昔、五料(ごりょう)という村の原っぱにお地蔵さんがいて、村の子供たちはお地蔵さんの周りでいつも楽しく遊んでいました。
ある日、たまたま通りかかった馬子が、馬の背に乗せた荷物のバランスをとるため、お地蔵さんを乗せてそのまま立ち去って行きました。大好きなお地蔵さんがいなくなって、五料の子供たちはとても悲しみました。
ある夜の事、馬子が寝ていると枕元にお地蔵さんが現れ「私は五料が恋しい」と、涙を流しました。びっくりして飛び起きた馬子は、道端に置いていたお地蔵さんを馬の背にのせて、いそいで五料に連れ帰りました。
お地蔵さんはこうして無事に五料に戻り、子供たちもまた原っぱに集まるようになりました。子供たちのはしゃぐ声を聞きながら、お地蔵さんは嬉しそうに笑っていました。
(紅子 2011-12-6 19:45)
ナレーション | 常田富士男 |
出典 | おのちゅうこう(未来社刊)より |
出典詳細 | 上州の民話 第一集(日本の民話20),小野忠孝,未来社,1959年06月30日,原題「五料の地蔵さん」,採録地「碓氷郡」 |
場所について | 安中市松井田町五料の夜泣き地蔵(この辺か) |
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