No.0198
ひともしやま
火ともし山
高ヒット
放送回:0122-B  放送日:1978年02月18日(昭和53年02月18日)
演出:漉田實  文芸:漉田實  美術:馬郡美保子  作画:上口照人
写真あり / 長野県 ) 34332hit
あらすじ

昔、諏訪湖の東の村に「おなみ」という娘がいた。おなみには、夫婦になろうと言い交わした若者がいた。ところが、ある日若者はやんごとなき理由で今住んでいる村から湖の向こう側に移り住まなくてはいけなくなった。

おなみは若者と会えなくなる事をとても悲しんだが、若者は毎晩湖のほとりの山で火をともすとおなみに約束した。その火を見て、心を通わせようと思ったからだ。若者は、移り住んだその日から夜になると山で火をともすようになった。

若者に恋焦がれていたおなみは、我慢できなくなって火を目印に若者の元に走りだした。おなみは酒の入った竹の筒を持って、湖のほとりを全力疾走する。やがて若者の元にたどり着いた頃には、中の酒から湯気が出て、熱燗のようになっていた。若者に早く会いたいと言う思いのせいで胸が焦がれるようになり、それで酒が温まるのだと言う。

ある日、おなみはもっと早く若者の元に行きたいと思うようになった。湖をぐるりと回るのは時間がかかる。そこでおなみは湖を泳いで渡ることにした。冬の寒い中だったが、おなみは若者の火を頼りに湖を泳いで渡った。湖から上がったおなみの手には魚が握られていた。

いつもより早く来たおなみに若者は驚いた。さらに、おなみがびしょぬれであること、取れたての魚を差し出したことに若者は驚いた。この寒い中、おなみが湖を泳いできたと言うことが若者には信じられなかったし、もし本当にそうならこれは正気の沙汰ではないと思った。

次の日、若者は火をともした後に湖をじっと見ていた。すると、おなみは一直線に湖を泳いできていた。その様子を見た若者は背筋に冷たいものが走り、おなみのことが怖くなった。

次の日、おなみは湖のほとりで若者が火をともすのを待っていたが、いつもの時間になっても火はともされなかった。少しでも早く若者に会いたいと思っていたおなみは、雪がちらつく中、湖へと入っていった。湖の真ん中からでも、いったん火がともされれば、それを目指せばいいと思ったからだ。

しかしその晩、山に火がともされることは無かった。そしてその晩以来、おなみの姿を見た者もいなかった。 しばらくして、若者が熱病で死んだと言う話が、風の便りでおなみの村に伝わってきた。

(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)


ナレーション常田富士男
出典大川悦生(角川書店刊)より
出典詳細信州の伝説(日本の伝説03),大川悦生,角川書店,1976年2年10日,原題「火ともし山」
現地・関連お話に関する現地関連情報はこちら
場所について火燈山(岡谷市湊三丁目周辺)
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地図:火燈山(岡谷市湊三丁目周辺)
追加情報
本の情報サラ文庫まんが日本昔ばなし第27巻-第131話(発刊日:1978年12月20日)
サラ文庫の絵本より絵本巻頭の解説によると「長野県の昔ばなし」
このお話の評価7.6250 7.63 (投票数 8) ⇒投票する
※掲載情報は 2011/2/11 22:30 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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うさだヒカル  投稿日時 2017/3/14 5:28
おなみちゃんがNHKアニメのあずきちゃんに似てる
ゲスト  投稿日時 2017/2/13 1:38
この話はいつ頃の話なのだろうか?
古墳時代の諏訪湖は南北の方向に今の2.5倍あった説もあるから、
夜道を一人行くより泳いだ方が安全で早かったのは納得いくんだが…
ゲスト  投稿日時 2016/9/1 17:48
現在で言うところのヤンデレに相当する話ですね。
一途すぎる恋心は逆に恐ろしく、
逃げ出してしまう男の心情も解らなくはありませんが、
その情熱に応えられなかった報いもあったようで、
愛される尊さを無碍にするのも感心できません。
要するに、何事も程々がいちばんということでしょうか。
ももたろう  投稿日時 2016/8/19 3:18
愛善院さん度々、ありがとうございます。
変わりますが、
このアニメ、作画の名前の方が、一から作画を担当されているのでしょうか?
同じ名前でも全く異なる画風をされている回も見受けます。
「火ともし山」を見て、若井丈児氏の作品だと思ってしまったのですが、
テロップと符合しません。単なる空似でしょうか?ご存じの方いれば…
愛善院  投稿日時 2016/8/17 17:33
女の恋慕の情を火に譬える、というのは、実は諸外国にはあまりないように考えております。というのも、根底に炎→戦争という意識が強いのであろう文化圏は恐らく広く、西洋では火は男性名詞、男神、という観念もあります。炎がよく譬えているのはもっぱら復讐や嫉妬であることが多く、熱烈な愛は太陽にたとえられはしますが、火にたとえを持ち出すのはだいぶ時代が下ってからのような気がするのであります。かろうじて存在するとすれば、インド神話シヴァ神の妃神で、破壊衝動やトランス・エクスタシーなどの面を象徴するドルガー(毘羯羅)やカーリー(女大黒)は、恍惚と炎を吐くような描写があったように思います。
ともあれ、日本で炎が特に女性を示しているように思えるのは、荒神(かまどの神)あたりとの関連性がありそうで、煮炊きを担う家庭的な側面と扱いを誤れば失火をおこす、そういったところからなのかもしれません。
ももたろう  投稿日時 2016/8/17 2:46
愛善院さん詳細ありがとうございます。
火のほうで共通してくるものに、八百屋お七の放火も思い出しました。
恋は成就するも叶わぬも炎のようにめらめら燃えるものなんでしょうね。
いずれも民俗学の領域になってくるので私には、ちと難しいです。
愛善院  投稿日時 2016/8/15 15:37
男の不義によって女の悲恋となり、入水して怪異を生じる、とすると、日本の神話であればオトタチバナ姫。西洋では、ギリシャ神話のセイレーンに系譜をもつドイツのローレライ(人魚、水精)でありましょうか。単にローレライというとイソップ童話の「金の斧、銀の斧」に出てくる泉の精も類型ではあります。アンデルセンのいわゆる「人魚姫」も類型ではありますが、泡と消え入ったあとに何が王子の身におこったか、想像するしかありません。
ももたろう  投稿日時 2016/8/14 1:52
まん昔での作品は、一途な、おなみが、とても、かわいらしく描かれていて、
一層、不憫に思えてならないです。
ただ、最後は「姿を見ない」「死んだと言う」と唐突として終わり、
物語の展開がなく、いまいち消化不良に感じます。

冒頭、諏訪湖なので御神渡りの話なのかな?と勘違いしましたが、
その後、内容から安珍清姫の物語を連想しました。

恋に盲目になる女性、それを避けるように変心する男性。
男性を前に溺死するような下り、火が登場する点

が、共通しているなと思いました。このような民話は、類似話や、
海外などでもあるのでしょうか、気になりまました。
物語の展開としては、安珍清姫は凄まじいものだと思います。
ま  投稿日時 2016/8/9 18:14
なぜ若者がおなみを恐れたのか理解に苦しむ。
俺なら感動の余り湖のほとりまで駆け下りて
自分も着物を全部脱いでおなみを待ち構え
上がってきたおなみをすぐさま人肌で暖めてやる。
ゲスト  投稿日時 2016/5/24 12:45
小川未明が「赤い蝋燭と人魚」を書くにあたって着想を得たという「雁子浜の人魚伝説」に似ていますね。
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