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No.0439
ふしぎなこまいぬ
不思議なコマ犬
高ヒット
放送回:0274-B  放送日:1981年01月31日(昭和56年01月31日)
演出:小林治  文芸:沖島勲  美術:福井のり子  作画:小林治
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あらすじ

金沢の町はずれ、小坂の伝燈寺(でんとうじ)という寺に、活道和尚(かつどうおしょう)という坊さまがいました。

ある吹雪の夜、じいさまが小さな孫を連れて逃げ込んできました。孫がオオカミに襲われて怪我をした、このままではオオカミに血の匂いをかぎつけられて狙われてしまう、と言う。じいさまと孫は、寺のコマ犬様が守ってくれるという言い伝えを信じ、ここへ逃げ込んだという。

和尚様は言い伝えにしかすぎないと思っていたが、ひとまず孫を預かってじいさまを家に帰した。その夜、血の匂いを嗅ぎ付けたオオカミの群れが神社をぐるりと取り囲んでいた。そして先頭の叫び声を合図に、オオカミの群れはすさまじい唸り声をあげ、神社に向かって襲い掛かってきた。

和尚様は小さな孫と一緒にお経を唱えはじめた。もはやこれまでかと覚悟を決めた時、小さな孫が「こまいぬさま~~~!」と叫んだ。その時、狛犬に積もっていた雪が崩れ落ち、狛犬が獅子のごとくオオカミの群れに飛び込み、次々に噛み殺していった。

やがて夜明けが訪れ、和尚様が恐る恐る外に出てみると、そこにはおびただしい数のオオカミの死骸が散らばっていた。そして、口を血で真っ赤に染めた狛犬が朝陽に照らされていた。

この狛犬は、今も金沢の三河神社に祀られているという話だ。

 

(投稿者: てぃっぴい 投稿日時 2012-6-9 18:31 )


参考URL(1)
http://kumakorori164.blog.fc2.com/blog-entry-296.html
参考URL(2)
https://plaza.rakuten.co.jp/zatokusen/diary/201109280000/
ナレーション市原悦子
出典清酒時男(未来社刊)より
出典詳細加賀・能登の民話 第一集(日本の民話21),清酒時男,未来社,1959年08月31日,原題「不思議なコマ犬」,河北郡誌より
場所について三河神社(狛犬のいる神社)
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地図:三河神社(狛犬のいる神社)
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※掲載情報は 2012/6/9 20:05 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
10件表示 (全11件)
牧町  投稿日時 2022/1/30 18:47
三河神社の氏子です。
子供の時はこの話を信じていました。
狛犬に牧町は守られているんだなと。
本物は写真でしかみたことがありませんが、神社の奥に鎮座されているようです。
メイドの沙霧華音  投稿日時 2021/12/20 4:53
覚えていた内容と違って兄の方は先に食い殺されていてビックリ致しました
狛犬の狼達を蹂躙する様は一等樫を素材に使われていた故の防御力の高さにあると思われまする
まろ  投稿日時 2021/6/26 22:01
まんが日本昔ばなしの中でも忘れられないお話の一つです。
子供の「コマ犬さまー!!」は市原悦子さんの声でいまだに再生されます。
三河神社へ伺ってみたいです。

貧乏神  投稿日時 2020/10/3 10:20
和尚様が現実と信仰の中立に立っていてなかなか珍しいキャラクターでした。
子供と寺に籠る際も頼もしくて、好きなキャラの一人です。


コマ犬が狼を蹴散らすシーンですが、血が飛び散り日本昔ばなしにしては結構グロテスクな描写だったと思います。
そして狼を追い払い二度と寄せ付けないようにするだけで解決するのに、コマ犬たちは狼の大群を全て食い殺してしまいました。
また、朝になって石に戻ったコマ犬を見ると口を血で染めた彼らの様子がおどろおどろしく描かれています。

私が考えるに、演出の小林治氏はわざとコマ犬を恐ろしく思わせる描写を多く盛り込んだと思います。ただ単にコマ犬を賛美するだけでなく、超常の者が持つ脅威や恐ろしさも同時に伝えてそれらへの畏怖の念を忘れないように、という思いがあったのではないでしょうか。
シュクラン  投稿日時 2017/9/29 15:40
たのしみで 見ていたまんが日本昔話この 不思議なこま犬は 大好きです 何十年たっても 忘れない物語てす
りん  投稿日時 2017/2/19 19:12
この話は30年以上前の日本昔でも流れていました。子供のころの自分はたいそう狛犬に感激し、友達にも話したのを覚えています。
ゲスト  投稿日時 2015/7/21 21:00
うーむ、狛犬にお寺に神社にお経に坊主・・・。何という神仏習合。
ゲスト  投稿日時 2015/7/17 20:56
子供を救うのは無理だと思った住職が「せめてわしも一緒に喰われてやろう」って
言った。その発想はなかった・・・・・
ゲスト  投稿日時 2015/6/10 22:33
和尚が狛犬様の事を「ただの言い伝えだ」と、現実的に割り切ってたのが印象的。
坊  投稿日時 2015/5/14 18:04
必死に助けを求める子どもの声に立ち上がる狛犬さまのカッコよかったこと!

弱きを助け、強きを挫く 理想の姿ですね。
(※別に狼が「悪い」わけではないケド。)
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