放送回 | No.0305(0190-B) |
放送日 | 1979年06月16日(昭和54年06月16日) |
出典 | 永田義直(金園社刊)より |
クレジット | 演出:山田みちしろ 文芸:沖島勲 美術:小関俊之 作画:山田みちしろ |
ナレーション | 市原悦子 |
備考 | アニメ放送時には出典元が明記されていがが、DVD収録時に出典元が消されている。理由は不明。 |
昔ある所に清兵衛(せいべえ)というきこりがおった。
清兵衛が木を切っていたら、旅人がうわばみに襲われているところを見つけた。 どうすることもできないので、木に登って様子を見ていたが、旅人はうわばみに飲み込まれてしまった。
旅人を飲み込んだうわばみは腹がふくれて苦しいくなり、何やら黄色い草を食べ始めた。 すると、うわばみの腹がへっこみ、うわばみはスッキリして草むらに帰って行った。きこりはその黄色い草をひとつかみ持って村に帰り、その出来事を村人に話して聞かせた。が、その草のことだけは誰にも話さなかった。
まあ命拾いしたお祝でもしようかと、その夜村人は清兵衛の家に集まった。そこで村の一番の金持ちから「いっぺんに5杯ソバを食えたら田畑を一反やろう」と持ちかけられた。あの草のことを思い出した清兵衛は、自信たっぷりで挑戦したが、どうしても4杯目が食べられない。そこで一度便所に行き、こっそりあの黄色い草を食べた。
だが、いつまでたっても清兵衛は戻ってこない。心配した村人が便所に行ってみると、清兵衛の着物だけ残っていて姿は消えていた。その黄色い草は、食べたものを溶かすのではなく、人間を溶かす草だったのである。
(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)