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No.0676
はまぐりひめこ
はまぐりひめコ
高ヒット
放送回:正月特番  放送日:1984年01月02日(昭和59年01月02日)
演出:なべしまよしつぐ  文芸:沖島勲  美術:なべしまよしつぐ  作画:なべしまよしつぐ
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あらすじ

むかし、父親を亡くし、やがて病弱だった母親も亡くして、曾祖母と二人で暮らしている吾一という男の子がいました。

ある日、男の子が漁をしていると小さなハマグリを釣り上げました。「せっかく釣ったが、助けてやるよ」といって、海へ逃がしてやりました。そして、また釣り糸をたらしていると今度も小さなハマグリがかかりました。一つ揚げておくかと、舟の上に転がしてまた釣り糸を垂らしていると、肩に手をかける者がいました。

吾一が振り向くと、いつ乗り込んだのか、船にきれいな娘が立っていました。「オラははまぐり姫コじゃ、お前の家まで連れて行ってくれろ」と言うので、少しの間だけ姫を吾一の家に置いてやることにしました。

その日の晩、はまぐり姫コはトンカラリトンカラリと機を織り始めました。幾日か経った頃、姫は反物を完成させて「私は観音様の使いです、そろそろ国に帰ります」と言って、観音様の姿を写した綺麗な反物を置いて海に帰っていきました。

そして吾一は、はまぐり姫から言われた通り、反物を売って商売を始めました。親孝行な吾一が商売を始めたと言うので、隣近所から人々が押し掛け、商売は繁盛しました。お婆さんも吾一も、元気に暮らしたという事です。

(投稿者: araya 投稿日時 2011-12-15 17:03)


ナレーション常田富士男
出典東北農山漁村文化協会(未来社刊)より
出典詳細みちのくの民話(日本の民話 別1巻),東北農山漁村文化協会,未来社,1956年06月10日,原題「はまぐりひめコ」,話者「青森県弘前市第二大成小学校教諭の斎藤正」
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※掲載情報は 2012/1/28 12:52 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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Perenna  投稿日時 2019/1/29 19:22
「はまぐり姫」の昔話は、児童文学者の楠山正雄が編纂した「日本童話宝玉集・下巻」(大正11年)にも収録されています。(コマ番号123/324)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/945588/123

はまぐり姫の出自については、「南方普陀落世界の観音の浄土で観音のおそばに仕へてゐる女のわらは」と書かれています。
昔は「補陀落渡海」といって、仏教の行者を生きたまま棺桶に閉じ込めて海に流し、極楽浄土へと渡海させる信仰や風習があったらしいです。
おそらくこの昔話も補陀落渡海の伝説から派生したものなのではないでしょうか?
araya  投稿日時 2011/12/15 17:03 | 最終変更
未来社の『みちのくの民話』と『青森の民話』の両方で同じタイトルのものが掲載されており、ともに青森県弘前市での採録とのこと。『青森の民話』は2頁でしたが『みちのくの民話』は4頁ありますので、そちらの方を「かもしれない」で紹介したいと思います。

----------あらすじ転記済み----------------

海から来たものが天に帰るというのも不思議な話ですが、かぐや姫のように下界に落とされるような裏話もあったのかなとも思ったりです。孝行者に富を授けるミッションがあればこその押しかけ女房的展開なんでしょうけど、大きなハマグリまま家に持って帰られて食われたとしたら、どうなってたのやら…(^_^)。
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