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No.1401
いうなのじぞう
言うなの地蔵

放送回:0890-B  放送日:1993年05月29日(平成05年05月29日)
演出:高橋良輔  文芸:沖島勲  美術:西田稔  作画:金海由美子
石川県 ) 10069hit
あらすじ

昔、ある村里に花岡の誠治郎(せいじろう)という若者がいました。大きな家に住んでいて生真面目で働き者、顔つきもキリリとした良い青年でしたが、どうにも村の若い連中と馴染むことができませんでした。

ある時、村の和尚さんに城下への使いを頼まれました。誠治郎は持ち前の律儀さで一日も無駄にすることなく遠い道のりを休まずに城下へ向かいました。そして、大事なお使いを無事に終えた、その帰り道のことです。

森を抜ければ村に帰り着くというところで、誠治郎は怪しい人影を見つけました。しかし、それはよくみるとお地蔵様でした。安心して帰ろうとすると、どこからか良い匂いが。お地蔵様にお供えされたお饅頭です。

空腹だった誠治郎は一旦は思いとどまりますが、どうしても空腹に勝てず一個もらうことにしました。ところがそのお饅頭の美味しいこと。一個ののつもりが二個となり、とうとう全部食べてしまいました。

誠治郎は「お地蔵様、このことは他言無用にお願いします」と言って去ろうとすると、「わかった。ワシは言わんが、お前も言うなや」と声がしました。驚く誠治郎に、さらにお地蔵様は「ワシは言わんが、お前も言うなや」ともう一度告げました。

びっくり仰天した誠治郎は大慌てで家に帰り、このことは誰にも話しませんでした。

そして、しばらく経った頃、村祭りが行われました。誠治郎は、そこで勢いにまかせてお地蔵様が喋った事を村の若い連中に言ってしまいました。ところが「石のお地蔵様がしゃべるものか」と誰も相手にしてくれま せん。それでも引っ込みがつかなくなって「喋ったのだ」と言い張る誠治郎に、「喋っただけじゃなくて、ちゃんと説明しろ」と村の連中が言いました。

しかし説明しようにも、それをすると「お地蔵様のお供えをつまみ食いした」事も話さなくてはなりません。黙りこんでしまった誠治郎を、周りの若い連中は冷ややかな態度で見守ります。そこへ和尚さんがやってきて「もっと肩の力をぬかないと、みんなと仲良くなれない」と誠治郎を諭しました。そして観念した誠治郎は自分がしたことを話したのでした。

打ち明けたあとは、お供えをしたオババに散々に怒られた誠治郎でしたが、みんなは「あの誠治郎がお地蔵様のお供えをつまみ食いするなんて」と大笑いし、それから誠治郎は村の若い連中と仲良くなることができたのでした。お地蔵様は、ひょっとすると全てお見通しだったのかもしれませんね。

(投稿者: もみじ  投稿日時 2013-1-8 22:36)
 

「せいじろう」は当て字です。(;´Д`)


ナレーション常田富士男
出典石川の昔ばなし(三丘社刊)より
出典詳細里の語りべ聞き書き 第01巻,川内彩友美,三丘社,1986年04月10日,原題「おまえ言うなや」
VHS情報VHS-BOX第5集(VHS第43巻)
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※掲載情報は 2013/1/9 9:56 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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ゲスト  投稿日時 2015/9/28 20:19
類似話2 は
福岡県飯塚市 長崎街道 内野宿 冷水峠 傍 の首なし地蔵さま です
ゲスト  投稿日時 2015/9/28 20:13
【民話 首なし地蔵】
昔、悪者がこの峠で旅人を殺害した。悪者はこのことを道ばたの地蔵に向かい、誰にも言うなという。地蔵は「ワシは言わぬがわれ言うな」という。悪者は驚いて地蔵の首を叩き落として行方をくらました。
その後何年かして二人の旅人がここを通りかかる。谷川の水で喉をうるおし、地蔵様を拝すると首がないのに一人は驚くが、もう一人の男はあの悪者であった。「ワシは言わねどわれ言うな」のお地蔵様の言葉を忘れて、その首のないわけについて、何年前かの自分の仕業を自慢げに白状した。話を聞いた男は、前にここで殺された長崎の人の血縁であったので、仇討ちが行われた。
http://www.nagasakikaido-uchinoshuku.jp/kubinashijizou.html
ゲスト  投稿日時 2015/9/28 20:10
いうなの地蔵

 高取(たかとり)峠(とうげ)にお地蔵さんがあります。
 昔、このお地蔵さんの前で人が殺されました。悪者はお地蔵さんに、
「お前のみたことは、人にいうな」といったら、お地蔵さんは、
「わしはいわぬが、われいうな」とおっしゃったので、(悪者は)驚いて逃げ出しました。
 人殺しがあったという噂に、人々はおそれて、しばらくはお詣(まい)りする人も、通る人も少なくなっていました。
 それから何年かたったある日のこと、犯人がふたたび此所(ここ)に来て、お地蔵さんにいいました。
「おれの人殺しのこと、約束を守っていわなかったなあ」
と、いったとたん、尾行してきた岡っ引(おかっぴき)に悪者は捕えられたということです。
 この時以来、「わしはいわぬが、われいうな地蔵」とよばれるようになりました。

注1:「高取峠」とは、兵庫県相生市と赤穂市の境にある峠です。
注2:「われいうな」の「われ」とは、俗語の二人称の代名詞で、「あなた・君・お前など」の意味があります(『日本語俗語辞書』)。つまり、「われいうな」とは、「お前 言うな」という意味になります。
注3:「おれの人殺し」の「おれ」とは、俗語の一人称代名詞で、自分のことを意味します。「われ」に対し「おれ」の関係にあります。つまり、「おれの人殺し」とは、「自分(わし)の人殺し」という意味になります。
注4:「岡っ引」の「岡」の語源は、「そばにいて手びきをする」です。江戸時代、諸役人の手先となって犯人の探索・逮捕を助けた私的な使用人です(『日本語大辞典』)。
出展:『相生市史』第四巻
http://www2.aioi-city-lib.com/bunkazai/den_min/den_min/minwa/18.htm
マルコ  投稿日時 2013/12/11 19:01
まんが日本昔ばなし声優、常田富士男さんが、ー常田富士男さんと歩く加賀・能登むかし話の旅ーで昔ばなしでも放送されたと思われる「言うなの地蔵」のアフレコをしたようです。

この情報によると、「言うなの地蔵」は金沢の川北町が舞台らしいです。

能登のうみやまブシ(西山郷史)さんのサイトに詳しい情報があります。
http://d.hatena.ne.jp/umiyamabusi/20131206/1386283887
もみじ  投稿日時 2013/3/7 23:59
通り魔殺人というか、強盗殺人ですね(´Д`;)
うわ…こっわ…。
犯行現場をもう一度通りがかって、自身が破滅に向かう点においては
歌うがいこつとどこか共通点がありますね。
でも、歌う骸骨は殺されたものが自分で復讐を遂げる話になっていきますが

言うなの地蔵は、犯人が自分で後悔して洗いざらい喋った結果、
喋った相手が殺した相手の子どもだったことを思うと
相手に懺悔をさせてる分、こっちの元のお話の方がそのままアニメにしてしまっても
良かったのではないか…とかも考えたりします。

元のお話を読んで、ふと浮かんだのが
東京の吉祥寺で、若い女性が人気のない路上で強盗に刺殺された事件。
犯人と思われる2人組のうち、もうひとりは依然逃走中。
もうひとりの共犯者が早く捕まりますように。
そして、外国人だとか少年法とか言ってないで、
きっちり罪を裁いてもらいたいと切に思いました(´・ω・`)
ゲスト  投稿日時 2013/3/7 21:22
これって元は通り魔殺人の話なんですよね。ひぃ
http://www.geocities.jp/u9ji/iuna.htm
匿名希望  投稿日時 2013/1/11 15:10
お地蔵さんのお供え物を食べるなんてバチ当たりですよ!(怒)
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