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No.0681
とっつくひっつく
とっつくひっつく

放送回:0427-A  放送日:1984年01月21日(昭和59年01月21日)
演出:フクハラ・ヒロカズ  文芸:沖島勲  美術:福井のり子  作画:フクハラ・ヒロカズ
島根県 ) 17851hit
働き者のじじばば、隣のマネっこじじ-ばばのお話

昔、ある所にお爺さんとお婆さんが住んでいました。その隣にもやっぱり爺さんと婆さんが住んでいて、いつも隣のお爺さん達の真似ばかりしていました。

ある日、お婆さんが山道を歩いていると、「とーつかかぁ、ひーつかかぁ」と大きな声がしました。怖がるお婆さんに、お爺さんは「だったら”とーつかばとーつけ、ひーつかばひーつけ”と言ってやれ」とアドバイスしました。

お婆さんがこわごわ山道を帰っていると、やっぱりあの声が聞こえてきました。お爺さんに言われた言葉を大声で叫んでみると、周囲の松や杉からヤニが飛んできてお婆さんの体にベタベタとくっつきました。お婆さんはヤニだらけになって半ベソかいていると、お爺さんが藁(わら)の火でヤニをあぶってくれました。すると、火にあぶられたヤニは小判に変わりました。

話を聞いた隣の爺さんと婆さんが、さっそく真似して叫んでみましたが、ヤニは飛んできませんでした。怒ったお婆さんがもう一度大声で叫ぶと、すごい顔をした山の神さまが現れ、大量のヤニを婆さんに降り注ぎました。

ヤニまみれになった隣の婆さんでしたが、このヤニが全部小判になるかと喜んだ爺さんは、さっそくヤニを火であぶりはじめました。するとヤニは小判になるどころか、婆さんに火が燃え移ってしまい、ついには家にまで燃え移り二人は命からがら逃げ出しました。

これに懲りて、隣の爺さんと婆さんはもう決して人の真似はしなくなりました。それからは四人仲良く幸せに暮らしました。

(紅子 2011-11-20 15:14)


ナレーション市原悦子
出典島根県
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追加情報
本の情報講談社テレビ名作えほん第075巻(発刊日:1987年4月)
講談社の300より書籍によると「島根県のお話」
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※掲載情報は 2011/11/20 15:14 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
2件表示 (全2件)
Perenna  投稿日時 2020/9/5 22:37
この昔話と同じような話が、未来社の「石見の民話・第一集」にも収録されています。
「とりつこうかひっつこうか」という題名です。
「むかしむかし、あるところにじいさんとばあさんとおったげな。じいさんは山へ木こりにいったげな。ばあさんはあとからべんとうを持って行ったげな。松の木原を通りかかると、「とりつこうかひっつこうか」というたげな。」という書き出しで始まっています。
隣りの欲ばりばあさんは、からだが松やにだらけになりますが、火であぶったところ、「からだに火がついて、ばあさんはとうとう焼け死んだとよ。」と書かれています。
原話は「川本町誌」と書かれています。
島根県邑智郡川本町に伝わる話だそうです。
Perenna  投稿日時 2019/1/29 21:35
このアニメに出てくる「ものすごい顔をした山の神さま」は、「ゲゲゲの鬼太郎」に出てくる「やまびこ」という妖怪にすごく似ていますね。
http://www.sakaiminato.net/c817/roadmap/bronze/038/

水木しげるの出身地も島根県か鳥取県だったと思うので、やっぱりなにか関係があるのでしょうか?
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