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No.0709
けらうりじっちゃ
ケラ売りじっちゃ

放送回:0445-A  放送日:1984年05月26日(昭和59年05月26日)
演出:こはなわためお  文芸:沖島勲  美術:西村邦子  作画:塚田洋子
岩手県 ) 11897hit
あらすじ

ケラ売りじっちゃと呼ばれるおじいさんが、深い深い山奥の谷間で、ばあ様に先立たれてひとり暮しておりました。働き者のじっちゃはいつももっと奥深いマンダの森へ分け入っては、苦労して一枚づつ木の皮を穿いで持ち帰ると何日もケラ作りをするのでした。ちなみにマンダとはシマの木でケラは箕のことです。

市の立つ日にケラを抱えて遠くの町に出かければ、じっちゃの丈夫なケラは大評判であっという間に売り切れますから、じっちゃは儲けた銭でちょいと一杯飲んだり、ばあ様の好物を仏壇に供えたりするのでした。

じっちゃがいつものように森の奥でせっせと働いていたある日、山に生えた大木より背の高い大男が現れて、煙草の火をかりたいと言ってきました。腰を抜かすほど驚いたじっちゃでしたが、火打ち石でキセルに火をつけてやる時に、大男の腕から血がポタポタこぼれているのに気がついて、血止めの薬草を採ってきて傷の手当てもしてやりました。
大男はポロリポロリと涙を流すと、山に向かって願いを叫べば山のものなら何でも持ってきてやると言って去りました。

家に飛んで逃げ帰ったじっちゃは三日三晩おっかない夢で苦しみましたが、逃げて帰る時に置きっぱなしにした荷物が気になって、山を見ながら何とはなしに「マンダの皮を持って来ねば」とつぶやきました。するとその夜中には、大きな足音とともに山盛りの新しいマンダの皮が家の前に届けられ、大男が帰って行く後姿が見えたので、じっちゃは大男が山の神様だったのだと気がつきました。

それからはじっちゃが山に声をかければ、マンダの皮だけでなく季節とりどりの山の幸もすぐに届けられるようになり、じっちゃはケラ作りにいっそう励んで達者に暮らす事ができました。

(投稿者: ひかる 投稿日時 2012-1-31 13:50 )


ナレーション市原悦子
出典高橋昭(鎌倉書房刊)より
出典詳細父母が語る日本の民話(下巻),大川悦生,鎌倉書房,1978年4月20日,原題「ケラ売りじっちゃ」
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※掲載情報は 2012/1/31 14:46 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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Perenna  投稿日時 2022/2/5 22:26
この昔話は、「ふるさとの民話26・岩手県の民話」(偕成社)にも収録されています。
「けら売りじっちゃ」〈むかし話・浄法寺町〉という題名です。
再話したのは高橋昭氏ですので、鎌倉書房のものと同じ話ではないかと思われます。
解説には、次のように書かれています。
「この昔話のある浄法寺地方には、餅をごちそうになったお礼に、一晩のうちにひろい田をうってくれる大天狗の話がのこっています。あるいはじいさんにいろいろなおくりものをした巨人も、この大天狗ではなかったのでしょうか。関東、中部地方に多い、〈だいだらぼっち伝説〉もそうですが、このような巨人ばなしがのこっているのは、自分たちではもてない超能力の持ち主に、むかしの人々が夢を託していたためと考えられます。」
いちおう、ご参考までにお知らせいたします。
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