No.1370
といたかつぎ
戸板かつぎ

放送回:0870-A  放送日:1992年12月12日(平成04年12月12日)
演出:白梅進  文芸:沖島勲  美術:田中静恵  作画:坂本英明
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あらすじ

昔、ある所にとても貧しいおじいさんとおばあさんが住んでいた。この2人、世話好きで他人の借金の肩代わりまでしていたので、家には毎日借金取りが押しかけていた。そして、とうとう家財道具まで残らず借金取りに持っていかれてしまったので、2人はある日夜逃げすることにした。

いよいよ家を出る時、おじいさんは「戸を閉めておけ。」とおばあさんに言ったのだが、これをおばあさんが「戸を持ってこい。」と聞き間違えてしまい、おばあさんは重い戸板をかついでおじいさんの後について来た。こうして2人は村を出て、峠の上までやってきた。

2人が峠の上の大木の下で一休みしていると、なにやら灯りを持って峠を上って来る者たちがいる。夜逃げするところを見つかっては大変と、2人は木の上に登ってやり過ごすことにした。

さて、2人が木の上から下を見ていると、峠を登って来た集団は、大木の下で火をおこし、なんと盗んできた金銀財宝を囲んで宴会を始めたのだった。えらいことになったと2人が思っていると、にわかに強い風が吹き始めた。風にあおられ戸板を落としては大変と、おばあさんは木の上で踏ん張った。しかし、とうとう強風で戸板を結わいていた縄が切れ、戸板はガラン、ガランと音をたてて落ちていく。

戸板はちょうど盗賊たちが焚いていた火の上に落ち、たき火を消してしまった。火が消えて真っ暗の中、いったい何事が起きたかと思い、盗賊たちは恐る恐る戸板が落ちた場所に近づく。するとその時、くすぶっていた戸板に火が付き、戸板は化け物のような大きな炎を上げて燃えた。これを見た盗賊たちは、化け物が出たと早とちりし、蜘蛛の子を散らすように逃げて行ってしまった。

おじいさんとおばあさんは木から下り、盗賊が残していった金銀財宝をお上に届けると、希にみる正直者と褒められ、褒美をたくさんもらった。2人はそのお金で借金を返し、田畑も買って、たちまち村一番の長者になったということじゃ。

(投稿者: やっさん 投稿日時: 2012-3-30 16:05)

 


ナレーション市原悦子
出典山田てる子「むかしがたり」より
出典詳細むかしがたり,山田てる子,日本写真出版,1975年04月01日,原題「つんぼの得」
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※掲載情報は 2012/3/30 16:05 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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もんた  投稿日時 2020/10/27 7:10
シュツセのはなしは面白いです。
匿名希望  投稿日時 2016/1/29 16:20
これって、落語の「天狗の酒盛り」の元ネタじゃないの?
ゲスト  投稿日時 2016/1/28 19:50
智頭町(ちづちょう)は、鳥取県の南東部に位置し、鳥取藩の宿場町「智頭宿」で知られる町である。面積の93%を山林が占めている。
地理
山: 東山 (1388m) 、沖ノ山(1318m)、鳴滝山(1287m)、那岐山(1255m)、大倉山(1060m)、桜尾山(957m)、篭山(905m)、海上山(786m)、釈山(753m)、牛臥山(728m)
河川: 千代川
歴史
646年 - 極楽寺が法道仙人により創建。
嘉祥年間(845年 - 851年) - 豊乗寺が空海の法弟である真雅により創建。
1582年 - 光専寺開基。
1889年(明治22年)10月1日 - 町村制の施行により、市瀬村・智頭宿・南方村の区域をもって智頭村が発足。
1914年(大正3年)6月1日 - 智頭村が町制施行して智頭町となる。
1935年(昭和10年)2月20日 - 山形村・那岐村・土師村を編入。
1936年(昭和11年)2月26日 - 富沢村を編入。
1937年 - 芦津渓谷に三滝ダム竣工。
1954年(昭和29年)7月1日 - 山郷村を編入。
1967年 - 智頭宿と板井原集落の間の古峠を抜けるトンネルが開通。
1969年 - 那岐山と芦津渓谷が氷ノ山後山那岐山国定公園の区域に指定。
1994年 - 智頭急行が開通。
2009年 - 鳥取自動車道が開通。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%99%BA%E9%A0%AD%E7%94%BA
ゲスト  投稿日時 2015/9/27 22:23
これ、元になった話はグリム童話でしょうね。ほぼ同じ話がありますので
あっちは頭の足りない女房のせいで財産を盗賊にふんだくられてますがw
戸を持ってきてしまう流れは大体同じで、盗賊が逃げたあと盗まれた自分達の財産を取り戻してます

しかしこのじいさんばあさん、他人の借金まで背負った挙句の夜逃げじゃ、人がいいというレベルじゃ…w
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