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No.0205
くらげのほねなし
クラゲの骨なし
高ヒット
放送回:0127-A  放送日:1978年03月25日(昭和53年03月25日)
演出:高橋良輔  文芸:沖島勲  美術:堀口忠彦  作画:あかばんてん
千葉県 / 鹿児島県 ) 68769hit
あらすじ

昔、ある海辺にそれはもう仲の良い、猿と亀がいました。とはいっても二人の住むところは別々で、猿はいつかは美しい竜宮城へ行ってみたいと思っていました。

ある時、竜王の一人娘の乙姫が重い病にかかり、猿の生き胆を食べさせれば病気が治る、と占い師に告げられました。そこで竜王は、亀なら陸へ行けるので猿の生き胆をとってくるように言いつけました。亀は褒美に目がくらみ、猿を騙してまんまと竜宮城へ連れていきました。

猿は、竜宮でたいそうなご馳走や踊りでもてなされ、猿はお酒を飲みすぎてその場でぶっ倒れてしまいました。倒れた猿を運ぼうと、門番のカレイとクラゲが出てきて「バカな猿め、生き胆をとられる事も知らないで」とクスリと笑いました。

猿は意識もうろうとしながらもこの話を聞き、大慌て。そこで亀を呼び出し「陸の木の上に、生き胆を干したままにしてきた」と嘘を言い、再び陸まで連れ戻るように仕向けました。陸に戻った猿は、さっさと木の上に登り「よくも騙したな!カレイとクラゲの話を聞いたんだ」と、亀に向かって石を投げつけました。その石は亀の甲羅に当たり、ヒビが入ってしまいました。

猿を取り逃がした事を知った竜王はカンカンに怒って、カレイの体を二つに断ち割り、クラゲの体から骨を抜きました。そのうえ竜宮からも追い出したので、今でもクラゲは竜宮に帰れず、海の上の方でプカプカ浮いているそうです。

その後、亀と猿はどうしたかというと、いくら亀が呼んでも猿は知らん顔でした。友達を裏切った亀は、ひとりさびしく海へ帰っていきましたとさ。

(紅子 2012-1-23 22:41)


ナレーション常田富士男
出典(表記なし)
DVD情報DVD-BOX第8集(DVD第40巻)
VHS情報VHS-BOX第4集(VHS第31巻)
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追加情報
本の情報サラ文庫まんが日本昔ばなし第24巻-第116話(発刊日:1978年9月18日)/童音社BOX絵本_第58巻(発刊日不明:1970~1980年頃)/国際情報社BOX絵本パート1-第044巻(発刊日:1980年かも)/講談社テレビ名作えほん第038巻(発刊日:1981年2月)
サラ文庫の絵本より絵本巻頭の解説によると「千葉県の昔ばなし」
童音社の絵本より絵本巻頭の解説(民話研究家 萩坂昇)によると「鹿児島県の昔ばなし」
講談社の300より書籍には地名の明記はない
このお話の評価6.6250 6.63 (投票数 8) ⇒投票する
※掲載情報は 2012/1/23 22:41 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
10件表示 (全12件)
こんはる  投稿日時 2020/9/22 13:56
「クラゲの骨なし」では、サルと亀は陸にいて、果物を食べた。竜宮城で亀が龍王様の頼みでサルを連れて行く事になった。酒を飲みすぎて、変態な顔に⁉︎カレイとクラゲはサルの生き肝を抜こうとしました。カレイとクラゲはクスリと笑いました。サルはお尻の音がしました。「ギーーー‼︎」サルが泣いた。カメが心配をした。猿は、「生き肝を忘れた」と嘘をついた。サルは陸に戻り、サルはカメに向かって足を投げて、甲羅の幅がたくさん入った、龍王の怒りでクラゲは、骨を1000本抜かれてしまいました。カレイは、体を二つに断ち割った。カメが猿を呼んでも彼は知らん顔だ。一人寂しく帰っていった。「サルの生き肝」では、海老と亀とタコとカニがいました。猿は陸にいると、亀はサルを連れて行きました。猿はエビとカニとタコに会いました。果物と酒がいっぱい囲まれた。猿は酒を飲みすぎてしまいました。カニとタコは猿の生き肝を食べ物にしようとしましたが、猿は思いつきました。亀に騙されたことに気がついた‼︎もっと陸まで叫んでいた。エビとカメは心配をした。猿は「生き肝を忘れた」。と「クラゲの骨なし」と同じ嘘をつきました。陸へ連れて行きました。カメは木に登る事はできない。タコの骨を抜かれたり、龍王様の怒りで、カニは横にしか歩けなくなった。エビの腰を曲がってしまいました。
Perenna  投稿日時 2018/12/21 20:03
亀が猿を竜宮城へと連れて行く昔話は沖縄に伝わるものらしいです。
「南の昔話」(昭和11年)では「猿と亀」という題で収録されています。(コマ番号47/174)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1463773/47?tocOpened=1

沖縄の昔話ではカレイやクラゲは出てきません。
猿の投げた石が亀の甲羅にあたってヒビが入ったというオチで終わっています。

Perenna  投稿日時 2018/11/30 18:32
yassan様。

猿とワニの説話は「サンダハンの入門サンスクリット」(東方書店)という本に、サンスクリット語の練習問題として掲載されていました。
パンチャタントラやジャータカは未読ですが、仏教やサンスクリット語に興味があるので、いずれ読んでみたいと思っています。
クラゲの骨なしについては、国会図書館が運営しているデジタルコレクションで調べてみたところ、大正14年に出版された「小学校へ入る迄の子供に聞かせる話」という本に、ねずみの嫁入りとともに掲載されています。(コマ番号170/266)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1017008/170?viewMode=

この本では、猿を竜宮へ連れていったのは亀ではなくクラゲです。
昔ばなしにはいろんなバージョンや転化があってバラエティに富んでいるので、調べてみるとおもしろいですよね。
yassan  投稿日時 2018/11/30 10:48 | 最終変更
Perenna様

仰るとおり、このお話は相当古いインドの説話がもとになっているようです。インドの説話集であるパンチャタントラ、仏典であるジャータカの両方に似た話があります。

パンチャタントラでは第4巻主話、ジャータカでは第208話、57話あたりです。日本には漢訳仏典を通じて入って来たのでしょうね。
Perenna  投稿日時 2018/11/29 20:03
この話はもともとはインドの説話が原典です。
私が知っている説話は次のようなものです。
ある川の岸辺に一本のジャンブ(ローズ・アップル)の木があり、たくさんの猿がその木の上に住んでいました。猿たちは甘い木の果実を毎日食べていました。川には一匹のワニがその妻とともに住んでいました。そのワニと一匹の猿が友達になりました。
その猿はたくさんのジャンブの果実をワニにあげました。そのワニはもらった果実を自分の妻のところに持っていってやりました。ワニの妻は甘い果実を食べて夫にこう言いました。
「あなたの友達の猿は毎日、たくさんの甘い果実を食べている。だからあなたの友達の心臓は大変甘いにちがいない。私はその猿の心臓を食べたい」
ワニはしかたなく、川岸に行って友人の猿に言いました。
「おお、友よ、私の妻はあなたを大変気に入っているのです。私達二人はあなたを食事に招待したい。どうか私と一緒に私達の家まで来てください」
猿はワニを信頼していたので、ワニの背にまたがり川の中ほどまで進みました。途中でワニはついこうもらしてしまいました。
「おお、友よ、私は大変悲しく思います。というのは私はあなたに本当のことを言っていなかった。私の妻はあなたの心臓が大変甘いと思っていて、あなたの心臓をぜひとも食べたいと言うのです」
猿は突然こう言いました。
「それならそうと、なぜもっと早く言ってくれなかったのか? 私はいつも自分の心臓を木の窪みに置いているのだ。心臓を取って来るから、すぐに私をあそこまで連れて行ってくれ」
愚かなワニは猿をまた再びジャンブの木の下まで連れて行きました。猿はすばやくワニの背から木の枝に飛び移ると、あざけってこう言いました。
「おまえは悪いやつだが愚か者だ。心臓がその肉体から離れて存在などできるものか。さっさと自分の家に行ってしまえ。未来永劫ここには絶対に来るな」
インドでは猿とワニの話だったのが、日本では猿と亀の話に転化しています。
ゲスト  投稿日時 2018/8/12 3:24
明るい絵柄と音楽なのに怖い話ですね、猿が逃げ切ってほっとしました。
モチモチ寸(元・アーリアジャスール)  投稿日時 2018/4/14 19:16
どうも。モチモチ寸です。以前はアーリアジャスールという名前で投稿していました。壊れた友情というテーマだな。後気になるけどクラゲの頭の骨が尖ってるな。
ゲスト  投稿日時 2015/10/28 0:53
乙姫様は結局どうなってしまったのかしら。。。
坊屋良子  投稿日時 2015/3/30 18:30
海の生き物の由来話の「オコゼの片思い」を思い出しましたが、どちらも高橋良輔演出作品なんですね
ゲスト  投稿日時 2014/6/22 12:46
「猿の生き肝が必要」ってのが怖すぎる件。
子ども向けに教訓めいたお話になってるけど、原型となった民話はもっとおどろおどろしいものじゃなかったかと想像します。
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