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No.1102
きつねとはまぐり
狐とハマグリ

放送回:0695-A  放送日:1989年04月22日(平成01年04月22日)
演出:こはなわためお  文芸:沖島勲  美術:西村邦子  作画:柏木郷子
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あらすじ

昔、鳥取の浜から五、六里も離れた穴鴨(あながも)の里には、春先になると必ず浜から鰯売りがやってきた。里の人達はこれを楽しみにしておって、我先にと鰯は売れてしまうのじゃ。そうして、鰯の焼けるええ匂いが里から穴鴨の山まで漂ってくるのじゃった。

ところで、穴鴨の山には狐の家族が住んでおった。ある晩、家族に美味しい鰯を食べさせたいと思った父狐は、浜まで鰯を獲りに行こうと決心した。夜のうちに八里も九里も走ることのできる狐にとって、穴鴨から浜まで走るのなんか訳はなかった。

父狐は、夜明けにはもう浜に着いておった。ところが鰯は一匹も見当たらん。がっかりした父狐は天神川の河口で水を飲んでおった。するとどこからともなく「狐さん、狐さん」と言う声がする。それはハマグリの声じゃった。そうしてハマグリは父狐に、山見物に連れて行ってくれと頼むのじゃった。父狐は、お前のようにノソノソ歩く者が山に行けるわけがないとハマグリを馬鹿にして、穴鴨の山へ帰ることにした。

曹源寺(そうげんじ)まで来て、父狐はちょっと疲れたので休憩した。すると「狐さん、狐さん」と、またハマグリの声がした。ハマグリは狐の尻尾にくっついてついて来たのじゃったが、父狐はハマグリが走ってきたと思いこみ、ハマグリのことを「たいしたもんじゃ。」と見なおした。

そうしてハマグリが「あと二日もしたら南風が吹いて、鰯が浜にうんと来る。」と請け合うので、父狐は喜んで、二日の間穴鴨の山にハマグリを泊めてやり、山のあちこちへ案内してやった。

そうして二日目の夜、南風が吹き始めた。父狐とハマグリは喜んで海へと向かった。ハマグリはまた狐の尻尾にくっついて行った。海辺に着いてみると、海には三角波が立ち、浜には子持ちの鰯がぴちぴちと跳ねておった。父狐は腹いっぱい鰯を食べ、土産の鰯も一杯獲ることができた。そうしてハマグリも山を案内してもらった恩返しができたと喜んで、海へと帰っていった。狐はしばらく、ハマグリが去った海を眺めておった。

こうして狐の家族は春鰯をたらふく食べることができたし、ハマグリも念願の山への旅ができたということじゃった。

(投稿者: ニャコディ 投稿日時 2011-12-3 23:24 )


ナレーション市原悦子
出典稲田和子(未来社刊)より
出典詳細鳥取の民話(日本の民話61),稲田和子,未来社,1976年07月30日,原題「狐とハマグリ」,採録地「倉吉市栄町」,話者「山本美嘉代」
場所について鳥取の穴鴨(地図は適当)
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地図:鳥取の穴鴨(地図は適当)
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※掲載情報は 2012/1/10 3:29 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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