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No.0657
つきへいったこ
月へ行った子

放送回:0412-B  放送日:1983年10月01日(昭和58年10月01日)
演出:阿部幸次  文芸:沖島勲  美術:阿部幸次  作画:阿部幸次
北海道 ) 15951hit
神様の怒りに触れた少年の話

両親に先立たれた、姉と弟が小さな家に住んでいた。姉は女手ひとつで弟を育てていたが、その弟は毎日怠けてばかりで困らせていた。

ある日、弟は神様である家のあらゆる物を棒きれで叩くいたずらをした。見かねた姉は「お前、そんな事をしたら今にバチがあたるよ!」と注意したが、弟は桶を手にするとプイと出て行ってしまった。

弟はそのまま行方不明となってしまった。姉は心配になり、弟を捜しに出かけた。途中、川の魚たちに会い、弟の行く先を尋ねてみた。しかし、どの動物たちも、弟を見かけたが、行く先までは教えてはくれなかった。

途方に暮れた姉は、さらに川下の方へ行くと、鮭たちが泳いでいるのに出くわした。姉は鮭たちにも尋ねてみると、ついに弟の行先を教えてくれた。

それによると「男の子は、神様のバチがあたって月の世界へ連れていかれました。」というのだ。それを聞いた姉は、その場で泣き崩れてしまったのだった。

やがて夜になり、姉が空を仰ぐと月に水汲をしている弟の姿が見えた。弟は今でも、月で水を汲んでいるそうだ。

(投稿者: マニアック 投稿日時 2011-7-1 23:13 )


ナレーション常田富士男
出典松谷みよ子(角川書店刊)より
出典詳細自然の精霊(日本の民話02),松谷みよ子,角川書店,1973年8年23日,原題「月へ行った子」,伝承地「北海道」
場所について北国の山あい
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※掲載情報は 2012/1/25 2:33 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
6件表示 (全6件)
Perenna  投稿日時 2019/1/27 1:28
この昔話は、大正15年に出版された「アイヌ民話」という本に「お月様の悪戯」という題で収録されています。(コマ番号62/150)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/983308/62?tocOpened=1

「昔、あるコタンに姉と妹二人きりで、山から姥百合を採つて来たり川から魚を捕つて来ては、それを食糧に、その日その日を送つてゐた。
この日も川から鮭を捕つて家に戻つた時には、もう日はトツプリ暮れてゐた。姉は夜食の仕度に、捕つて来た鮭を料理するため、妹に水を汲んで来てくれと頼んだ。すると妹は、どうしたものか姉の命を聞入れなかつた。
「厭な妹だね。姉さんのいふことを聞かないの」
といつて、姉は妹をしかりつけたが、それでも妹はブツブツいつて素直に立たうとしなかつた。
姉は腹立ちまぎれにニヤトシ(手桶に似たるもの)を持つて来て、妹を立たせてそのニヤトシに水を汲ませるため表へ突き出した。妹は渋々いひながら川の方へ歩みを進めた。
空には微笑む様な星の光とにこやかな月の光がなごやかに明かるく輝いてゐた。それを眺めた妹は、お月様に向つて、うらやましさうに
「お月様はいいのね。いつも綺麗に、じつとしてお空から輝いて居ればそれでいいのだものね。妾もお月様のやうに、働かずにじつとしてゐたいわ」
とつぶやいた。お月様はそれをお聞きになつて「地上に住むものは怠けてはいけない」と仰しやつて、悪戯にも妹を天上にさらつて連れて行かれた。
家の中で妹が水を汲んで来るのを待ちわびてゐた姉は、いくら待つても戻つて来ないので、表へ飛び出して川端のところへ来た。そこには獨木船が浮べてあつた。
「妹はきつと川の中に落ちて流されてしまつたに相違ない」と思つて、船に乗るや川下に向つて漕いで行つた。
途中でアカハラといふ魚に出あつたから、妹の行方を尋ねて見た。するとアカハラは
「いつぞやアイヌから、口の小さい腐つた魚といはれたから、教へてあげられぬ」
とキツパリ断つた。その次には鱒に出あつた。さうしてアカハラに聞いたやうに妹の行方をたづねたが、それも有がたい事はなかつた。その次には鮭に出あつた。鮭は親切にも
「空に輝いてゐるお月様に聞けばわかるよ」
と教へてくれて、妹のお月様につぶやいたことから、お月様につれられて行つたことまで、精しく話してくれた。姉は泣きながらわが家へ帰つた。
アイヌ達は、お月様の姿に、ニヤトシを携へてゐる妹の影が、今でも見えるといつてゐる。」

アニメでは、手のつけられないナマケ者の弟が、神様のバチがあたって月の世界へ連れていかれたという設定になっています。
しかしアイヌの伝説では、気まぐれを起こして水汲みを嫌がった妹が、お月様をうらやましがって、連れ去られてしまうという話になっています。
どちらも「なまけることはよくない」という戒めを含んでいるとは思います。
ですが、お月様が怠惰な妹(弟)を拉致して、しまいには働き者のお姉さんを悲しませてしまうのというのは、なんとなく理不尽な気がしてなりませんよね。
ゲスト  投稿日時 2016/6/12 16:04
日頃の行いが災いする話ですね。
幼くてもやはり神様を粗末にした罰は大きいということなのでしょうか?
振り回されるお姉さんがいい人なだけあってかわいそうです。
にん  投稿日時 2012/7/22 19:59
この話も好きです。弟、子憎たらしい…

おさない弟が、姉の2人暮らし。
怠け者の弟に、「川で水をくんできておくれ」と頼む姉。
すると弟は、囲炉裏を棒でたたいてこう言った。
「いろりは、いいな。神様だから、水汲みなんてしなくて、
いいんだから」
また、水瓶をたたいてこう言った。
「かめは、いいな。神様だから、水汲みなんてしなくて、
いいんだから」

諌める姉にしぶしぶ水汲みに出かける弟。
しかし、一向に帰ってこない。
心配になった姉は、弟を探しに出かけた。

○○(魚の種類)がいたので、弟を見なかったか
たずねると、○○はこう言った。
「知ってますよ。でも、行先は教えませんよ」
「あの子は私たちを見て馬鹿にした。だから
教えませんよ」

さらに探す姉。すると△△(魚の名前)がいた。
「△△よ、私の弟を見なかったかい?水汲みにいったまま
帰ってこないのだよ」
△△「知ってますよ。でも行先は教えませんよ」
「あの子は私たちを見て馬鹿にした。だから
教えませんよ」

さらに探す姉。すると◆◆(魚の名前)がいた。
尋ねる姉に、◆◆はこう言った。
「知ってますよ。あの子はわたしたちを見て、
神様、神様と手をたたいた。だから教えてあげましょう」

◆◆によると、弟は天に連れ去られていってしまったらしい。
絶望する姉。月を見上げると、水汲みをしている
弟のシルエットが、かなしげに浮かぶのであった。
beniko  投稿日時 2012/1/25 22:16
本当、よく記憶されていましたね。紅子自身は初めて見たお話でしたが、ちょっと弟に対する神さまの罰はひどすぎに思えました。子供のした事、ちょっと大目に見てほしかった。ひじょ~に きびし~(´;ω;`)
マニアック  投稿日時 2012/1/25 20:20
たった今、youtubeで確認しました。一度しか見たことないので、曖昧な点もありましたが、大体は合っていたから、ほっとしています。弟をさがし歩く姉さんの足元が、映るたびに出ていた、まるで本のページをめくるような場面転換が、一番印象深かったので「あーこれだ、これ!」と言いながら29年ぶりに拝見しました。
beniko  投稿日時 2011/7/2 22:26 | 最終変更
おー、こんなお話なのですね。投稿いただき、ありがとうございました。
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