No.0728
もくぎょのもと
木魚のもと
高ヒット
放送回:0457-B  放送日:1984年08月18日(昭和59年08月18日)
演出:細谷秋夫  文芸:沖島勲  美術:青木稔  作画:細谷秋夫
京都府 ) 30111hit
あらすじ

昔ある寺に和尚さんと小僧さんが住んでいた。

小僧さんは早く良いお坊さんになりたくて毎日一生懸命お経を勉強していたが、この小僧さん物覚えが悪くなかなかお経を覚えられなかった。それでも小僧さんは、昼も夜もなく毎日必死にお経を勉強していた。そしてある日お経を呼んでいると、初めて和尚さんに誉められ、小僧さんは喜んでさらに勉強に取り組んだ。

ある日、海辺の崖でお経を読んでいると、風が吹いて経本が松の木のてっぺんに飛んでしまった。小僧さんは経本を取ろうと松の木に登ったが、足を滑らせて海に落ちてしまった。和尚さんが来た時は小僧さんの着物だけが残されており、崖下の海にはわらじが浮いていた。

和尚さんは悲しみ、小僧さんの着物を寺の庭に埋めて墓を作り、そこに木を一本植えた。そしてその墓に向かって毎日経を読んでいると、その木はどんどん大きくなりやがて寺の屋根を越すほどの大きさになった。

しかし、ある時大嵐が来て、小僧さんの木はばったりと倒れてしまった。和尚さんはその木を切り、幹の一番太い部分を寺に運び、何やら彫りだした。そして一ヶ月かかって作りあげたのは魚の形をした彫り物だった。

小僧さんは海にはまって死んだので、もう魚に生まれ変わってこの世にいると和尚さんは思ったのだ。そしてこれからもお経を教えてやるぞと言って、その彫り物をぽんぽんと優しく叩きながら経を読んだ。

後にこのことを伝え聞いた人々が、その魚の彫り物を木の魚「木魚」と呼び、和尚さんと小僧さんの深いつながりを語り伝えたということだ。

(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)


ナレーション市原悦子
出典京都府
DVD情報DVD-BOX第9集(DVD第45巻)
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追加情報
本の情報講談社テレビ名作えほん第093巻(発刊日:1988年1月)
講談社の300より書籍によると「京都府のお話」
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※掲載情報は 2011/2/11 22:30 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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もんた  投稿日時 2020/3/2 7:12
もう少しで経文が取れたのに。
華煌  投稿日時 2020/2/8 12:24
「物覚えが悪い。けれど必死に勉強する。」
こういう人が、後にその道の達人になる。
この小僧さんは生きていればきっと立派なお坊さまになっていたでしょう。
教育の現場でも、なかなか実績が上がらないお子さんに、失望される親御さんがいらっしゃいますが、わたしはいつも「こういうお子さんこそ、末頼もしいお子さんです。」と太鼓判を押しています。
数学の公式を覚えて、さっさと問題を解くことも大切ですが、紆余曲折を経て、自ら公式の意味を理解して解くのとは、かなり差ができます。
更に学問が進んで、難問にぶつかったときその実力が発揮されるのは、公式等の意味をしっかり把握している学生の方です。
この和尚さまも愛深く小僧さんを見守っていらっしゃったすばらしい方ですね。
小僧さんも、和尚さまのお気持ちに応えてお寺を守り抜き、更に精進を続けられる最高の場を得られました。
亡くなって惜しい気がする反面、永久に衆生を済度し続ける木魚の存在を尊く思うことができました。
ももんが  投稿日時 2017/10/9 13:53
悲しいお話だけど救いのあるお話ですね。
お寺さんの木魚にいたずらしようとした息子達にネット検索して読み聞かせをしたら自分がないてしまいました。
まゆぽん  投稿日時 2016/11/7 8:55
うろ覚えなのですが…、小僧さんが落ちるシーンはなくて、小僧さんが木に引っかかったお経を取ろうとしてて、すぐ和尚さんの顔が出てた気がします…。
でも想像で落ちたんだろうなぁ…と思っていた気がします。
匿名希望。  投稿日時 2013/9/27 14:51
ちょっぴり泣ける話ですね・・・。(泣)
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