ある村に、ミケランという若者がいました。ある日、ミケランが畑からの帰り道に美しい羽衣を見つけ、どうしても欲しくなって持っていたカゴの中にそっと入れました。しかし、その羽衣は下界に遊びに来ていた天女の物だったのです。天女は羽衣を奪われて天上に戻る事が出来なくなり、ミケランと一緒に暮らすようになりました。
天女は七夕と名のり、何年かたつうちに地上の暮らしにも慣れてきました。ある日、七夕は天井に隠してあった羽衣を見つけました。羽衣をまとった七夕は、「わらじを千足つくって竹の下に埋めて下さいね」とミケランに言い残し、天にのぼっていきました。
数日後、ミケランが千足のわらじを竹の子の周りに埋めると、竹の子が天に向かってどんどん成長しました。さっそく七夕のいる天上界に向かって竹を登りはじめましたが、あと一歩のところで竹の成長が止まってしまいました。一生懸命に自分の名を呼ぶミケランの声に気が付いた七夕は、手を伸ばして愛する夫を天に引き上げました。
二人は再会を喜びましたが、七夕の父親は下界人と結婚した事を快く思っていませんでした。ミケランを困らせてやろうと、父親は炎天下での瓜畑の番を言いつけました。とても喉が渇き我慢できなくなったミケランは、畑の瓜をひとつ取ってかぶりつきました。すると瓜から大量の水があふれ出し、大きな天の川となってミケランと七夕を引き離してしまいました。
二人は天竜星(てんりゅうぼし)と織姫星(おりひめぼし)となり、一年に一度だけ、七夕の日に会う事が許されました。
(紅子 2011-10-15 3:08)
ナレーション | 市原悦子 |
出典 | (表記なし) |
備考 | 登場人物の名前から予測できるのは奄美大島に伝わる「天女の羽衣伝説」が元になっているかもしれないと、紅子が予想中。 |
DVD情報 | DVD-BOX第1集(DVD第5巻) |
本の情報 | サラ文庫まんが日本昔ばなし第2巻-第008話(発刊日:1976年5月31日)/童音社BOX絵本_第51巻(発刊日不明:1970~1980年頃)/二見書房まんが日本昔ばなし第11巻-第41話(発刊日:2006年6月20日)/講談社テレビ名作えほん第008巻(発刊日:1977年9月) |
リメイク | No.1197[0795-A]七夕さま |
類似 | - |
同テーマ | - |
話型 | 異類女房、羽衣伝説 |
世界の話と類似 | 七夕さま(中国の伝説) |
サラ文庫の絵本より | 絵本巻頭の解説には地名の明記はない |
童音社の絵本より | 絵本巻頭の解説(民話研究家 萩坂昇)によると「大阪府の昔ばなし」 |
講談社の300より | 書籍には地名の明記はない |
このお話の評価 | 7.75 (投票数 8) ⇒投票する |
⇒ 全スレッド一覧