No.1131
めぐみのいずみ
めぐみの泉

放送回:0714-A  放送日:1989年09月02日(平成01年09月02日)
演出:森川信英  文芸:沖島勲  美術:スタジオ冬馬  作画:森川信英
千葉県 ) 16578hit
あらすじ

昔、千葉の大原に貧しい百姓夫婦が住んでいた。

この夫婦はとても仲が良く、嫁は心優しく働き者だった。ところがこの家には、腰を悪くしたごうつくな姑がいて、しょっちゅう嫁に何やかやと無理なことばかりさせていた。

ある日姑は「これからは毎日、水を入れ替えて風呂をわかしてくれ」と言い付つけた。だがこの辺りは水の便が悪く、風呂に入れるだけの水を手に入れるには、山の奥の泉まで行かねばならないので大変だった。

だが嫁は姑のためにと朝早く水を汲みに行き、姑を風呂に入れてやった。風呂に入った姑は喜び、さらに「これからは朝、昼、晩、新しい水に入れ替えて沸かしてくれ」と言いつけた。その次の日から、嫁はもっと大変になったが、姑のためにと必死で水汲みをした。

そんな日が何日が続き、ある朝のこと。嫁が観音様に「おかあさんの腰が早く良くなりますように」とお願いした。するとその時、家の前に水が湧いてきた。嫁は水を見て大喜びし、早速水を汲んで風呂を沸かしてやった。

この泉の水で沸かした風呂に入った姑の身体に、異変が起こり始めた。そして姑が「何とありがたい湯じゃろう。腰の痛いのが治っていくようだ」と手を合わせた。そして風呂からあがると「おめえにさんざん無理なことをしてすまなかった」と詫びた。観音様がくださった泉は、頑な姑の心を清らかに解きほぐし、腰の痛みまで治してくれた。

それからもこの泉はこんこんと湧き続け、家の前は豊かな畑となった。そしてこの泉は「めぐみの泉」と呼ばれ、それからも清らかな水を絶やすことはなかったそうだ。

(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)


ナレーション市原悦子
出典千葉県
場所について御宿町上布施1474の真常寺?(お嫁さんが観音様に祈った場所)
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地図:御宿町上布施1474の真常寺?(お嫁さんが観音様に祈った場所)
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※掲載情報は 2011/2/11 22:30 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
4件表示 (全4件)
yassan  投稿日時 2019/4/9 12:36
情報提供ありがとうございました。そうですね「乗」と「常」で一字違いますが、おそらく真常寺と思われますので、この場所でマッピングしました。

長者屋敷の泉が無くなってしまったのはちょっと残念でした。

Perenna  投稿日時 2019/4/9 0:04
この昔話は、大正6年に出版された「日本伝説叢書・上総の巻」にも「恵みの泉」という題で収録されています。(コマ番号60/212)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/953567

「夷隅郡布施村」に伝わる昔話で、一家が住んでいたのは「長者屋敷」と呼ばれたところで、お嫁さんが祈った観音様は「真乗寺」というお寺に祀られていたそうです。
「夷隅郡布施村」は、現在の千葉県夷隅郡御宿町(おんじゅくまち)上布施・下布施らしいです。
「真乗寺」はおそらく、御宿町上布施1474にある真常寺なのではないでしょうか?
真常寺はインターネットで調べてみると、子供の虫封じで有名な虚空蔵菩薩を祀っているそうです。
また「恵みの泉」は、長者屋敷の滅亡と共に、すでに廃井になってしまったと書かれていました。
愛うえを  投稿日時 2018/5/3 22:55
嫁がいい人すぎる。
おんみ  投稿日時 2016/12/23 19:38
良い話すぎて泣けるのです。

頑ななお義母さんの心を溶かしたのです。の、ナレーションにウルっときました。

嫁は偉すぎます。
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