昔、あるところに幼い姉妹がいました。姉は美しいが意地悪で、妹は気立てが優しくみんなから愛される子でした。姉妹は毬をついて遊ぶのが大好きでしたが、いつも姉が毬を一人占めし、妹は毬を貸してもらえませんでした。
ある日の事、姉は母親と町に出かける事になりました。姉のいない間に、こっそりと毬で遊んでいた妹は、うっかり毬を池に落としてしまいました。困った妹の前にイボガエルが現れ、「わしの願いを2つ聞いてくれるなら拾ってきてあげよう」と言うので、妹は仕方なくカエルと約束しました。
そのカエルの一つ目の願いとは、カエルと一緒に食事をする事でした。見た目が気持ち悪いカエルとご飯を食べるのは嫌でしたが、妹は頑張りました。二つ目の願いは、カエルと一緒に布団で寝る事でした。泣いて嫌がった妹でしたが、我慢してカエルと一緒に寝ました。
翌朝、目を覚ました妹は、「約束を守ったご褒美に」とカエルから金の毬をもらいました。
町から帰って来た姉は、自分も金の毬が欲しくなり、わざと池の中に自分の毬を投げ入れました。しかし、カエルの一つ目の約束である一緒に食事をする事がどうしてもできず、お茶碗を放り出して逃げだしてしまいました。
姉は、追いかけてきたカエルに向かって、力いっぱい毬を投げつけました。するとカエルはどんどん巨大化して姉に迫ってきます。姉を追い詰めたカエルは、「約束を破る奴は人間の資格はない、今日からわしの娘となれ」と言い、姉の姿をカエルにしてしまいました。それからというもの、池のカエルは「カエロ、カエロ」と泣いているそうです。
(紅子 2011-10-4 1:11)
ナレーション | 常田富士男 |
出典 | 栃木県烏山町 |
DVD情報 | DVD-BOX第11集(DVD第51巻) |
場所について | 那須烏山市下境の稲積城跡 |
本の情報 | 国際情報社BOX絵本パート2-第099巻(発刊日:1980年かも)/講談社テレビ名作えほん第067巻(発刊日:1986年12月) |
講談社の300より | 書籍によると「栃木県のお話」 |
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