ある所に二人暮らしをしている母親と息子が居る。父親は化け物退治に行ったきり、戻ってこなかった。
冬に息子は母親に買い物を頼まれ町に行く途中罠にかかった鳥を見つける。その鳥の尾は、五色に光るとても美しいものだった。 息子はその鳥を罠から逃がしてやり変わりに買い物用の金を罠の元において帰る。
帰る途中、近所の若者に出会うのだが、その若者が息子に「とある徳の高いお坊さんのお告げで、息子の父親が退治に行った化け物の退治の仕方が分かった」と言う。 五色に光る尾を持つ鳥を使って矢を作ればいいというのだ。
この方法をしった殿様が五色の尾を持つ鳥を探しているのだが、お前は知らないか?父親の敵を討ついい機会だぞ」と言う。 息子はすぐに先ほど自分が逃がした鳥だということが分かるのだが、そんな鳥は知らないと言って家へ帰る。
夜になると親子の家に一人の娘が訪ねてくる。娘が言うには自分は助けてもらったあの鳥で恩返しに山の幸を持ってきたと言う。親子は喜んで、その山の札を料理し、楽しい時間を過ごす。
だがしかし、鳥は親子の家に行く所を近所のあの若者に見られていた。若者は殿様にそのことを告げ、何人もの人を連れ親子の家を囲み鳥を捕まえにやってきた。
五色の尾を持つ鳥を手に入れた殿様は無事化け物を倒すことができたが、親子には二度と笑顔が戻らなかった。
(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)
ナレーション | 市原悦子 |
出典 | 松谷みよ子(未来社刊)より |
出典詳細 | 信濃の民話(日本の民話01),信濃の民話編集委員会,未来社,1957年06月30日,原題「山鳥の尾」,採録地「南安曇郡」,採集「村沢武夫」,再話「松谷みよ子」 |
場所について | 南安曇の富士山に似た有明山 |
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