No.0266
ふしぎないし
不思議な石
高ヒット
放送回:0166-B  放送日:1978年12月30日(昭和53年12月30日)
演出:小林三男  文芸:沖島勲  美術:小林光代(久保陽彦)  作画:槌田幸一
石川県 ) 24290hit
あらすじ

昔、石川県の池崎と直津との間に横打(よこうち)という畑地があったが、ここに大きな石があった。

ある日、ここをひとりの貧しい旅人が通りかかった。旅人は三日三晩なにも食べておらず、石の前まできて倒れてしまった。瀕死の旅人が「飯の一椀もあったら」と呟くと、目の前に一碗のご飯が現れた。ご飯を掻き込んであたりを見回しても誰もいない。旅人がもう一杯のご飯を望んだところ、大石の中から飯がでてきた。旅人は喜んで七杯のご飯をたいらげたのだった。

朝になって、旅人は池崎に行って村人たちにこのことを話した。村人たちは驚いて大石の周りに集まり、次々と願い事を口にした。喘息の薬、嫁入りの晴れ着、米一俵…
こうして村人たちは不自由があると大石に出してもらうようになった。

ところがそれからしばらくして、この村に妙な男が訪ねてきた。男は自分を「横打の物貸石」だと名乗り、貸した物をすぐに返してくれと言い出した。村人たちは不審に思ったが、あまりしつこく催促するので、とうとう借りた物をみんな返してやった。さらに先の旅人から手紙と金が来て、この金で米を買って物貸石に返してほしいという。そこで村人たちは物貸石を神様として祭り、借りた物は必ず返すようにした。

ところがある寺の欲深い坊さんが物や金を借りまくり、取立てにきた物貸石を叩き返してしまった。するとにわかに空が掻き曇り、辺りに雷鳴が轟いた。そして畑の物貸石が宙に浮かんだかと思うと、ドスンと地に落ち、その衝撃で寺は崩れ落ちた。物貸石が怒ったのだろうか、今まで畑に寝ていた状態の石が縦に突っ立ち、その後村人たちがどんなにお願いしても、物貸石は何も貸してくれなかったそうな。

(投稿者: hiro 投稿日時 2012-1-8 12:19 )


参考URL(1)
http://www.geocities.jp/une_genzaburo/LegendsInNoto-2.htm
ナレーション常田富士男
出典清酒時男(未来社刊)より
出典詳細加賀・能登の民話 第一集(日本の民話21),清酒時男,未来社,1959年08月31日,原題「不思議な石 その四」,鹿島郡誌より
場所について横打(地図は適当)
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地図:横打(地図は適当)
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※掲載情報は 2012/1/8 14:51 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
9件表示 (全9件)
Perenna  投稿日時 2020/10/18 1:45
ゲストさま。
直津町の八幡神社に祀られている石はおそらく、「横打ちの物貸石」とは関係がないものと思われます。
「石川県鹿島郡誌」によると、直津町の八幡神社について次のように書かれていました。(コマ番号1561/1795)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1232332/1532?tocOpened=1

「八幡神社(大字直津ワノ部一番地字宮崎鎮座)
当社は村社にして誉田別命及び息長帯姫命を祀る、社伝に拠れば神体は神より上り給へりと云ふ(当社の境内左傍の霊地は大石の集りて一の丘陵をなし老樹鬱蒼として茂れり上古大巳貴命、少名彦命の二神国土経営の際霊威を此地に顕はし給ひて其の奇しき霊威を此石に留め給ひしなり)」

直津町の八幡神社の御神体の石は、「古事記」に登場する大国主命や少彦名命に因むものらしいです。

この昔話の物貸石は昭和初期の文献によれば、「此の石今は池崎なる立石上なり或は某家の庭石となれり」と書かれています。
直津に所在するよりも、おそらく池崎に近いところにあると見たほうがいいのではないでしょうか?
ゲスト  投稿日時 2020/10/17 23:17
場所について、この石は石川県七尾市直津町の八幡神社に祀られています。
なので場所の修正をお願いしたいです。
横内という場所は現存しないので、直津に吸収されてしまったのでしょう。

現地調査した記録をブログにまとめましたので、ご参考までに残しておきます。
https://visiting-folktales-in-japan.blogspot.com/2020/10/blog-post_17.html?m=1
Perenna  投稿日時 2018/12/10 22:25
「石川県鹿島郡誌」(昭和3年)には「物貸石」について、次のように書かれています。(コマ番号970/1795)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1232332

「池崎(高階)より直津に行く所に横打ちと云ふ畑地に昔大なる石ありしと、之を物貸の神様といふ。村の人此の石に所用の品を頼む時は膳椀は勿論金銭にても貸し與へられしが、天正の頃石動山の僧来りて種々の物を借出しこれを返さざゞりしより、物貸の神様も怒りて遂に貸出さぬやうになりたりと。此の石今は池崎なる立石上なり或は某家の庭石となれり。」

石動山は天正10年(1582年)、織田信長の命令により前田利家、佐久間盛政らによって焼き討ちにあいました。
石動山の僧兵たちが武器やいくさに必要な兵糧などを借り出して、そのまま滅ぼされてしまったので返却することができなかった、という話なのでしょうか?
また、七尾市の池崎町と直津町のあいだにある青山町には立山神社があります。
この神社は昭和23年に創立されたものらしいですが、なにかこの昔話と関係があるのかもしれません。
ゲスト  投稿日時 2018/12/9 3:02 | 最終変更
下記の情報リンクが切れているので、別のものを提供いたします。
http://www.geocities.jp/une_genzaburo/LegendsInNoto-2.htm
__
ありがとうございました。サイトを差し替えました。(2018/12/9)
マニアック  投稿日時 2012/7/15 12:33
ご協力ありがとうございました。やはり過去の再放送でしたね。
hiro  投稿日時 2012/1/11 19:37
そうですね、私も知らない話のあらすじを読んだり画像を見たりするとわくわくしてきます。
アニメで昔話って本当、すごいことだと思います。(まあトラウマをうえつけられた人もいますが。私みたいに)
このサイトもこれからどんどん活性化していくといいですよね。
のんの  投稿日時 2012/1/11 15:18
はじめまして!!素晴らしいサイトを発見して毎日拝読しています。
まんが日本昔ばなしは小さい頃から欠かさず見ていて人生の一部になっています。
全く観たことが無いお話もサムネイル付きで観られて嬉しいです!!
この「不思議な石」も初めて知ったお話です。

昔ばなしは題名を聞くと「話の内容が知りたい」
話の内容を知ると「画像が見たい」
画像を見ると「動く映像で観たい!!」

何だか欲望をかき立てられてしまう不思議な番組です(^^:)
これからもお邪魔させて頂きます!!!
hiro  投稿日時 2012/1/8 12:56
情報みつかりました!
「石川県」「物貸石」でヒットしました。
それぞれ、(七尾市)池崎、(七尾市)直津、横打(よこうち)でした。
「いけがき」「たらち」は聞き取り違いだったようです。お手数をおかけしてすみませんが、該当箇所の差し替えをお願いいたします。
参考リンクを貼っておきますね。
http://www.geocities.jp/une_gen/LegendsInNoto-2.htm
hiro  投稿日時 2012/1/8 12:19 | 最終変更
この話はアニメ準拠です。ご希望あればサムネイルも用意できます。
調べてみましたが「いけがき」「たらち」「よこうち」は現在のどこにあたるのかわかりませんでした。
原本(著・清酒時男(日本の民話 21)「加賀・能登の民話」未来社刊)を調べればわかるのかな?
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