昔、琵琶湖の近くの伊吹山の谷に、元気のいい姉妹の姫が住んでいた。
姫の住む谷には川がなかったので、村人たちは田んぼが作れず、粟やそばなどを作って貧しく暮らしていた。それでも村人たちは、どこの誰かも分からない二人の姫を大事にしていた。
この年は、冬からの長雨が梅雨まで続き、山の高い所に大きな池の水たまりができていた。さらに幾日も続く雨は激しさを増し、山はもうパンパンに水を吸い限界に近付いていた。
姉妹は、山が崩れるのを防ぐため、たまった池の水を抜こうと池に飛び込んだ。池の水は勢いよく流れだし、二人の姫はきれいな龍に姿を変えた。二人の龍は、池から吐き出された水と一緒に谷筋に沿って一気に駆け下りていった。
山々は落ち着きを取り戻し、この水が流れたところはそのまま川となった。この川のおかげで田んぼも作れるようになり、村人たちはこの二つの川を「姉川」と「妹川」と名付けた。
(紅子 2011-9-21 1:12)
ナレーション | 常田富士男 |
出典 | 滋賀県 |
場所について | 姉川と妹川(高時川)の合流地点 |
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