昔、長野県諏訪郡の原の茶屋に、貧乏だが心の優しい豊吉(とよきち)という男が居ました。豊吉が家の前の畑を耕していると、ガリガリにやせ細った馬が馬方に連れられて歩いてきました。
しかし豊吉の家の前まで来ると馬は歩くのをやめてしまいました。馬方が罵声を浴びせながら歩かせようとしましたが、馬は言うことを聞きません。
豊吉がその様子を見ていると馬と目が合ってしまいました。心の優しい豊吉は馬方にお金を渡して馬を引き取りました。その後、豊吉が愛情を注いで世話をしたおかげで馬はとても元気になりました。
ある夜、馬が家を抜け出してどこかへ行っている事に不信感を抱いた豊吉は、馬の後をつけていきました。馬の後をつけていくと、馬が湧き水を美味しそうに飲んでいる光景を目撃しました。あんまり美味しそうなので豊吉も湧き水を飲んでみると・・・なんと!!湧き水は酒だったのです。
その後、豊吉はその湧き水を町へ売りに行くようになり、その収入で生活も少しは楽になって馬と一緒に幸せに暮らしましたとさ。
(投稿者: 馬好きっ子 投稿日時 2012-5-3 1:40 )
ナレーション | 市原悦子 |
出典 | 長野県 |
場所について | 諏訪郡富士見町富士見原の茶屋 |
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