No.1454
しゅのばん
しゅのばん
高ヒット
放送回:0936-B  放送日:1994年06月04日(平成06年06月04日)
演出:若林常夫  文芸:沖島勲(シナリオ大久保新)  美術:門屋達郎  作画:若林常夫
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あらすじ

昔ある所に、なんとなく生きている男がいました。なんとなく生まれてなんとなく育って、なんとなく大工になってなんとなく嫁をもらって、なんとなく毎日を仕事して暮らしていました。

男は毎晩、客がいなくなる頃になると飲み屋に行って、なんとなく女将を口説きやんわりと断られる日々を過ごしていました。ある晩、男はいつものように飲み屋を訪れるも、女将は返事もしないし振り向きもしませんでした。

何かただ事ではない気配を感じた男に「お前さんが一晩中飲み明かしたい相手って、この私かい?」と、真っ赤な顔をした化け物が振り返りました。その顔は、角と牙をはやし大きな目はぎろりとむいて、なんとも恐ろしい赤鬼の顔でした。男ははじかれたように飛び上がり、店から悲鳴を上げて逃げ出しました。

息をきらせてもう一軒のなじみの飲み屋に駆け込むと、そこにもさっきの恐ろしい顔した赤鬼の化け物がいました。「しゅのばーん!」赤鬼が金切り声で叫ぶと、あまりの恐ろしさに男は腰を抜かして地面を這って逃げ出しました。

やっとこさ自宅に帰りつくと、そこにはいつもの優しい顔をした女房が待っていました。女房もしゅのばんになってしまったかと疑いましたが、女房だけはいつもの女房でした。次の日から、男はぷっつりと飲み屋通いをやめ、女房のために働こうと、大工仕事に精を出すようになりました。

(紅子 2012-4-21 22:12)


ナレーション常田富士男
出典福島の昔話(三丘社刊)より
出典詳細里の語りべ聞き書き 第15巻,川内彩友美,三丘社,1993年08月15日,原題「会津の首番」
場所について諏訪神社(しゅのばんがよく出たという神社)
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地図:諏訪神社(しゅのばんがよく出たという神社)
追加情報
本の情報二見書房[怪談シリーズ]第4巻_ひゃ~、化け物だ(発刊日:1995年7月25日)
このお話の評価7.2500 7.25 (投票数 4) ⇒投票する
※掲載情報は 2012/4/21 22:12 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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Perenna  投稿日時 2020/4/7 22:58
「朱の盤」の昔話は、未来社の「福島の民話・第二集」(片平幸三編)にも収録されています。
ただし、アニメのストーリーとはまったく違っています。
「慶長年間、関ヶ原の戦いの前夜。会津若松城主・上杉景勝は徳川家康と敵対し、石田三成と組んで西軍側につきました。
その時、居城の鶴ヶ城の守りが不利であると考えて、西の阿賀川沿いの土地に神指城を築き始めました。
たくさんの人夫が築城のために若松の町に集まりましたが、毎晩のように諏訪神社の境内に朱の盤という化け物が出没するという噂が広まります。
これを聞いた山田角之進という侍が、化け物退治のため諏訪神社の森に出かけました。」
以下はアニメと同じような展開で、あちこちで人間に化けた朱の盤におどかされて、ほうほうのていで逃げ帰り、とうとう病気になってしまったというオチです。
会津若松市本町2-50に鎮座する諏方神社は、鶴ヶ城の西北に位置し、会津藩祖・保科正之公も尊崇した会津大鎮守六社のひとつです。
そこからさらに西北にあたる会津若松市神指町本丸が、神指城の城跡です。
アニメのもとになった昔話や「ゲゲゲの鬼太郎」に出てくる「しゅのばん」は喜多方市の諏訪宮に出没したらしいですが、このふたつの神社の間にはどのような関係があるのでしょうか?
頭方  投稿日時 2018/11/30 10:40
若林作品、最終作。主人公は、大笑い男にいままで登場した若林キャラを合わせた感じでした。
匿名希望  投稿日時 2013/6/5 11:11
おいてけ堀とキャラかぶったストーリーですね。
beniko  投稿日時 2011/11/15 18:05
後者の諏訪神社にマッピングしました。地図上で現存しているところの固有名詞があったほうが何かと実感がわきますので、独断でそうさせてもらいました。よろしくおねがいします。
araya  投稿日時 2011/11/15 2:42
まんが日本昔ばなしの原作は分かりかねますが、福島の話とのことで、水木しげるの妖怪図鑑によると、朱の盤は奥州会津の諏訪の宮での話とあります。住所としては、福島県喜多方市塩川町常世諏訪宮。会津地方北部になりますね。そして、よく出現したとされるのが諏訪神社の辺り。座標では下記になります。

37.617078,139.924347 か 37.63457,139.922813

前者は住所としての諏訪宮、後者は神社としての諏訪神社。前者には神社はありませんが、最寄りのバス停の「諏訪殿」や地名の「諏訪宮」や田んぼの中の森が示すように何かしらの御社があった可能性もあり、明治期以降に何かの理由で北の諏訪神社と合祀か遷座された可能性も考えられますので、ひとまずは前者の方でよろしいかと考えます。

ちなみに、朱の盤の大元の話は下記のようなものになりますね。

http://home.att.ne.jp/red/sronin/_koten/0552shunoban.htm
beniko  投稿日時 2011/11/15 1:00
はい!これちょっと違う内容のあらすじのようでしたでの、一時削除しました。
しゅのばんは、ゲゲゲの鬼太郎にも登場していた妖怪キャラだったんですね。紅子は、この昔話でしか扱われなかったマイナー妖怪かと思っていましたが、有名妖怪だったんですね。
araya  投稿日時 2011/11/14 22:28
同意。現代風にいえば、妻をほったらかして仕事帰りにキャバクラをハシゴする亭主が、飲んだ先々で「朱の盤」という怪異に遭遇しまくり、逃げ込んだ先の妻の顔にホッとして、最後は心を入れ替えるって話でしたね。

朱の盤に魅入られた後の展開は「おいてけ堀」に近いですが、いまだに出現した経緯がよく分からない話ですわ(^_^)。飲んだくれ亭主を懲らしめるために、妻が生霊となって乗り移ったのか、ナマハゲみたいな神が戒めに現れたのか、全く別の愉快犯な妖怪だったのか。突飛な登場で戸惑いましたw
マニアック  投稿日時 2011/11/14 20:29
ちょっと待った!テレビとストーリーが、違うぞ。なんとなく生まれて、なんとなく大工になった男が、しゅのばんに会ってから、酒をプッツリとやめ、女房のために仕事に専念するようになった。なんて話じゃなかったっけ?
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