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No.0292
てんまでとどいたたけのこ
天までとどいた竹の子
高ヒット
放送回:0182-A  放送日:1979年04月21日(昭和54年04月21日)
演出:こはなわためお  文芸:沖島勲  美術:阿部幸次  作画:前田実
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あらすじ

昔ある所にじいさんとばあさんが住んでいた。

ある日2人が縁側でうたた寝をしていると、縁側の下から一本の竹の子が生えてきた。その竹の子はそれからグングン伸び続け、やがて天まで伸びて頭が見えなくなった。どこまでも伸びた竹の子を見てじいさんは、その竹の子を登ってみることにした。朝早く登り始めて何時間も登り、ようやく頭に着くとそこは月の世界だった。

じいさんが月の世界を見回していると、遠くに大きな屋敷があって、そこからなにやら光るものが出て来た。そしてじいさんの前まで来ると「わしは星の子じゃ。じいさまを屋敷まで案内する」と言うとじいさんを乗せ屋敷まで連れていった。屋敷に入るとそこには美しい姫さまがいて、じいさんをごちそうや楽しい踊りでもてなしてくれた。

そして夕方、ばあさんが首を長くしてじいさんの帰りを待っているとじいさんが帰ってきた。じいさんから月の世界の話を聞いたばあさんは、今度はぜひ自分も行ってみたいと言うので、じいさんは連れていってやることにした。

じいさんは、ばあさんを革袋に入れて口にくわえて持っていく事にした。運んでいる途中、口を開けたら落っこちてしまうので、決して「話し掛けないように」と、ばあさんに言いきかせて出発した。しかし、途中でばあさんはどうしても我慢できずに話しかけはじめ、じいさんは口が開けないので「うんうん」と言っていた。

じいさんはもくもくと登り続け、ようやく竹の子のてっぺんが見えかけた時つい、「ばあさま、着いたぞ!」と口を開けてしまった。その拍子にばあさんを入れた袋は、まっ逆さまに地上へ落っこちてしまった。

じいさんが地上へ戻ってみると、ばあさんの姿は無く、ただ畑の蕎麦の根元が真っ赤に真っ赤に染まっていた。ばあさんの血で染まったのだろう。 

(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)


ナレーション市原悦子
出典石崎直義(未来社刊)より
出典詳細越中の民話 第一集(日本の民話35),伊藤曙覧、石崎直義、佐伯安一,未来社,1963年09月20日,原題「天までとどいた竹の子」,採録地「西砺波郡」,話者「石崎しげ」
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※掲載情報は 2011/2/11 22:30 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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ゲスト  投稿日時 2022/1/19 19:29
顎、強いね。
貧乏神  投稿日時 2021/4/12 15:24
こういうこと言うのは野暮かもしれませんが…
爺さんが登っている間も竹の子が伸び続けているとすると、その成長のスピード分が足されます。
だから爺さんの速さは単純に「(月までの距離)÷(かかった時間)」で求まるわけではないんですよね。
空想科学〇本みたいになってしまいました。
早い  投稿日時 2021/4/11 22:25
38万キロを半日で登る爺さん。驚愕です。
最新ロケットでも6日位かかるんじゃないの。
人類最初の月到着はこの爺さんに違いない
ゲスト  投稿日時 2019/8/7 8:19
シュールすぎて笑えばいいのか悲しめば良いのかわからない話で子どもの時にひたすら混乱したのを思い出す。
ゲスト  投稿日時 2019/4/12 21:32
おじいさんが登っている間中、外が見えないもんだから、おばあさんがずーっとおじいさんに喋りかけまくってたんですよね。
それでおじいさんも必死で返事を我慢していたもんだから、余計に元気よく「着いたぞー!!」…おばあさんの入った風呂敷がスーッと音もなくたけのこ沿いに小さくなっていくシーンで固まりました。
ゲスト  投稿日時 2018/11/30 11:49
みつけたー!
子供の頃、これを見て衝撃を受けた思い出。
赤く染まったのは彼岸花だと思ってたけど蕎麦でしたか。
記憶違い。
アーリアジャスール  投稿日時 2017/8/17 20:56
そもそも宇宙に出たら真空だから死ぬよね。婆さんも人間の死に方で一番悲惨な死に方してるな。
means  投稿日時 2017/8/15 16:57
にしても悲惨すぎる⁉
なんなんだよ ゚ ゚ ( Д  )最後のところ
読書感想文に使おうと読んだけど…
とても無理だわ
(# ̄З ̄)
このはなし作った人、どんな思いで作ったんだろう( -_・)?
ゲスト  投稿日時 2017/5/9 8:55
あらすじだけで凍りました。
画像が陽気で、あらすじの途中まで楽しそうでロマンチックだから落差も酷いです。
ゲスト  投稿日時 2016/10/18 12:11
年老いた人間の身でありながら
分不相応にも天まで登ろうとしたおこがましさを
教訓にしているとかですかね…
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