あるところにやさしいお爺さんと欲張りで意地悪なお婆さんがいた。
お爺さんが森の中へ行くと、一羽の雀が怪我をしていた。さっそく家に連れて帰って手当をしてあげ、おちょんという名前もつけて可愛がった。しかし、お婆さんはお爺さんが雀を可愛がるのを面白く思っていなかった。
おじいさんが出かけている時、おちょんがお婆さんの作ったのりを食べてしまったので、お婆さんは激怒しておちょんの舌をハサミで切ってしまった。帰ってきてそのことを聞いたお爺さんは、逃げていったおちょんを探しに森に行った。
お爺さんがすずめのお宿を探し当てると、おちょんがでてきて歓迎してくれた。帰りにお土産として二つのつづらが出てきて、どちらか好きな方を持っていくように言われたお爺さんは、小さい方のつづらを選んで帰っていった。
家に帰ってつづらを開けると中からたくさんの宝物がでてきた。しかし欲張りなお婆さんは、お爺さんが小さい方のつづらを選んだと知って激怒。大きい方にはもっとたくさんの宝物があったに違いないと言い、すずめのお宿に行く。
そして帰りに大きなつづらを選んで帰る。おちょんは家に着くまで決して開けないようにと言うが、家に着くまで待ちきれなかったお婆さんがつづらを開けてしまうと、中から魑魅魍魎妖怪変化が現れた。びっくりしたお婆さんはあわてて山道を逃げるように家に帰った。
(稿: 蔵人 本掲載日2012-8-14 14:35 )
ナレーション | 市原悦子 |
出典 | (表記なし) |
本の情報 | サラ文庫まんが日本昔ばなし第13巻-第061話(発刊日:1977年3月15日)/童音社BOX絵本_第27巻(発刊日不明:1970~1980年頃)/国際情報社BOX絵本パート1-第026巻(発刊日:1980年かも)/二見書房まんが日本昔ばなし第13巻-第49話(発刊日:2006年8月8日)/講談社デラックス版まんが日本昔ばなし第35巻(絵本発刊日:1985年08月15日)/講談社テレビ名作えほん第013巻(発刊日:1977年11月) |
サラ文庫の絵本より | 絵本巻頭の解説によると「北陸地方の昔ばなし」 |
童音社の絵本より | 絵本巻頭の解説(民話研究家 萩坂昇)によると「石川県の昔ばなし」 |
講談社のデラックス版絵本より | 人のいいお爺さんは、傷ついたすずめを見つけて家に連れ帰り、手厚く介抱してあげました。ところがお婆さんは、洗濯用のノリを食べたといって、すずめの舌を切ってしまいました。すずめの身を案じ、山の奥までたずねていくお爺さん…。元気になったすずめに再会できたのは、お爺さんの優しい心が通じたからでしょう。そう、人間と動物、しかもこんな小さな鳥とでも、相手を思いやる温かな気持ちがあれば、心は通じ合うものなのです。そして、おじいさんのこの純粋な優しさがつづらの宝物となったのだと思います。(東北地方のお話) |
講談社の300より | 書籍には地名の明記はない |
レコードの解説より | LPレコードの解説によると「北陸地方の昔ばなし」 |
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