No.0981
ねんぶつのはな
念仏の鼻
高ヒット
放送回:0618-B  放送日:1987年10月03日(昭和62年10月03日)
演出:前田康成  文芸:沖島勲  美術:青木稔  作画:前田康成
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あらすじ

昔、瀬戸内海に浮かぶ小さな島の山頂に一人の山姥(やまんば)が住んでいた。この山姥は、夜になると目をさまし、島の泉で一風呂浴びてから食事をするのが常でした。

ある日、船頭(せんどう)の親子が突風にあおられ海で立ち往生していた。仕方なく近くの気味悪い小島に船を付け、海岸で焚き火をしていると、大きな山姥が現れた。人を捕って食ってしまうという山姥に、身の危険を感じた親子は隙をみて逃げ出し、急いで船を出した。

船が海岸から離れ岬の先端に近づくと、先回りした山姥がニタニタと笑って立っていた。山姥は着物を脱ぎ大きな乳をあらわにすると、白い乳をピューピューと船に向かってかけはじめた。山姥の乳が船にかかると船が動かなくなるという言い伝えがあるので、親子は必死で逃げた。

しかし、一滴だけ船の舳先(へさき)にかかってしまい、船の艪(ろ)が動かなくなった。親父は「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏・・・」と、一心に念仏を唱えながら、乳のかかった舳先を小刀で削り続けた。必死に唱えている念仏を聞いた山姥は乳を出すのをやめ、泣き始めた。山姥にも念仏のありがたみがわかるのか、いつまでも岬の先端に立って泣き続けた。

親子の船は再び動けるようになり、無事にこの島から逃げ出す事が出来た。岬の事を「鼻」という事から、この岬を「念仏の鼻」と呼ぶようになった。

(紅子 2011-10-23 20:01)


ナレーション常田富士男
出典香川県
DVD情報DVD-BOX第3集(DVD第13巻)
VHS情報VHS-BOX第6集(VHS第55巻)
場所について小槌島かもしれない(王越山かもしれないが)
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地図:小槌島かもしれない(王越山かもしれないが)
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※掲載情報は 2011/10/23 20:01 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
9件表示 (全9件)
ニャコディ  投稿日時 2012/6/19 0:10
万能おっぱい(笑)すごい色々解決できそう。

そうですねぇ、アニメに一番近いのは②ですね?。
ちなみに①の真島は、香川県の宇多津付近に上真島、下真島というちっこい島があるようです。
東讃の方は島が少ないので、地図に名が載らない位小さな島か、四国本土から突き出した岬が舞台の話なのかもしれないですね。念仏の鼻の位置、気になります……。
ニャコディ  投稿日時 2012/6/18 22:46
まだ詳しく見ていない資料もあるので、ズバッと地名や念仏の鼻の位置が載っているものもあるかもしれません。ぼちぼちになりますが調べていきたいと思いますので、しばしお待ちを……。

考えてみれば、パソコンでこんなに何度も『乳』って打ったことなかったなぁ (* ̄∇ ̄*)ゞ
beniko  投稿日時 2012/6/18 17:13
地名の判明、期待しています!わかったら教えてください。※もちろん進捗報告もお待ちしております。
やまんばの乳房ってリムーバブルだったんだ、授乳の際にもすごい便利そう。
araya  投稿日時 2012/6/18 14:32
結構、類話があるもんですね(^_^)。アニメは②が元になっているっぽいですけど、「念仏の鼻」って東讃岐のどの辺りになるのか気になりますが、乳房を投げつけるって…。山姥のおっぱいは万能ですねぇ( ̄∀ ̄)。
ニャコディ  投稿日時 2012/6/17 23:18
こんにちは、ニャコディです。

念仏の鼻がどこの島の話か、という件について、郷土資料をいくつか調べてみました。どうやらうどん県では非常にバリエーションのある話らしく、取り急ぎ調べただけでもなんと4件ほど、色々な地名で乳を飛ばす山姥の話が出てきます。
以下に、掲載されている書籍とタイトル、地名、概要の情報をあげてみます(長文です。すいません)。
なんか、乳(房)を飛ばすというのが特異性がありそうで面白いので、もう少し調べてみます~。

①讃岐の民話 日本の民話5,武田明編,未来社
 タイトル:真島のお化け「西讃岐昔話集」
 地名  :与島、真島
 概要  :ある島の漁師の親子が突風にあい、真島に舟をつける。
      火を焚いていると白髪のおばあ(おじょも)がやってくる。
おやじはおばあに魚を焼いてやると言って、
      息子に舟へ魚を取りに行かせる。
      息子が戻ってこないと言っておやじも舟に戻り、
      二人で舟に乗り沖へ逃げる。
      おばあは山の下まで舟を追いかけてきて、
      乳房をかきちぎって(゚Д゚≡゚д゚)エッ!?)舟へ投げつける。
      乳房があたると舟はおばあの方へ引かれるが、
      幸いだいぶん沖の方へ漕ぎだしていたので親子は無事逃げ帰る。

②全国昔話資料集成 32 東讃岐昔話集,武田明,谷原博信,岩崎美術社
 タイトル:山姥の乳(話者:森本実)
 地名  :念仏の鼻
 概要  :親子の漁師が漁の後、念仏の鼻(岬)で火を焚いて休んでいた。
      山からお婆さんが降りてきて火にあたらせてくれという。
      親父はお婆さんに鯛をやると言い、子供に船に取りに行かせる。
      親父は子供に探させるふりをしながら、隙をみて海に飛び込み、
      艫綱を切って船を沖の方へ押し出す。
      山姥は騙されたと怒り、大きな乳を出し何度も乳をしぼりだす。
      乳が船にかかると船は手繰り寄せられそうになる。
      もう少しで山姥の手が届きそうになるところで、
      親父が包丁でその乳の糸をこすり切って、親子は助かる。
      (念仏の鼻は海に突き出して山が迫り、木が茂って海面に姿を
       映している所で、昔から妖怪が出る所であるという。
       この沖を通る時は念仏を唱えながら行ったものだという。)

③ぶらり讃岐の民話とむかし話 総集編,岸上真士編,岸上企画出版社
 タイトル:野々浦の山姥「津田町史より」
 地名  :北山、馬が鼻、野々浦
 概要  :魚捕りの名人の親子が夜漁に出たが、一匹も捕れないので、
      野々浦の浜でたき火をしていると、
      老母が火にあたらせてくれとやってくる。
      老母は自分の乳房を火で暖めながら、ひきのばすようにする。
      親父は老母にサザエを焼いてやると言い、
      子供に舟に取りに行かせる。
      子供が探してもないと言うので、親父も舟に取りに行き、
      綱を切って舟を沖へ出す。老母は乳房を投げかけてくる。
      乳房が櫓の先にあたって折れたが、親子は無事に助かる。

④ぶらり讃岐の民話とむかし話 総集編,岸上真士編,岸上企画出版社
 タイトル:やまんばの話「三宅勝太郎著『しまのでんせつ』より」
 地名  :ある所
 概要  :おじいさんが潟へタコ掘りに行くと、タコがたくさん取れる。
      おじいさんがタコを浜辺で焼いて食べていると、
      やまんばがそれをくれとやって来る。
      おじいさんは「みんなやる」と言う。
      やまんばがタコを食べている隙に、
      おじいさんは舟に乗り沖へ逃げる。
      やまんばは腹をたて、左の乳房を左手に持って
      舟にめがけて投げつける。乳房は伸びて舟べりにひっつく。
      おじいさんは鉈で乳房を舟から切り離すヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ。
      やまんばは左乳から血を流しながら右の乳房を舟に投げつける。
      乳房は舟にひっつき、
      やまんばは乳房をたぐって舟を丘へ引っ張る。
      おじいさんは右の乳房も鉈でちょん切り命からがら逃げかえる。


それにしても乳房を投げつけるって……、斬新な攻撃だなあ……。

araya  投稿日時 2011/10/27 0:07
それが分かりよいですし、無難でしょうね(^-^)。

ちなみに、下関の亀山八幡宮というところは江戸期まで島でしたが、砂州で陸伝いとなり干拓を重ねて、今では陸となりましたので、王越山もそうなのかなと思った次第ですが、収録の聞き書きに「島に住んでいる」という記述がなかったのも気になりましたもので…。また、新たな新発見を期待したいと思います♪

最後に一点だけ訂正を。小槌島は坂出市王越町に近いですが、高松市になります。確認不足でした。すみません(>_<)。
beniko  投稿日時 2011/10/26 22:10 | 最終変更
ほぅほぅへぇへぇ、全ての感嘆詞を使って感心しています。
紅子的には、あのアニメ中での描写にある「島」を仮地図にしたいなぁと思いました。恐れ入りますが現段階ではこの小槌島にマッピングさせてください。
この情報につきましては、まだまだ募集中ということで、気長にいきましょう。
araya  投稿日時 2011/10/26 7:23
念仏の鼻はTBSラジオ「月曜JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力」でも紹介され、こちらでも念仏の鼻がどこか分からないってことで話題になりましたが、調べると地元行政のHPでも紹介されていない民話の一つでした。
一次資料が分かりづらいのが難点でしたが、『香川の民俗7巻1号』に内藤敏典氏の「王越の聞書(オウゴシノキキガキ)」という論文が掲載されており、その中に山姥の伝説があります。下記が要約。

「夜12時頃、山姥が火にあたりに来る。逃げようとすると山姥は乳をしぼり出して逃げる漁師の船を捕らえたが、庖丁でその乳をこすると助かった」(何故か念仏の話がないのが気になります…)

で、肝心の場所ですが、論文のタイトルから香川県坂出市王越町で収録された話と分かりましたので、王越町の島であれば小槌島でビンゴってことになるのですが、困ったことに、この島には鼻というほどの地形がないんですよね( ̄∀ ̄)。
研究の手続き上、王越町の聞き取りで王越町以外の土地の話を収録するってことはあり得ませんので、今は念仏の鼻は消失していると考えるのが妥当かもしれません。念仏の鼻が波に浸食されたか。はたまた、砂州となって土の下に埋もれ、名称が消えたか。

以下は仮説ですが、王越町の地図を見ていただくと、小槌島の南西、大崎ノ鼻と乃生岬の間に王越山という山があります。その周辺の低地には溜め池が多く、地質学的にはかつては湾内の島だったことが窺える地形となっております。この王越山の北には宮ノ鼻がありますが、島だったと仮定すると南の尾根が立派な岬ないしは鼻の形を有していることも分かるかと思います。
もし、この昔話の教訓が念仏の功徳を説くものではなく、単に「念仏の鼻には近づくな」という生活の知恵を説くものであるなら、話中の船が動かなくなる現象は、浅瀬が多い漁場での注意を促すものであったでしょうし、話中の「山頂」「山の泉」という言葉が伝承のままの言葉であるなら「山」が一つのポイントとして浮かび上がり、周辺の溜め池の存在もそれを示唆するものと考えられます。

この真偽については、地元の郷土史家の協力が必要となりますが、ひとまずの仮で「王越山」へのマッピングはいかがでしょうか。
beniko  投稿日時 2011/10/24 20:23
きっとこの山姥の泣いていた岬っていうのが存在する気がするのですが、いまいち不明でした。もし、誰かこのお話に出てくる島などご存知の方がいましたら、教えてください。
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