昔、ある所にお花という傘を売って歩く働き者の女の子がいました。雨の日も風の日も、両親が作った傘を売り歩いていましたが、雨の降らない日は傘は売れないのでいつも帰りが遅くなってしまうのでした。
ある夜の事、帰り道を急いで歩いていたお花に、体の大きな婆様が話しかけてきました。暗い道が怖かったお花はホッとして、しばらく一緒に歩いていましたが、婆様の手足にうろこが付いている事に気が付きました。この婆様は女川(めかわ)の主の河童の化け物だったのです。
慌てて走り出したお花を捕まえようと、化け物も正体を現して猛スピードで追いかけてきました。命からがら塩たき小屋にかけ込んだお花は、塩カゴの中にかくまってもらいました。さらに塩たき爺さんは、お花の回りにたくさんの魔除けの塩をまいてくれました。
化け物が、塩に触れないように体を長くのばしてお花に近づこうとしたその時、塩たき爺さんは高く積み上げていた塩カゴを引き倒しました。大量の塩が化け物に降りかかると、化け物の体が半分溶けてしまい、残った足だけが真っ暗な夜道を逃げていきました。
こんな事もあって、お花と塩たき爺さんの話は評判となり、お花の傘は良く売れるようになりました。
(紅子 2012-1-24 0:25)
ナレーション | 常田富士男 |
出典 | (表記なし) |
DVD情報 | DVD-BOX第6集(DVD第30巻) |
VHS情報 | VHS-BOX第4集(VHS第39巻) |
本の情報 | 二見書房[怪談シリーズ]第3巻_妖怪がでるぞ~(発刊日:1994年7月25日) |
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