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No.0700
ちんちんこばかま
ちんちんこばかま
高ヒット
放送回:0439-A  放送日:1984年04月14日(昭和59年04月14日)
演出:しもゆきこ  文芸:沖島勲  美術:しもゆきこ  作画:今村春美
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爪揚枝に崇られた無精者の嫁の話

昔、美人な娘が、ある侍のところへ嫁にいきました。

この嫁はとにかく不精者で、お茶碗も洗濯物もいつまでもほったらかしたり、洗濯物も干しっぱなしでした。でも、気立ても優しく両親にもニコニコと接してくれるので、姑は驚きながらも仲良く過ごしていました。

ある時、夫がいくさに出かけ、一人で寝ていた嫁の枕元に何やら変な歌声が聞こえてくるようになりました。「ちんちん こばかま 夜もふけてそうろう おしずまれ 姫ぎみどの や とんとん」こんな歌を繰り返し歌いながら、小指ほどもない小さな男たちが、何十何百と集まって、嫁の布団の周りを踊り始めました。

毎晩続く小さな化け物たちが怖くて怖くて、とうとう嫁は病気になって寝込んでしまいました。そうこうしているうちに戦から夫が帰ってきて、小さな化け物の話を聞きました。そこで夫は、寝間の押し入れの中に隠れて、真夜中の化け物の登場を待ちました。

夜が更けた頃、どこからともなく歌声が聞こえて、嫁の枕元に小さな男たちが現れました。夫が刀を抜き、小さな化け物に切りかかると、ふわっと小さな化け物たちは姿を消し、畳の上には古い爪楊枝が散らばっていました。「これが化け物の正体だよ、使った楊枝をきちんと始末しないから化けて出たんだよ」

そう夫から言われた嫁は、畳の上に散らばった古楊枝をつまんで、瞬きもせずじぃっと見つめていました。

(紅子 2012-5-4 0:31)


ナレーション常田富士男
出典川崎大治(童心社刊)より
出典詳細日本のふしぎ話(川崎大治 民話選3),川崎大治,童心社,1971年3月20日,原題「ちんちんこばかま」
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※掲載情報は 2012/5/4 0:31 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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ゲスト  投稿日時 2021/12/29 15:58
記念すべき700話目だが下ネタと勘違いされなかったのか?
Perenna  投稿日時 2019/2/1 21:08
この昔話は、「小泉八雲代表作集:耳なし芳一」(昭和25年)という本にも収録されています。(コマ番号70/158)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1169083/70

化け物の歌っていた歌は、次のように書かれています。
「ちん・ちん・こばかま
よもふけそうろう
おしずまれ、ひめぎみ
やとんとん」
(私どもはちん・ちん・こばかまです、時もおそうございます、おやすみなさい、御りっぱな気高いお姫さま)

小泉八雲の原話を川崎大治が再録したものらしいですね。
ゲスト  投稿日時 2017/2/9 3:18
ちょっと怖いけど面白かったです。
ゲスト  投稿日時 2016/3/26 16:41
♪ちんちん こばかま
♪夜も ふけてそうろう
♪おしずまれ 姫ぎみどの
♪や とん とん
※わたしたちは、ちんちんこばかまでございます。夜もふけました。おやすみなさい、姫ぎみさま。
(言葉はていねいだけれど、小人たちは、(嫁の)わたしをいじめるつもりなのだわ)
と、歌いながら、嫁を馬鹿にする様に踊り回るのです。
http://hukumusume.com/douwa/pc/kaidan/02/03.htm
ゲスト  投稿日時 2016/3/26 16:31
きっと、不浄にしていると化け物等良くないものがやって来る。という神道的な習慣からと、
物にはモノ(魂)が宿り、扱いを間違えると祟ると思われていたからだと思います。
昔の人は、針供養等で、 モノ達に礼儀を尽くして、目に見えないがモノが帰るべき元の世に送る習慣がありました。
今でも大切な物を捨てる時は、半紙に包んで礼を述べてお帰り下さい申し上げ ゴミに出すと祟らないと言われています。
神社の祝詞で神様にお帰りいただく際には「元津御坐に帰りましませ」と神職さんが上げているのが良い例です。
「魂 魄」永遠に生き続ける目に見えない魂と、物質である朽ちてしまう魄。
朽ちてしまう物に対する供養等の礼儀、そして、その供養を通して暖かい感謝の心を通わせる、
怠ると祟りがあるよと。
日本人の目に見えない生命を感じる霊性のお話だと思います。
ゲスト  投稿日時 2016/3/26 14:35
有名な話だけど歌の意味がいまいち分からない
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