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No.0404
おこぜのかたおもい
オコゼの片思い

放送回:0253-A  放送日:1980年09月06日(昭和55年09月06日)
演出:高橋良輔  文芸:沖島勲  美術:あかばんてん  作画:金海由美子
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あらすじ

昔、天草の近海には、多くの種類の魚が住んでいました。その中でもオコゼとヒラメは、いつも海底にじいっとへばりついていますが、以前はこうではなかったのです。

オコゼとヒラメは仲の良い若者同士でした。オコゼは、頭が馬鹿に大きく口は横に広がって、いかにも醜い顔でした。こんなオコゼが、魚の中でも美しいボラという魚に惚れてしまいました。

オコゼは自分の容姿がみにくい事を恥ずかしがって、とても告白することなどできませんでした。でも友達のヒラメが「やってみないとわからない、当たってくだけろだ」と、一生懸命オコゼを励ましました。

後押しされたオコゼは、ボラのところへ行きました。ちょうどボラは風呂からあがったばかりで、涼んでいるところでした。オコゼは勇気を出して「ボラさん、ワシは生まれつき醜いが心はキレイだ。どうか嫁になってくれ」と必死に頼みました。

ボラは突然の事で驚いたうえに、醜い顔のオコゼに告白されてもう泣きたい気持ちでした。必死に追いすがるオコゼから逃げるように、海面を飛び跳ねながら行ってしまいました。オコゼは「ワシの腹の中はきれいだ。腹わたを喰ってくれー」と叫びました。

恋に破れたオコゼは海底に沈んで過ごすようになり、ヒラメも哀れに思ってそれにつき合うようなりました。オコゼの腹わたが美味しいのは、こういう事たあったからだそうです。

(紅子 2012-8-1 0:33)


ナレーション市原悦子
出典浜名志松(未来社刊)より
出典詳細天草の民話(日本の民話47),浜名志松,未来社,1970年03月20日,原題「オコゼの片思い」,採録地「御所浦島南」,話者「黒田豊吉」
場所について熊本県天草の近海(地図は適当)
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地図:熊本県天草の近海(地図は適当)
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※掲載情報は 2012/8/1 0:33 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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モチモチ寸(元・アーリアジャスール)  投稿日時 2018/4/15 10:09
ヒラメが「クラゲの骨なし」のカレイによく似てるなぁ…と思ったら同じ人の作品でした。
放蕩息子  投稿日時 2013/1/6 10:02
今から30年以上も前、まだ独り者の頃、たった一度見たきりでしたが、「顔はマズイが心はキレイじゃ。このハラワタを喰うてくれ!」というオコゼの叫びが心に沁みました。
ずっと「オコゼ」と「アンコウ」を勘違いしていたので、中々このお話を探し出せなかったのですが、こちらのサイトで検索して再開することが出来ました。ありがとうございます。
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