No.1458
くもがさか
くもが坂

放送回:0940-B  放送日:1994年07月02日(平成06年07月02日)
演出:西村緋禄司  文芸:沖島勲  美術:松岡聡  作画:西村緋禄司
福井県 ) 16628hit
あらすじ

昔、福井県にくもが坂という所があった。

以前は穏やかな里だったが、いつ頃からか山に性悪狸が住みつき、悪さをするようになった。村人は腕利きの猟師を雇って退治しようとしたが、逆に返り討ちにあい殺されていた。本来、この事に責任を持つべき山番の甚平は、山の生き物は殺すなと言って、大狸を退治しようとしない。

この甚平という山番、臆病風に吹かれて大狸を退治しないばかりか、殿様の山の木を勝手に切っては、これを売って私腹を肥やしていたのだ。

ある日、村に若者が仕事を探してやって来た。名は貞次郎(ていじろ)といいトチと言う名の猟犬を連れていた。甚平は貞次郎を快く迎え、夜だけ山番をやってくれと頼んだ。ところが、甚平が貞次郎を雇ったのには裏があった。甚平は、これまで自分がした悪事を全部貞次郎に着せるつもりだったのだ。

甚平は「トチは猟犬だから山の生き物を殺すかもしれん。」と言って、その夜貞次郎を一人で山に行かせた。すると案の定、坂の途中で大狸が現れた。しかしその時、番屋からトチが飛出し、貞次郎を助けに来た。トチは大狸と果敢に戦ったが、もつれ合って崖の下に落ち、大狸と相討ちになってしまった。

大狸を退治した貞次郎は村人から感謝された。ところが甚平は、山の生き物を殺したのでこの事を殿様に報告すると言う。これには村人が猛反発。すると甚平は、今度は手のひらを返し「この狸の皮を剥いで殿さまに渡して褒美を二人で山分けしよう」と貞次郎に持ちかける。

貞次郎は、狸が死ぬ前に「皮をはいだ奴を祟ってやる」と言ってたのを思い出し、甚平を止めようとする。しかし甚平は聞く耳を持たず、狸の皮を剥いだ。すると狸の腹から黒い煙が出てきて、甚平の顔を覆った。

その後、甚平の姿を見たものはいなかったという。村人たちはトチと大狸の亡骸を手厚く葬ってやった。そして貞次郎は村人たちに歓迎されて、いつまでもこの村で幸せに暮らしたそうだ。

(投稿者: KK 投稿日時 2012-10-2 22:56)


ナレーション市原悦子
出典福井県
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このページを印刷
追加情報
このお話の評価8.0000 8.00 (投票数 4) ⇒投票する
※掲載情報は 2012/10/3 0:02 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
お話の移動 ( 25  件):   <前  1 ..  19  20  21  22  23  24  25  次>  
コメント一覧
2件表示 (全2件)
まん日とみんなのうたファン  投稿日時 2017/12/6 13:51
みんなのうたで、「一円玉の旅がらす」、「はみがき音頭」、「夜汽車よ急げ」、「こころはハレルヤ」、「お月さまと影法師」などのアニメーションを担当した西村緋禄司さんのまん日での唯一の作品。ちなみにこの話が放映されていた1994年7月には、みんなのうたで西村アニメの「てるてる坊主はオサムライ」が放映されていました。
ゲスト  投稿日時 2016/12/18 19:01
トチたん(´;ω;`)
投稿ツリー
2件表示 (全2件)
現地関連情報
出典本調査 facebook
Twitter

オンライン状況

26 人のユーザが現在オンラインです。 (19 人のユーザが お話データベース を参照しています。)

新着コメント(コメント24件)