No.0048
だいくとおにろく
大工と鬼六
高ヒット
放送回:0027-B  放送日:1976年04月10日(昭和51年04月10日)
演出:小華和ためお  文芸:沖島勲  美術:古谷彰  作画:川島明
岩手県 ) 103255hit
あらすじ

大雨が降るとすぐに橋が流されてしまう川があった。

困った村人たちは相談して橋造りの名人の大工に頼むことにした。大工が流れの速い川を眺めていると、川から鬼が現れて、目ん玉をよこせば立派な橋を架けてやるという。翌日大工が川にいくと、既に橋は半分できあがっていた。鬼は目ん玉をよこせば残り半分をつくってやると言うが、さすがに大工はうんと言えなかった。

また翌日川に行くと橋は完成しており、鬼が現れて、わしの名前をあてることができれば、目ん玉を諦めてやると言った。大工は家に帰ってからずっと考えていたが、どうしても名前がわからない。その時、隣の部屋でおかみさんが子どもに子守歌を歌っているのが聞こえた。「ねんねこ、ねろってばや。鬼にも名前はある。ねろってばや。はよねた子には、鬼六が目ん玉持ってやってくる。」

鬼の名前がわかった大工は翌日鬼にお前の名前は鬼六だ!と言うと鬼は姿を消してしまった。鬼六の架けた橋はどんな大雨でも流されることはなかった。

(稿: 蔵人 本掲載日2012-8-14 5:39 )


ナレーション市原悦子
出典(表記なし)
DVD情報DVD-BOX第10集(DVD第46巻)
場所について岩手県胆沢郡金ケ崎町(地図は適当)
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地図:岩手県胆沢郡金ケ崎町(地図は適当)
追加情報
本の情報サラ文庫まんが日本昔ばなし第2巻-第009話(発刊日:1976年5月31日)/童音社BOX絵本_第52巻(発刊日不明:1970~1980年頃)/国際情報社BOX絵本パート1-第020巻(発刊日:1980年かも)/二見書房まんが日本昔ばなし第10巻-第39話(発刊日:2006年5月23日)/講談社デラックス版まんが日本昔ばなし第12巻(絵本発刊日:1984年10月15日)/講談社テレビ名作えほん第005巻(発刊日:1977年8月)
サラ文庫の絵本より絵本巻頭の解説によると「岩手地方の昔ばなし」
童音社の絵本より絵本巻頭の解説(民話研究家 萩坂昇)によると「岩手県の昔ばなし」
国際情報社の絵本より昔話には、よく鬼が登場します。鬼は、恐ろしいものの代表にもなっており、当時の盗賊たちにこのような形で語りつがれていたのでしょうが、“鬼”が一人歩きをはじめ、人間の間でふつうに語りつがれるようになると、なかには、気のよい鬼も登場するようになります。この話にでてくる鬼は、気のいい鬼で、そのうえどこか間がぬけていて、にくめない相手です。名前を知ってほしかった……というところは、現代のわたしたち庶民の願望にも通じるものがあり、ある種のいじらしさが共感をよび、また、鬼のイメージとはうらはらな行動が、わたしたちの興味をひくようです。(岩手地方の昔ばなし)
講談社のデラックス版絵本より大きな体に角をはやし、怪力を持つ鬼は、人々を困らせる乱暴者として昔ばなしのなかによく出てきます。しかし「大工と鬼六」に出てくる鬼は人のよい鬼で、橋かけ名人として自分の名前が知られているかどうかを試し、名前を言い当てられると嬉しそうに姿を消してしまいます。人に認められたいという願望は誰もが持っているものであり、鬼六の言動もまったく憎めません。東北地方には鬼とかかわりあった人は幸運になるという言い伝えがあります。この話の大工も、丈夫な橋を作った名人として、広くその名が知れ渡ったのでした。(岩手地方のお話)
講談社の300より書籍には地名の明記はない
レコードの解説よりLPレコードの解説によると「岩手地方の昔ばなし」
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※掲載情報は 2012/8/14 5:39 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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ゲスト  投稿日時 2021/7/6 20:53
うしおととらのサトリの話では…?
ゲスト  投稿日時 2020/6/27 14:03
まだこの事を知らないで日本の昔話だと勘違いしてる人は多いです、、、
Perenna  投稿日時 2019/7/17 2:28
この昔話は、たしかに佐々木喜善が著した「聴聞草紙」に収録されています。
「胆沢郡金ヶ崎の老婦の話を小山村の織田秀雄氏が聴いて知らしてくれたものの一、昭和三年の冬の分。」と書かれています。
それよりさらに古いものとしては、大正6年に出版された「お話の実際」という本に「鬼の橋」という題で収録されています。(コマ番号165/223)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/954084/4?tocOpened=1

この本の著者の水田光氏は解説の中で、「北欧に伝承されているオーラフ上人の寺院建築の伝説」を改作したと種明かしされています。
胆沢郡金ヶ崎の老婦の方がこの「お話の実際」を読んで、「鬼の橋」を「大工と鬼六」と名前を変えて小山村の織田秀雄氏に話し、それをさらに佐々木喜善が「聴聞草紙」に収録しただけなのではないでしょうか?
ゲスト  投稿日時 2019/4/2 14:18
偶然ではないようです、

ずいぶん昔に日本の人が、フィンランド?だったか北欧の話を訳したとき、そのまま訳しては馴染みがない外国の話はわかりにくいだろう、、ということで、登場人物や場面などを日本風にしたと読みました

日本風に設定を変えて出版したものが、日本各地に広まっただけ
ということのようです
ゲスト  投稿日時 2017/1/19 16:34
この話か類似の話で鬼が目を要求していた理由があった気がする
鬼の子供が眼病だったかそんな感じの
思い出せないなぁ…
yassan  投稿日時 2016/2/21 13:55
ginchan 様

マップを岩手県胆沢郡金ケ崎町にしました。ご指摘のとおり、このお話は岩手県胆沢郡のものが最も古いようです。

「大工と鬼六」は、佐々木喜善の『聴耳草紙』に収められた岩手県胆沢郡の話がもっとも古く、その後、岩手のこの例話のほか、山形、福島、岡山からも報告されていますが、日本に類話のすくない、きわめてめずらしい話です。(日本民話の会(高津美保子)『ガイドブック 日本の民話』講談社、1991、135頁)

ただ、以前のmitsuzakuraさんの投稿にあるとおり、このお話は北欧民話の翻案とする説が一般的なようです。
ginchan  投稿日時 2016/2/16 18:59
大工と鬼六の話ですが、私の故郷である岩手県金ケ崎町が舞台になっていると聞きました。

暴れ川は東北の大河「北上川」で、金ケ崎町の昔話をまとめた本にも載っているので、おそらく偶然にも北欧の話と似たのではないかと思いますが、いかがでしょうか
ゲスト  投稿日時 2015/2/8 1:46
勝手に橋を作って目玉を要求するなんて・・・とんだ押し売りですな。
mitsuzakura  投稿日時 2011/12/10 19:58
すみません。レスが遅くなりました。

泥縄式ですが、オーラフ王(聖オーラフ)はノルウェー王ですね。11世紀、ノルウェーのキリスト教受容に大きな役割を果たした王のようです。

オラーフ2世
http://page.freett.com/feodor/statue/olav2.htm

*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

参考にした櫻井論文ですが、国立国会図書館で利用者登録すれば、複写サービスを利用できます。後払い式で郵便局で振込みできます。

口承文藝研究/日本口承文藝學會編
http://opac.ndl.go.jp/recordid/000004384489/jpn

・画面左下の「所属/申込み」ボタンをクリックして、該当する巻号年月等のラジオボタンをクリック
・研究目的、利用規約に同意して「次へ」
・必要事項(論文が特定できる内容)を入力して申込む……というフローです。

巻号:11号
年月日:1988年
論文(記事)名:「大工と鬼六の出自をめぐって」
著(訳・編)者名:櫻井美紀
ページ:30-44

※ページが分からなかったのですが、論文名と著者で特定できました。

※他、雑誌記事索引検索の検索/申込み画面でも論文検索可能です。
araya  投稿日時 2011/11/5 0:40
イギリスの昔話「トム・ティット・トット」
http://www.pleasuremind.jp/COLUMN/COLUM068.html
ドイツの昔話「ルンペルシュティルツヘン」
http://www.pleasuremind.jp/COLUMN/COLUM071.html

こちらとも類話であることが指摘されてますね。

オーラフ上人寺院建築の伝説。ノルウェーでしょうかね(^_^)。
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