トップページ >  お話データベース >  東北地方 >  福島県 >  めどなしの夜
No.1224
めどなしのよる
めどなしの夜
高ヒット
放送回:0774-A  放送日:1990年11月17日(平成02年11月17日)
演出:吉良敬三  文芸:沖島勲  美術:落合由美子  作画:スリー・ディ
福島県 ) 20765hit
あらすじ

急にこんな話するとウソだと思うかもしれないけれど、はるか昔は夜も昼もない世界でした。だから人間や地上の生き物たちは、好きな時間に飯を食ったり寝たりして暮らしていました。

ところが、だんだんと太陽が暑くなってきました。これでは暑くてたまらないし、眩しくて寝る事もできません。困った人間たちは、寝る時だけ太陽を何かで隠してくれるよう、神様にお願いしました。

頼まれた神様は、黒い大きな布を用意しました。最初は塩梅が分からず、待ったなしにばっさり布をかぶせたので、地上では突然夜になりました。しかも地面に届くまで布をかけるものだから、山の木が突き刺さったり、鹿の角が引っかかったり鳥が夜に絡まったりしました。

再び人間たちはみんなで相談して、見た目の美しいカササギ鳥を神様のところへ行かせました。カササギは恐る恐る「ぺったり地面まで布をかぶせず少し頭から離したところにかぶせて下さい。それとできれば、布をはじっこからソロリソロリとゆっくりかぶせてくれませんか?」と丁寧にお願いしました。それからというもの、夜は東の空からゆっくりと始まるようになり、もう夜が頭に引っかかる事もなくなりました。

神様が今でも使っている黒い布(夜)は、毎日々同じ夜を使っているので、もうあちこち穴(めど)があいています。夜空に輝く天の川なんては、昔、夜が山にかぶさった時に森の木が突き刺さってあいた、沢山の穴めどです。

でも神様は新品の夜も持っていて、5月6月頃の何日間か使っています。きっと、ホタル見物ために、新品の「めどなしの夜」を使っているんでしょう。

(紅子 2012-7-7 15:05)


ナレーション常田富士男
出典福島県
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このページを印刷
追加情報
このお話の評価8.1304 8.13 (投票数 23) ⇒投票する
※掲載情報は 2012/7/7 15:05 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
お話の移動 ( 47  件):   <前  1 ..  37  38  39  40  41  42  43  .. 47  次>  
コメント一覧
6件表示 (全6件)
もんた  投稿日時 2020/10/6 18:34
天文学のお話です。
ゲスト  投稿日時 2019/10/13 7:44
天の川の下りは、子供に昔話を聞かせていたお爺さんがが、
子供特有のきつい質問に対して即興の苦し紛れの返答をした感じがして好きです。
はなののののはな  投稿日時 2018/8/6 16:54
夜が引っ掛かるというのが面白いと思いました‼
ねねこがっぱ  投稿日時 2018/8/6 14:48
めどなしの夜を「蛍を見物するためのとろとろとしたビロードの様な夜」。
なんとも美しい表現です。
ゲスト  投稿日時 2015/8/19 3:53
全体的にとてものんびりのほほんとしたノリの話で癒されます。
トモメル  投稿日時 2014/9/30 12:09
雪の夜ばなし―福島の民話― 遠藤登志子 ふるさと企画

1985年 四六判 P201 

目次:
序(遠藤登志子さんの語りに寄せて(松谷みよ子)

嫁コ話/あてつけ山/鬼姑/はらみ月夜/着抜き衣裳/にょんにょんの飯〈まんま〉/夕顔婿/あたりほとり/けちの病/蛇飯/地獄飯/若返りの清水/のみの串ざし/雪の夜ばなし/おったて屏風/半ごろし/めどなしの夜/チョンコ髷爺さま/鬼は内/狐女郎/蚤の質入れ/こんにゃくの伊勢参り/馬のでんがく/首吊り指南/笠地蔵/貧乏神/吾妻の婿さま/キンプクリン/爺さまの湯治/間の良い男/おりや峠{一、沼の巻/二、蛇の巻/三 里の巻}

解説(沖野晧一)
投稿ツリー
6件表示 (全6件)
現地関連情報
出典本調査 facebook
Twitter

オンライン状況

28 人のユーザが現在オンラインです。 (18 人のユーザが お話データベース を参照しています。)

新着コメント(コメント24件)