No.0589
ひだきのふえ
日滝の笛

放送回:0369-B  放送日:1982年11月27日(昭和57年11月27日)
演出:泉真一  文芸:沖島勲  美術:関口良雄  作画:上口照人
長野県 ) 10166hit
あらすじ

昔、信州の須坂の城下に、日滝という小さな村がありました。働き者だが貧しいこの村の人々は、春と秋のお祭りを何よりも楽しみにしていました。このお祭りに欠かせないのは、笛の名人おたき婆さんの笛の音でした。

ところがこの村に二年も日照りが続き、米や野菜がとれなかったので、城の殿様から贅沢禁止令が出されました。凶作続きの上に、たった一つの楽しみを取り上げられて、村人たちはすっかり気落ちしてしまいました。

ある雨の日、おたき婆さんの家に、狩りの途中の二人のお侍さんが雨宿りに立ち寄りました。おたき婆さんがお茶など準備している間に、お侍さんがずぶ濡れのまま大切な米俵に腰かけていました。それをみたおたき婆さんは、怒って侍を雨の中に追い出してしまいました。

それから二、三日して、おたき婆さんはお城から呼び出されました。実はあの時のお侍さんはお城の殿様で、自分の無礼を詫びて褒美をとらせるという事でした。その際、おたき婆さんは「どうかお祭りをさせて下さい」とお願いしました。

祭り禁止のおふれはその日のうちに取り下げられ、日滝の森に久しぶりに祭りののぼりが立ち、村人たちは楽しげに踊りました。おたき婆さんの笛の音は「来年こそは豊作を」と祈りを込めて、辺りの山々に響き渡りました。

(紅子 2012-2-3 22:43)


ナレーション常田富士男
出典長野県
DVD情報DVD-BOX第7集(DVD第34巻)
場所について日滝(地図は適当)
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地図:日滝(地図は適当)
追加情報
講談社の300より書籍によると「長野県のお話」
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※掲載情報は 2012/2/3 22:43 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
5件表示 (全5件)
ゲスト  投稿日時 2015/10/10 21:09
高橋(たかはし) バス停
所在地 長野県須坂市日滝
http://bustei.publicmap.jp/spot/320969

〒 382-0016
長野県須坂市(日滝)高橋町 (タカハシマチ)
http://www.post.japanpost.jp/cgi-zip/zipcode.php?pref=20&city=1202070&id=74698
ゲスト  投稿日時 2015/10/10 20:55
日滝村(ひたきむら)は長野県上高井郡にあった村。現在の須坂市大字日滝にあたる。
歴史
1889年(明治22年)4月1日 - 町村制の施行により、近世以来の日滝村が単独で自治体を形成。
1936年(昭和11年)12月1日 - 須坂町に編入。同日日滝村廃止。
地域内にあるもの
明覚山 松川 谷街道(現・国道403号)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%BB%9D%E6%9D%91


ゲスト  投稿日時 2015/10/10 20:20
日滝の笛
ずっと昔、日滝の高橋に、おばあさんがひとりで住んでいました。
「今年の秋祭りは、どうなることかのう。」
おばあさんは、黒光りした横笛をなでながらつぶやきました。
どうしたことか、今年も二年続きの凶作でした。夏になると、雨らしい雨が降らず、稲は立ち枯れる所さえでたのです。
そんなわけで、殿様から、金のかかることは差しひかえるようにおふれがでていたのです。でも春には、食べ物を待ち寄ってこっそりと祭りをしました。ところが、殿様の耳に入りひどいお叱りをうけました。 おばあさんは、笛にむかって、
「また、おまえの出番がなくなったな。」とさびしそうに、語りかけました。
殿様のおふれは、いっそうきびしくなっていたのです。

それは、秋の取り入れもすんだ昼さがりのことでした。
突然降りだした雨とともに、戸をこじ開けるようにして、ふたりの男が入ってきました。
「だのもう。たのもう。」
でっぷりと太った男が、くちびるをふるわせて叫びました。
「何か御用かのう?」
「狩りの途中だが、雨に降られて困っておる。ちょっと休ませてくれ。」
鼻筋のとおったひげの男が、顔のつゆをはらいのけて言いました。
男たちは、りっぱな弓矢を持っていましたが、その身なりは、まるで野武士そっくりでした。
「これは、まあよくきてくださった。寒かったろうに、茶のいっぱいでも飲んでくんなして。」おばあさんは、そういいながら奥へ入っていきました。
ひげの男は、米俵の上に、ぬれた体を横たえるようにして、腰をおろしました。
まもなく、おばあさんは、でてきましたが、その男をみると、
「なんだ。それは!」と、男をつきおとしてしまいました。
「なにをする。この無礼者!」太った男が、刀に手をかけました。
「何をいいなさる。」おばあさんは、しんばリ棒を振り回して、あっというまに、二人を雨の中にたたきだしました。

それから、二、三日して、おばあさんは、須坂の殿様から、呼びだされました。
おばあさんは、びくびくして、屋敷の庭先にひざまずいていました。何で呼びだされたのか、さっぱりわけがわからなかったのです。
まもなく、太鼓の音が鳴り響き、白いふすまが静かに開きました。
「そこの者、おもてをあげい。」おばあさんが、おそるおそる顔をあげました。
すると、そこには殿様が、家来をしたがえて、座っていました。
「ところで、この顔に見覚えはござらぬか。」そういわれて、おばあさんは、天地が避けるほどびっくリしました。その殿様こそ、あの米俵の男でした。
「ヘーい、ごかんべんのばどを。」おばあさんは、打ち首を覚悟しました。
「いや、責めているのではござらん。なぜこのわしを追いだしたのか、そのわけを間こうと言うのじゃ。」
「遠慮せずに申せ。なぜ、あのようなひどいことを、このわしにしたのじゃ。」
「ヘーい。」
「申せ。」
「はい。お米は、汗水たらして働いた、わしらの命でございます。そのお米の上に座られましたので、あまりに心ない者だと思いましたもので。」
「なるばどー。米こそ、我らの命とはな。いや、わしが悪かった。」
殿様は、深いため息とともに言いました。
「もったいないことでございます。」
「わしは、お前に、人間として忘れてはいけないことを教わったようだ。礼を言うぞ。」
「そんな……。」 
「そのかわりといってはなんだが、そちに、褒美をつかわそう。なんなりと申せ。」
おばあさんは、自分の耳を疑いました。だまっていると、
「えんりょはいらんぞ」とわきの家来が、口を添えました,
「はい。では、祭りをさせていただきとうぞんじます。」
「なに、祭リだと? お前に褒美をくださるというのだ。」家来が、また口をいれました。
「祭りは、わしらのいちばんの楽しみでございます。祭りをやってこそ、いっそう仕事に身がはいろうというもの。」
「うーむ。もう、冬が来るのに、祭りをしたいとはなあ。」
「はい。」殿様は、しばらく考えていました。
「よい。わかった。あのふれはとりやめにするとしよう。」
「本当でございますか。」おばあさんの顔ははればれとしました。

やがて日滝の森に、のぼりが立ちました。そして、白いものが舞いはじめると、祭りは最高潮にたっしました。舞台で、おどりくるう子どもや、村人にあわせて、おばあさんは、笛をふき続けました。その笛の音は、すっかり白くなった妙覚山のいただきまで、響いていったということです。

信濃教育会出版部より
作・羽生田 敏
さし絵・丸山 武彦
採集地・日滝
長野県 長野地方事務所 長野広域行政組合刊 長野地域民話集昔々あるところより
http://www.kitashinanoji.com/minwa/naganochiku/suzaka/hanashi/hidakinofue.html
ゲスト  投稿日時 2015/9/27 23:21
たしか水戸黄門の逸話の一つにあったね、米俵に知らずに座ったら婆さんに激怒されて、
後に関心な心得であるとしてご褒美をあげたって奴
匿名希望  投稿日時 2014/12/10 12:20
おばあさんが吹く、笛の音色で踊る村人たちのシーンはとてもコミカルで面白かった!
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