No.0037
はちかつぎひめ
鉢かつぎ姫
高ヒット
放送回:0020-A  放送日:1976年02月21日(昭和51年02月21日)
演出:今沢哲男  文芸:鈴木良武  美術:青木稔(竹森佳史)  作画:鈴木欽一郎
大阪府 / 徳島県 ) 126546hit
あらすじ

河内国交野に美しいお姫様がいた。姫の母君は長い間病床にあり、自分が死んだあとの姫の行く末を案じ、観音様にお参りしたところ、姫の頭に鉢をかぶせよというお告げがあった。母君はお告げの通りに姫に鉢をかぶせ、それから幾日もしないうちに亡くなった。

父親が姫の鉢をみっともないからと言ってとろうとするが、どういうわけかはずすことができなかった。しばらくして父は再婚し、新しい母は姫の鉢を見て気味悪がり、家来に命じて姫を遠いところへ捨てさせてしまった。姫は何年もあちこちをさまよい、生きていくのが辛くなり川へ身を投げた。

翌朝若いお武家様が川岸を通り、姫を助け上げ、自分の屋敷へと連れて帰った。姫はそこで働くことになったが、ある日の夜、蔵の中に置かれている琴を見つけ、昔を懐かしんで弾いていると、その音を若君が聞きつける。若君は姫が高貴な生まれだと感じ、素性を訪ねる。姫は自分の身の上を若君に聞かせた。

その後若君に結婚話がもちあがるが、若君は鉢かつぎ姫と結婚したいと言い、両親から猛反対される。若君の父親は鉢かつぎ姫を亡き者にしようと刀を抜いて振りかぶった瞬間、鉢が光ってこなごなに砕け、なかからたくさんの金銀財宝とともに美しい姫の姿が現れた。姫はこの若君と結ばれいつまでも幸せに暮らした。

(稿: 蔵人 本掲載日2012-8-14 14:39 )


ナレーション市原悦子
出典(表記なし)
備考寝屋長者の伝説
DVD情報DVD-BOX第6集(DVD第28巻)
VHS情報VHS-BOX第4集(VHS第33巻)
場所について寝屋長者屋敷跡
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地図:寝屋長者屋敷跡
追加情報
本の情報サラ文庫まんが日本昔ばなし第5巻-第022話(発刊日:1976年8月10日)/童音社BOX絵本_第22巻(発刊日不明:1970~1980年頃)/国際情報社BOX絵本パート1-第006巻(発刊日:1980年かも)/講談社デラックス版まんが日本昔ばなし第26巻(絵本発刊日:1985年03月15日)/講談社テレビ名作えほん第002巻(発刊日:1977年5月)
サラ文庫の絵本より絵本巻頭の解説によると「大阪地方の昔ばなし」
童音社の絵本より絵本巻頭の解説(民話研究家 萩坂昇)によると「徳島県の昔ばなし」
国際情報社の絵本よりこの話は、江戸時代に大阪で出版された『御伽草子』(渋川清右衛門刊行)の中からとられたもので、”鉢”が主要な役割をする、”まま子いじめ”話です。河内国交野(現在の大阪府交野市)に住む備中守さねたかの娘が主人公です。死の床にあった母親。長谷観音のお告げにしたがって母親がかぶせてくれた、鉢がとれず、後添いのまま母によって屋敷を追われます。いろいろの苦労を重ねた末、やがて、山蔭三位中将にひろわれ、そこの四男の嫁になるという話です。娘の行く末を案ずる母親の気持ちは、いつの世も変わることはないだけに、母親がかぶせてくれた受難とも思える”鉢の重さ”が私たちの心をうつのです。(大阪地方の昔ばなし)
講談社のデラックス版絵本よりこの話は、江戸時代に大阪の渋川清右衛門(しぶかわせいえもん)が出版した「御伽草紙」の中の一話です。河内国交野(かわちのくにかたの)に住む備中守(びっちゅうのかみ)さねたかの娘が幼いころ、死の床にあった母親は、観音さまのお告げに従い、娘の頭に鉢をかぶせます。継母はこれを嫌い、家から追い出してしまいました。娘は苦労を重ねた末、身分ある人に助けられ、そこの四男にみそめられますが、結婚話に怒った男の父親は、娘の頭に刀をひとふり。鉢は割れて、中から美しい姫が現れました。結局、鉢が幸せを授けてくれたのです。鉢は亡くなった母が娘を思うやさしい心といえそうです。(大阪地方のお話)
講談社の300より書籍によると「大阪府のお話」
レコードの解説よりLPレコードの解説によると「大阪地方の昔ばなし」
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※掲載情報は 2012/8/14 14:39 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
8件表示 (全8件)
リピーター  投稿日時 2021/8/15 2:49
本当にあった話なんだろうか。
山蔭というのは、平安時代初期の実在の人物で
伊達氏の先祖なんだが。
寝屋川市の昔話といえば、仁徳天皇の堤工事しか
知らないが。

TUTAYAで無料のDVDの日本昔話28を借りました。
ゲスト  投稿日時 2020/5/9 16:58
収録されている原典によって物語にばらつきがあるようです。口伝物だからでしょうね
ゲスト  投稿日時 2019/8/20 13:26
日本むかし話版では、元の話にだいぶ脚色が加えられていますね。大きな違いは、鉢が取れるきっかけで、元々は姫と若君が駆け落ちしようと屋敷を飛び出したら鉢が取れたというふうになっています。そして駆け落ちしようとしたのも、若君との他の結婚候補の女性とどちらがふさわしいか競争で決める、という流れになり、それなら一緒に逃げて二人で暮らそうと決めたからです。
ついでに言うと、若君は鉢が取れるまで鉢かつぎの正体を知りません。
「駆け落ち」のくだりが子供向けアニメとしてふさわしくなかったのかもしれませんが、姫の外見や生まれにとらわれずに、姫を心から愛する若君の素晴らしさが半減しているような気もします。
ゲスト  投稿日時 2019/1/15 13:24
悲劇の少女の元へ白馬に乗った貴公子が現れるお話って万国共通なんだね
ゲスト  投稿日時 2017/5/9 9:46
いじめにあい長く放浪し婚約者の父親に斬りかかられるとは、かなりの受難です。可哀想で。
最後は幸せになったものの。
ゲスト  投稿日時 2016/8/13 13:29
鉢かつぎ ではなく 鉢かづき です。
『かつぐ(担ぐ)』という意味でなく古典の『かづく(被く)』という言葉から来ているので。
愛善院  投稿日時 2016/8/6 23:37
「白鳥の王子」「千匹皮の姫」「願い小枝を持った灰かぶり」「シンデレラ」など「白雪姫」を代表とする継子いじめの類型話ではありますが、アンデルセンやグリムやベヒシュタインがそれらの童話集を編纂するはるか百年も前に、日本では御伽ブームがあって、説話集のなかに継子いじめの話を載録していた、ということになりますね。継子であろうとなかろうと、母と娘というものの間には、いろいろ乗り越えるべき課題があるものですね。
ゲスト  投稿日時 2016/1/7 2:58
姫様は斬りつけようとした義父に対してどんな想いを抱いたのだろうか気になる
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