No.0280
かんさくばなし
勘作話
高ヒット
放送回:0174-B  放送日:1979年02月24日(昭和54年02月24日)
演出:青木久利  文芸:沖島勲  美術:小関俊之  作画:青木久利
長崎県 ) 20311hit
あらすじ

九州の長崎の大村に実在したという、トンチの名人「勘作」さんのお話です。ショートストーリーで、4つのトンチ話が1話の中に盛り込まれています。

あらすじ

肥前の大村の日泊(にっぱく)という所に、勘作(かんさく)という足軽がいました。

●細長いお魚の話
ある日、珍しい魚を見たお殿様が、勘作に魚の名前を尋ねました。
勘作はちょっと考えて「キンキラキン」と答えましたが、後日、干し魚になった魚を見て「チンチラチン」と答えました。最初の名前と違うので殿様は腹を立てましたが、勘作は「イカも干せばスルメと名前が変わりますたぃ」とトンチでその場を収めました。

 

●ウナギ釣りのお話
ある梅雨の日、隣の諌早藩の川にウナギ釣りに行った勘作は、諫早藩のお役人に見つかってしまいました。しかし勘作はすました顔して、「大村藩のウナギがここまで逃げてきたので大村藩のだけ釣って帰ります」と言い、大きいウナギだけ選別して持って帰りました。

 

●庭石を売るお話
ある日、立派な庭石の所有権を巡って、大村藩と諌早藩の役人同士がケンカとなりました。
勘作は仲裁しようと「この庭石を買い取ると言うのなら、諌早藩に売ってあげても良い」と提案しました。
諌早藩の役人が大喜びでその申し出を快諾しましたが、勘作はすかさず「本当の所有者だったらたとえ1文でも払うはずがない、よってこの庭石は大村藩のものである」と言い、石を大村藩に持って帰りました。

 

●宝円寺の和尚さんの話
ある年の正月の事、宝円寺の和尚さんがお殿様に挨拶するためお城にやってきました。いつもぶっちょう顔の和尚さんを躍らせる事ができるか?と同僚の侍から持ちかけられた勘作は、火鉢の中でボロ布に火を付けました。
煙がもうもうと上がったところで、「和尚さんの衣が火事だー」と叫びました。驚いた和尚さんは、「あっ右の袖に火が付いた。おっ左のたもとにも火が付いた」という勘作の声に合わせてあっちへ跳ねたりこっちへ跳ねたり。見事、勘作は和尚さんを躍らせる事に成功したのでした。

(紅子※サラ文庫の絵本より 2011-9-2 2:43)


ナレーション未見のため不明
出典クレジット不明
備考勘右衛門ばなし
場所について大村藩、玖島城跡
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地図:大村藩、玖島城跡
追加情報
本の情報サラ文庫まんが日本昔ばなし第30巻-第149話(発刊日:1979年6月5日)
サラ文庫の絵本よりこのおはなしの主人公は、勘作さんというトンチの名人ですが、その名は、おそらく、九州の佐賀、長崎地方などにつたわる「勘右衛門ばなし」からきているのでしょう。勘右衛門は、実在の人物だったといわれており、佐賀県の唐津市には、その墓までのこされているそうです。たいへんなトンチ者で、知恵をはたらかせて人をだますことが多いけれども、ぎゃくにだまされたりすることもあって、にくめない人がらだったとつたえられています。また、唐津地方では、機知にとんでいて、おもしろいことをいったりする人を「勘右衛門さんみたいだ」というそうで、大分の吉四六ばなし、熊本の彦市ばなしなどを同じように、人びとのあいだに、ひろく知られていたようです。(かっこ枠なし)
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※掲載情報は 2011/9/2 2:43 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
7件表示 (全7件)
Perenna  投稿日時 2020/6/8 22:49
アーリアジャスール2世さま
私は今現在、未来社の民話シリーズを読んでいます。
未来社を読破したら、角川や講談社で出版されている民話・昔話シリーズも読んでみる予定です。
民話や昔話は同一地域の複数の人物によって語り継がれているものらしいので、話者や採録者や出版社や編集者によっても、文体とか話の内容が微妙に異なっていることも多いのではないかと思います。
松谷みよ子さん著の「日本の民話 下巻(講談社刊)」ではどんなふうに書かれているのか?
今から興味津々ですね。
アーリアジャスール2世  投稿日時 2020/6/8 7:49
perennaさま
この話はサラ文庫に収録されており、他にサラ文庫に入っている出典ありの話はほぼ講談社、KADOKAWAの本が元ネタの話が多いと思いますので(あくまで推測ですが)、未来社の「長崎の民話」は出典ではないとおもいます。
それと、松谷みよ子さん著の「日本の民話 下巻(講談社刊)」に同じタイトルの話があり、出典はこちらのほうが有力だと思います。また長与村は既に町政に移行しており、現在は西彼杵群長与町になっております。
Perenna  投稿日時 2020/6/8 1:07
この昔話の出典は、未来社の「長崎の民話」(吉松祐一編)だと思います。
「勘作ものがたり」という題名で、7つの話が収録されています。
「長沢勘作さんは、文政のころ大村の城下から十二キロほどはなれた、三浦の日泊(ひどまり)にすんでいた侍です。」という書き出しで始まっています。
大村藩の大村純昌公に仕えた、わずか二石とりの足軽だったそうです。
絵本では「勘右衛門ばなし」と紹介されていますが、長沢勘作さんは実在した人物で、その子孫の方も西彼杵郡長与村にいらっしゃるそうです。
beniko  投稿日時 2011/11/7 22:49 | 最終変更
同じお話がそれぞれのトンチ名人に共通して残っているみたいで・・・。「鴨のごちそう」のお話は、勘作さんのお話にもあるみたいです。※吉四六さんのお話としてもあるんですね、知りませんでした。
まんが日本昔ばなしでは、鹿児島と地域名が書いてあるので、そうなると勘作でもなく吉四六でもなく彦一でもない人のお話、となりますので、ちょっと不思議です。
マニアック  投稿日時 2011/11/7 20:11
あっ間違えました。「鴨のごちそう」の主人公が吉四六さん(※テレビでは、別名)でした。ごめんなさい。
beniko  投稿日時 2011/11/6 15:23 | 最終変更
九州人である紅子としては、トンチの名人である勘作、吉四六、彦一さんはそれぞれ別人であると思っています。別に勉強して調べた、ってわけじゃないけど、子供の時からそうだと思っていました。※ぜひ別人であってほしいです。
勘作=長崎(もしかして佐賀?)、吉四六=大分、彦一=熊本、です。
紅子は是非、カラス売り、というお話が見たいです。多分、吉四六さんのお話。
マニアック  投稿日時 2011/11/6 10:54
この話、できればテレビで見たいですね。この作品を含めて、234回目の「鬼が笑った話」から283回目の「タニシの恩がえし」までの映像もどうやら、残っていなさそうだし、無理かな?※勘作とは、吉四六さんのことでは・・・
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