住んでいた。この五人には両親もおらず、叔父さんや伯母さんもいなかった。そんな訳で、いつも五人は力を合わせ、仲良く暮らしていた。そんなある春の日の...


たにし長者

子どものない夫婦は、毎日水神さまに子どもを授かれるようにとお祈りしていた。するとある日、おかみさんが産気づいたが、産まれた子どもはなんとたにしだった。それでも夫婦は水神...

太郎、二郎、三郎

昔、ある所に大変仲の良い太郎、次郎、三郎という3人兄弟がいた。この兄弟、家が裕福なもので、もう働く年頃になっても、まだ山や川で毎日遊んでいた。そんな兄弟を見かねた親父さん...

大工と鬼六

大雨が降るとすぐに橋が流されてしまう川があった。困った村人たちは相談して橋造りの名人の大工に頼むことにした。大工が流れの速い川を眺めていると、川から鬼が現れて、目ん玉を...


大蛇の棲む沼

昔、岩手の北上川の上流に光勝寺(こうしょうじ)というお寺があって、立派な和尚が住んでいました。中でも、母親と二人暮らしの幼い「おさと」は、とても和尚になついていました。...

力太郎

ものぐさなお爺さんとお婆さんが自分たちの垢を集めて人形を作ったら、その人形が動き出し、飯まで欲しがった。ある日その子が突然力試しの武者修行に行くと言い、百貫目の鉄棒を作...

ちっちの木

昔、岩手に大変貧しい山里があった。土地は痩せて石だらけで、作物が十分にできるわけがない。村人たちはひもじい思いをし、おっかあ達は赤ん坊に飲ませる乳も出ないのであった。「...


手出し峠

昔、ある所に貧しい村があった。その貧しい村の中でも一番貧乏なのはおリキの家だった。おリキは死んだ亭主の仕事を継いで木こりをしていたが、おリキの一人息子、九助(きゅうすけ...

天人の嫁さま

昔、人里離れた山奥にケシ作りの長兵衛という男が住んでいた。長兵衛は、千人刈りと言われる程広い畑にケシを作って暮らしていた。しかし、こんな山奥なもので嫁のなり手もなく、そ...

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