平泉の中尊寺から西へ半里ほどいったところに戸河内川(とかないがわ)が流れていた。
ある日のこと、この戸河内川に沿って若い山伏が歩いていると、草履を川に流されて困っていた美しい女に出会った。その女から、自分をおぶって一つ上の琴ヶ滝まで運んでほしいと、頼まれた。山伏が女を背負って琴ヶ滝まで運び、帰ろうとした際に、女の腕にうろこが生えている事に気が付いた。
実は、女は琵琶ヶ滝にすむ妖怪で、琴ヶ滝に住む夫に会いに来たのだと言う。そして、この事を誰かに言うと石にしてしまうぞ、と女から口止めされた。山伏が辺りを見回すと、滝つぼの周りには石にされた村人が並んでいた。
次の日、山伏が村人たちと琴ヶ滝に行き、妖怪を退治するために必死にお経を唱えた。琴ヶ滝の妖怪は退治されて石になったが、山伏の下半身も石になってしまった。動けなくなった山伏は、今度は女の妖怪と対決すべく、村人たちに担がれ琵琶ヶ滝に向った。山伏は琵琶ヶ滝の妖怪を退治するも、妖怪の魔力で自身も全身石になってしまった。
今でも戸河内川の水が枯れた時、淵の底から二つの妖怪たちの石が見られるそうだ。
(紅子 2011-7-15 23:35)
ナレーション | 市原悦子 |
出典 | (表記なし) |
DVD情報 | DVD-BOX第6集(DVD第27巻) |
VHS情報 | VHS-BOX第6集(VHS第59巻) |
場所について | 平泉の戸河内川(地図は適当) |
本の情報 | サラ文庫まんが日本昔ばなし第16巻-第078話(発刊日:1977年6月15日)/講談社テレビ名作えほん第033巻(発刊日:1980年12月) |
サラ文庫の絵本より | 絵本巻頭の解説には地名の明記はない |
講談社の300より | 書籍によると「岩手県のお話」 |
このお話の評価 | 8.43 (投票数 7) ⇒投票する |
⇒ 全スレッド一覧