【民話 首なし地蔵】
昔、悪者がこの峠で旅人を殺害した。悪者はこのことを道ばたの地蔵に向かい、誰にも言うなという。地蔵は「ワシは言わぬがわれ言うな」という。悪者は驚いて地蔵の首を叩き落として行方をくらました。
その後何年かして二人の旅人がここを通りかかる。谷川の水で喉をうるおし、地蔵様を拝すると首がないのに一人は驚くが、もう一人の男はあの悪者であった。「ワシは言わねどわれ言うな」のお地蔵様の言葉を忘れて、その首のないわけについて、何年前かの自分の仕業を自慢げに白状した。話を聞いた男は、前にここで殺された長崎の人の血縁であったので、仇討ちが行われた。
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