No.1357
はしだてこじょろう
橋立小女郎

放送回:0861-A  放送日:1992年09月19日(平成04年09月19日)
演出:小林治  文芸:沖島勲  美術:千葉秀雄  作画:大森幸夫
京都府 ) 17044hit
あらすじ

昔、天の橋立の近くに、旅人たちを騙すけれど、どこか愛嬌のある白狐がいました。この白狐は、きれいな若い女に化けるので「橋立小女郎」と呼ばれていました。

ある秋の日、江尻村の太平と源十という二人の漁師が、魚と野菜を積んだ小舟で、宮津の港へやってきました。すると、いつの間にか小舟に乗り込んでいた小女郎が、売り物である上等な鯛を食べてしまっていました。

怒った源十が、小女郎を縄でぐるぐる巻きにして、船底に押し込みました。しかし、小女郎が「縄がきつくて痛い」と悲しそうに訴えるので、縄をほどいて小女郎を魚籠の中に押し込みました。そして、小女郎が逃げ出さないように、魚籠を縄でぐるぐる巻きに縛っておきました。

ところが、源十がどんなに小舟を漕いでも、次の港には到着しませんでした。とうとう日が暮れてしまい、仕方なく橋立のまん中ほどの陸へあがりました。源十は「こうなったのもすべて小女郎のせいだ」と、魚籠から小女郎を引っ張り出して、燃え盛る火の中に投げ込みました。

またたく間に小女郎はまっ黒に焦げてしまいました。源十は「村のみんなに見せてやろう」と、焦げた小女郎をふたたび魚籠に入れて持って帰りました。源十の話を聞いて集まってきた村人たちの前に、源十が魚籠の中身をぶちまけると、中からはまっ黒に焦げた大根がでてきました。

小女郎は火の中に投げ込まれる前に、大根とすり替わっていました。こんなことがあってからは、源十は「大根の豪傑」と変なあだ名をつけられるようになりました。

(紅子 2013-10-12 23:49)


ナレーション市原悦子
出典二反長半(未来社刊)より
出典詳細京都の民話(日本の民話41),二反長半,未来社,1965年10月10日,原題「橋立小女郎の話」,原話「白岩貞吉」
場所について天の橋立(地図は適当)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このページを印刷
地図:天の橋立(地図は適当)
追加情報
このお話の評価5.6667 5.67 (投票数 3) ⇒投票する
※掲載情報は 2013/10/12 23:49 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
お話の移動 ( 34  件):   <前  1 ..  28  29  30  31  32  33  34  次>  
コメント一覧
1件表示 (全1件)
虫  投稿日時 2022/2/13 10:51
下唇おじさん、今回はモブとして出演。この話はいつもにも増して多くの小林オールスターが出演している(大目玉男、泥棒髭のデブ、痩せ男、紅一点の女、出目金ババア、眉毛男、「鬼怒沼の機織姫」の弥十に酷似した男など)。
ちなみに小林治作品の紅一点(今回は狐が化けた姿)の目がネコ目でないのはこの話が最後。
現地関連情報
出典本調査 facebook
Twitter

オンライン状況

22 人のユーザが現在オンラインです。 (17 人のユーザが お話データベース を参照しています。)

新着コメント(コメント24件)