昔ある所に清兵衛(せいべえ)というきこりがおった。
清兵衛が木を切っていたら、旅人がうわばみに襲われているところを見つけた。 どうすることもできないので、木に登って様子を見ていたが、旅人はうわばみに飲み込まれてしまった。
旅人を飲み込んだうわばみは腹がふくれて苦しいくなり、何やら黄色い草を食べ始めた。 すると、うわばみの腹がへっこみ、うわばみはスッキリして草むらに帰って行った。きこりはその黄色い草をひとつかみ持って村に帰り、その出来事を村人に話して聞かせた。が、その草のことだけは誰にも話さなかった。
まあ命拾いしたお祝でもしようかと、その夜村人は清兵衛の家に集まった。そこで村の一番の金持ちから「いっぺんに5杯ソバを食えたら田畑を一反やろう」と持ちかけられた。あの草のことを思い出した清兵衛は、自信たっぷりで挑戦したが、どうしても4杯目が食べられない。そこで一度便所に行き、こっそりあの黄色い草を食べた。
だが、いつまでたっても清兵衛は戻ってこない。心配した村人が便所に行ってみると、清兵衛の着物だけ残っていて姿は消えていた。その黄色い草は、食べたものを溶かすのではなく、人間を溶かす草だったのである。
(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)
ナレーション | 市原悦子 |
出典 | 永田義直(金園社刊)より |
出典詳細 | ふるさとの民話(実用百科選書),永田義直,金園社,1974年08月01日,原題「とろかし草」 |
備考 | アニメ放送時には出典元が明記されていがが、DVD収録時に出典元が消されている。理由は不明。 |
DVD情報 | DVD-BOX第12集(DVD第60巻) |
本の情報 | 童音社BOX絵本_第65巻(発刊日不明:1970~1980年頃)/国際情報社BOX絵本パート2-第120巻(発刊日:1980年かも)/講談社テレビ名作えほん第035巻(発刊日:1981年1月) |
童音社の絵本より | 絵本巻頭の解説(童音社編集部)には、地名の明記はない |
講談社の300より | 書籍には地名の明記はない |
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