No.0247
ちどりのうた
千鳥の歌

放送回:0154-A  放送日:1978年10月07日(昭和53年10月07日)
演出:辻伸一  文芸:沖島勲  美術:馬郡美保子(田中静恵)  作画:辻伸一
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あらすじ

昔、沖縄県の糸満というところに、マンクーという名前の漁師の爺さんが住んでいた。マンクー爺さんにはジラーという名前の息子がいたが、漁に出たまま戻ってこなかった。

ある日のこと、怪我をした1羽の千鳥を見つけた。マンクー爺さんが傷の手当てをしてやると、数日で千鳥の傷はすっかり良くなった。千鳥とマンクー爺さんは、一緒に暮らすことにり、息子が帰ってこないことの寂しさが少しまぎれるような気がした。

ある日のこと、マンクー爺さんが漁から帰ってくると、洗濯や食事の用意がされていた。この不思議なことは次の日もその次の日も続き、ある時、マンクー爺さんは漁に出たふりをしてこっそり家に戻ってみた。

すると、年の頃は17~18歳くらいの娘が家から出てきた。この娘は千鳥だった。千鳥の娘は、「自分が千鳥であることは誰にも言わない」事を条件に、マンクー爺さんと一緒に暮らすことになった。

やがて千鳥の娘の噂は、村中に広がった。村人たちはマンクー爺さんに娘のことを聞き出そうとするが、爺さんは決して何も話さなかった。

ある年の夏の夜、隣村に住む徳介というマンクー爺さんの古くからの友達が、酒をもってやって来た。マンクー爺さんは、その時少し酔っていたため、娘が千鳥であることを徳介に話してしまった。

正体がばれた千鳥の娘は、家から走り去って行った。マンクー爺さんは慌てて後を追ったが、もう娘の姿はなく、空には1羽の千鳥がさびしそうに鳴いているだけであった。

「誰を恨んで泣くのか浜千鳥、会えない寂しさを私もともに」という歌詞の沖縄民謡「浜千鳥節」には、このような言い伝えがある。

(投稿者: カケス 投稿日時 2013-9-14 20:29)


ナレーション常田富士男
出典伊波南哲(未来社刊)より
出典詳細沖縄の民話(日本の民話11),伊波南哲,未来社,1958年08月15日,原題「千鳥の歌」,採集者「豊川苗」
場所について沖縄の糸満
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※掲載情報は 2013/9/14 23:22 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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ゲスト  投稿日時 2021/3/17 11:16
マンクーさんの古くからの友達なのに徳介という本土っぽい名前なのが気になりました。普通のことなのでしょうか。
HT  投稿日時 2015/10/26 15:29

このお話は「鶴の恩返し」と何か関係があったりしますか?
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