昔ある山里に、仲の良いおじいさんとお婆さんがいました。ある雨降りの日、おじいさんとお婆さんは外での畑仕事ができないので、久しぶりに家でやすんでいました。
退屈になった二人は、家の中で「かくれんぼ」をする事にしました。じゃんけんに負けたお婆さんが鬼になりおじいさんが隠れましたが、おじいさんの姿が見えない家の中はひんやりとして、いやに静かに感じました。お婆さんは少々心配になりましたが、長持(ながもち)の後ろにいるおじいさんを見つけてホッとしました。
次はおじいさんが鬼になりました。おじいさんがあちこち探してもお婆さんがなかなか見つからないので、そのうちおじいさんも心細くなってきました。
おじいさんは、「ひょっとして、お婆さんは自分一人を残してどこかへ消えてしまったんじゃなかろうか…」などと、不安でいっぱいになりました。台所を探していたおじいさんが、大釜のフタを開けて中を覗くと、お婆さんが待ちくたびれて眠り込んでいました。
今度はまた、お婆さんが鬼になりました。どうやら今日は一日、おじいさんとお婆さんはかくれんぼをして遊ぶつもりです。外はまだ雨がしとしと降っています。
(紅子 2011-10-7 1:14)
ナレーション | 市原悦子 |
出典 | 青森県 |
DVD情報 | DVD-BOX第5集(DVD第25巻) |
講談社の300より | 書籍によると「青森県のお話」 |
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