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No.0759
しろべんくろべん
白べん黒べん

放送回:正月特番  放送日:1985年01月02日(昭和60年01月02日)
演出:山田みちしろ  文芸:沖島勲  美術:水谷利春  作画:吉本桂子
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あらすじ

昔、高知県宿毛(すくも)の山奥に、一人暮らしの猟師が住んでいました。猟師は、白べんと黒べんという優秀な猟犬を飼っていました。

いつものように2匹の犬を連れて、山へ出かけましたが、どういうわけか一匹のウサギもとれませんでした。猟師は、横瀬川へ沿ってどんどん山奥へ入っていきました。

猟師が淵のところで一休みしていると、小さな蛇が足に噛みつきました。猟師は山刀を蛇に向かって振り下ろしましたが、小さい蛇は身をかわして淵へ逃げていきました。すると、淵はごうごう渦を巻き始め、気味が悪いと思った猟師は家へ帰ることにしました。

帰る途中、松の大木のような巨大な大蛇と遭遇しました。猟師は、鉄砲を撃ちまくりましたが大蛇はびくともしませんでした。猟師は運を天に任せて、特別な弾である命玉をぶっ放しました。

すると、命玉が効いたのか、大蛇は横手川へ落ちていきました。猟師は「二度と大蛇が生き返らないように」と、うろこを剥いで家に持ち帰りました。

その夜、猟師が眠りについていると、メスの大蛇が猟師の家ごとキリキリと締め上げ始めました。猟師ははね起きて、あらん限りの弾を撃ちまくりましたが、メスの大蛇は夫の敵とばかり家を破壊し始めました。

猟師は崩れた家の下敷きになり、「白べん、黒べん、頼むぞ」と言いながら意識を失いました。白べんと黒べんは、狂ったように吠えながら大蛇にとびかかりました。

やがて夜が明け、猟師がようやく家から這い出してみると、大蛇の姿も犬の姿もありませんでした。猟師は「白べーん、黒べーん」と叫びながら、山へ入って行き、そのまま帰ってきませんでした。

(紅子 2013-9-16 18:27)


ナレーション市原悦子
出典松谷みよ子(角川書店刊)より
出典詳細土佐の伝説(日本の伝説22),松谷みよ子,角川書店,1977年9年10日,原題「白べん黒べん」
場所について横瀬川上流(地図は適当)
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地図:横瀬川上流(地図は適当)
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※掲載情報は 2013/9/16 18:27 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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beniko  投稿日時 2012/5/11 17:46 | 最終変更
このお話に関する後日談の情報を見つけたので、書いておきます。(全国昔話資料集成の土佐昔話集から)

やがて春から夏にかけて、珍しい鳥の鳴き声が聞こえてくるようになった。その鳴き声は「シロペン・クロペン」とか「ピイフィー・ピイフィー」とか「ホーヘン・ホーヘン」と聞こえる。
まれに見かけるこの鳥は大変美しく、行方不明になった二匹の犬が死んでこの鳥になったのだろうと言われた。
この鳥は、和名「八色鳥やいろちょう」、学名ピッタニンフハ、高知県の鳥に指定されているそうです。

http://www.asahi-net.or.jp/~ga6k-izw/yairocho/pitta-nympha.htm
追記 http://www.youtube.com/watch?v=164QOIdejAM
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