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No.0093
はちろうがたのはちろう
八郎潟の八郎
高ヒット
放送回:0057-A  放送日:1976年11月06日(昭和51年11月06日)
演出:藤本四郎  文芸:沖島勲  美術:阿部幸次  作画:阿部幸次
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あらすじ

昔、十和田湖に八郎という一匹の竜がいました。この八郎はもともとは人間でした。

岩手県の雫石に暮らしていた八郎が、仲間の喜藤(きとう)、三治(さんじ)と一緒に山へ入った時の事、その日は炊事当番でした。三匹のイワナを串焼きにしつつ、二人を待っていましたが、どうにも腹がすいてきて我慢できずに二人の分のイワナを食べてしまいました。

すると、焼け付くように喉が渇いてきて、谷川に飛び込んだ八郎が水をガブガブ飲んでいるうちに、いつのまにか竜になっていました。「喜藤!三治!」と声を限りに叫んでも、もう人間の声ではありません。八郎は涙を流しながら水を求めて荒れ狂い、ようやく十和田湖へたどり着きました。

十和田湖で暮らし始めた八郎でしたが、ある日突然、南祖坊(なんそぼう)という恐ろしい術使いのお坊さんが現れました。「わしのワラジが切れたこの場所を、一生のすみかにする。だからお前は出ていけ!」と叫び、呪文を唱えながら八郎に襲い掛かりました。

八郎は呪文の剣で血まみれになりながら、湖を追い出され、傷ついた体を引きずりあちこちさまよいました。秋田の男鹿の浜にたどりつき、浜を湖に変えて暮らすことにした八郎は、ようやく優しい心を取り戻すことができました。

八郎が作ったこの湖を「八郎潟」とよびました。やがて田沢湖の辰子姫を嫁にした八郎が、そちらへ通うようになると、年々浅くなっていきました。

(紅子 2012-3-4 2:35)


ナレーション市原悦子
出典(表記なし)
DVD情報DVD-BOX第1集(DVD第2巻)
VHS情報VHS-BOX第3集(VHS第24巻)
場所について八郎潟
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地図:八郎潟
追加情報
本の情報サラ文庫まんが日本昔ばなし第14巻-第070話(発刊日:1977年4月15日)/童音社BOX絵本_第48巻(発刊日不明:1970~1980年頃)/国際情報社BOX絵本パート1-第055巻(発刊日:1980年かも)/講談社テレビ名作えほん第029巻(発刊日:1978年6月)
サラ文庫の絵本より絵本巻頭の解説によると「秋田県の昔ばなし」
童音社の絵本より絵本巻頭の解説(民話研究家 萩坂昇)によると「秋田県の昔ばなし」
講談社の300より書籍によると「秋田県のお話」
このお話の評価6.8889 6.89 (投票数 9) ⇒投票する
※掲載情報は 2012/3/4 2:35 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
5件表示 (全5件)
Perenna  投稿日時 2020/10/27 23:42
このアニメのもとになったのは、未来社の「日本の民話別巻1 みちのくの民話」に収録されている「三つの湖のものがたり」(秋田県)ではないでしょうか?
「岩魚(いわな)のにおい―十和田湖のできた話」
「鉄のわらじ―八郎と南祖坊のたたかい」
「かがり火の花―人の心にかえった八郎」
「魚の天国―八郎潟のできた話」
「谷間の清水―田沢湖の生れた話」
「かたくりの花―八郎と辰子」
という6つの話を収めた連作ものです。
八郎は十和田湖を振り出しに、あちこちの湖を転々としていました。
ひょっとすると田沢湖も住めなくなってしまったので、愛する辰子姫を連れて、またべつの湖や沼に転居したのかもしれませんね。
ゲスト  投稿日時 2019/5/7 12:14
イワナを食べただけで竜に変えられて、お坊さんにいじめられるなんてかわいそうと感じてしまった。
昔の仲間への裏切りや、イワナ一匹という食糧は、今よりずっと重かったのでしょうか。
ゲスト  投稿日時 2017/7/14 22:05
私は八郎潟出身なのですが、子供が産まれ、児童館での日本昔ばなしの上映会でこのお話を初めて知りました。ママの産まれた所のお話なんだよ〜って話しながら鑑賞しました。
ゲスト  投稿日時 2016/8/17 23:54
毎年毎年、母と秋田に行くようになり、たつこ姫伝説を考える度に二人が静かで穏やかに暮らしている事を祈っています。
ゲスト  投稿日時 2014/10/13 19:38
八郎潟が干拓された今では、田沢湖にほぼ完全に婿入りしたことになってるみたいですね
しかし、現在田沢湖は御存知の通り、酸性の川の水を引き入れたことにより死の湖に…
八郎や辰子姫は現在も湖に、いてくれているのでしょうか
もっとも環境改善作業により徐々にではあるけど環境は戻りつつあるし、
辰子姫の母が投げた松明が変化したというクニマスも再発見。いずれはかつての田沢湖が戻ってくると信じたいですね
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