No.1327
にんげんむじょう
人間無情
高ヒット
放送回:0841-A  放送日:1992年05月02日(平成04年05月02日)
演出:細谷秋夫  文芸:沖島勲  美術:小出英男  作画:細谷秋夫
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あらすじ

昔、ひとりの旅人が洪水に巻き込まれ溺れかけていた。旅人は流木に何とか掴まり流されていったが、蛇が溺れているのを見て助け、次に狐が溺れていたので助けた。

すると今度は人間の男が溺れていたが蛇と狐は「人間なんか助けたってろくなことがない」と言ったが旅人はその言葉に耳を貸さず男を助けた。こうして助かった旅人と蛇と狐と男は連れ立って旅をすることになり、流離っていくうちに長者の家に泊めてもらうことになった。

旅人が元々医者と知った長者は旅人を医者として隣に住んでもらうことにした。蛇と狐は助けてもらった恩返しに診療の手伝いをしたが男は何もせずに過ごすばかりだった。村人たちと長者はお金を一切取らずに診療をする医者に感謝し、野菜やお米、小判を医者に贈った。

そんな医者を疎ましく思った男は長者に医者が妖術使いでお金を騙し取る奴と嘘を話した。怒った長者は医者を捕えさせ牢屋に入れた。あの男の仕業とすぐに分かった蛇と狐は医者を助けるべく行動を起こした。

翌日、縁側に座っていた長者の脚を蛇が咬みつき脚が酷く腫れ上がってしまった。苦しんでいる長者の元に易者に化けた狐が現れこの病気を治せることができるのは牢屋に入れられたあの医者しかいないと言った。牢屋から出された医者は長者の元にやって来たが腫れ上がった脚を見て原因がすぐに分かった。

自分を牢屋から出すために蛇と狐がしたことを察知し、蛇と狐に手を合わせ感謝した。適切な治療のおかげで長者の脚は良くなり、嘘を話した男は捕まり医者と入れ違いに牢屋送りになった。その後も医者と蛇と狐は村で診療にあたった。

結局、蛇と狐が恩というものをよく知っていて人間の方が一番の恩知らずということだった。

(投稿者: Kotono Rena 投稿日時 2013-07-08 12:43)


ナレーション常田富士男
出典辺見じゅん(角川書店刊)より
出典詳細動物の世界(日本の民話01),辺見じゅん=清水真弓,角川書店,1973年5年20日,原題「人間無情」,伝承地「東北地方」
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※掲載情報は 2013/7/8 20:48 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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ゲスト  投稿日時 2022/2/3 20:11
ちなみに、辺見じゅんさんは、映画化もされた男たちの大和の原作者でもあるんですよ。
猫  投稿日時 2021/5/21 15:50
深いタイトルですね。ですが、どこか共感できるタイトルでもある気がします。とても考えさせられるよいお話でした。人間は、皆共に助け合って生きていますから、他人を思いやる気持ちを持ったり、時には欲がでて、何かを企んだり、良くも悪くも、様々な感情を持つ生き物だと思います。このお話では、人間が欲を出してしまったために、自分の命を助けてくれた人間を裏切ってしまい、同じく人間に助けられた動物は、助けてくれた人間に恩を返すという形で、人間が最も無情だったというお話です。結局人間がいちばん、怖い生き物だということですかね。
ですが、自然の中でいつでも身の危険に脅かされながら生きる動物と違い、人間は喜怒哀楽様々なことを感じ、長い人生の中で色んなことを経験する、これは人間ならではの生き方かもしれませんね。
蝮が腹英  投稿日時 2018/4/21 17:45
ムジナとマムシの恩返しになんか似てる。
あやくじらのにわ  投稿日時 2017/7/21 6:39
お手伝いのへびさんときつねさんが、カワイイ~です。
坊屋良子  投稿日時 2015/8/21 1:31
この話を見た後はEDの「人間っていいな」が痛烈な皮肉に聞こえますね
匿名希望。  投稿日時 2013/9/15 16:09
いつも、昔話でキツネとヘビは悪者キャラだけど。
人間の味方をする、善人キャラで登場するなんてグッジョブです!
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