Re: 念仏の鼻_件の地名
投稿者:ニャコディ 投稿日時 2012/6/17 23:18
こんにちは、ニャコディです。
念仏の鼻がどこの島の話か、という件について、郷土資料をいくつか調べてみました。どうやらうどん県では非常にバリエーションのある話らしく、取り急ぎ調べただけでもなんと4件ほど、色々な地名で乳を飛ばす山姥の話が出てきます。
以下に、掲載されている書籍とタイトル、地名、概要の情報をあげてみます(長文です。すいません)。
なんか、乳(房)を飛ばすというのが特異性がありそうで面白いので、もう少し調べてみます~。
①讃岐の民話 日本の民話5,武田明編,未来社
タイトル:真島のお化け「西讃岐昔話集」
地名 :与島、真島
概要 :ある島の漁師の親子が突風にあい、真島に舟をつける。
火を焚いていると白髪のおばあ(おじょも)がやってくる。
おやじはおばあに魚を焼いてやると言って、
息子に舟へ魚を取りに行かせる。
息子が戻ってこないと言っておやじも舟に戻り、
二人で舟に乗り沖へ逃げる。
おばあは山の下まで舟を追いかけてきて、
乳房をかきちぎって(゚Д゚≡゚д゚)エッ!?)舟へ投げつける。
乳房があたると舟はおばあの方へ引かれるが、
幸いだいぶん沖の方へ漕ぎだしていたので親子は無事逃げ帰る。
②全国昔話資料集成 32 東讃岐昔話集,武田明,谷原博信,岩崎美術社
タイトル:山姥の乳(話者:森本実)
地名 :念仏の鼻
概要 :親子の漁師が漁の後、念仏の鼻(岬)で火を焚いて休んでいた。
山からお婆さんが降りてきて火にあたらせてくれという。
親父はお婆さんに鯛をやると言い、子供に船に取りに行かせる。
親父は子供に探させるふりをしながら、隙をみて海に飛び込み、
艫綱を切って船を沖の方へ押し出す。
山姥は騙されたと怒り、大きな乳を出し何度も乳をしぼりだす。
乳が船にかかると船は手繰り寄せられそうになる。
もう少しで山姥の手が届きそうになるところで、
親父が包丁でその乳の糸をこすり切って、親子は助かる。
(念仏の鼻は海に突き出して山が迫り、木が茂って海面に姿を
映している所で、昔から妖怪が出る所であるという。
この沖を通る時は念仏を唱えながら行ったものだという。)
③ぶらり讃岐の民話とむかし話 総集編,岸上真士編,岸上企画出版社
タイトル:野々浦の山姥「津田町史より」
地名 :北山、馬が鼻、野々浦
概要 :魚捕りの名人の親子が夜漁に出たが、一匹も捕れないので、
野々浦の浜でたき火をしていると、
老母が火にあたらせてくれとやってくる。
老母は自分の乳房を火で暖めながら、ひきのばすようにする。
親父は老母にサザエを焼いてやると言い、
子供に舟に取りに行かせる。
子供が探してもないと言うので、親父も舟に取りに行き、
綱を切って舟を沖へ出す。老母は乳房を投げかけてくる。
乳房が櫓の先にあたって折れたが、親子は無事に助かる。
④ぶらり讃岐の民話とむかし話 総集編,岸上真士編,岸上企画出版社
タイトル:やまんばの話「三宅勝太郎著『しまのでんせつ』より」
地名 :ある所
概要 :おじいさんが潟へタコ掘りに行くと、タコがたくさん取れる。
おじいさんがタコを浜辺で焼いて食べていると、
やまんばがそれをくれとやって来る。
おじいさんは「みんなやる」と言う。
やまんばがタコを食べている隙に、
おじいさんは舟に乗り沖へ逃げる。
やまんばは腹をたて、左の乳房を左手に持って
舟にめがけて投げつける。乳房は伸びて舟べりにひっつく。
おじいさんは鉈で乳房を舟から切り離すヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ。
やまんばは左乳から血を流しながら右の乳房を舟に投げつける。
乳房は舟にひっつき、
やまんばは乳房をたぐって舟を丘へ引っ張る。
おじいさんは右の乳房も鉈でちょん切り命からがら逃げかえる。
それにしても乳房を投げつけるって……、斬新な攻撃だなあ……。