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No.1090
かものごちそう
鴨のごちそう

放送回:0687-A  放送日:1989年02月18日(平成01年02月18日)
演出:山田みちしろ  文芸:沖島勲  美術:水谷利春  作画:山田みちしろ
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あらすじ

昔、薩摩の桜島の近く日当山(ひなたやま)という所に、徳田太兵衛という地頭がおりました。頭の働きがとても良く、機知と頓知に長けていて、時には殿様をもやり込めたりするもので、周りの人から「ひなたやまどん」と呼ばれ、たいそう慕われておりました。

たとえば、茶の実などどこにもない季節に、殿様から茶の実を持ってこいと命じられると、ひなたやまどんは、日当山で一番茶を飲む婆さまに座敷を這わせ、「茶飲み(=茶の実)が、這え(生え)ましてございます。」と、殿様をやり込めるのでした。

殿様は何とかひなたやまどんを困らせてやろうと、ある冬の日、近在の地頭たちを鴨料理に招待しました。そうして、ひなたやまどんのお膳だけは大根料理にしておいたのです。ひなたやまどんは怒って、すごい勢いでお膳を平らげ、さっさと帰って行きました。

しばらくして、殿様のもとにひなたやまどんから「日当山に鴨の大群が来ているので、ぜひ狩りにおいで下さい。」という手紙が届きました。その日は灰がたくさん降っていましたが、殿様は構わず日当山に向かいました。ところが、あちこち走り回っても、鴨などどこにも見あたりません。

殿様はかんかんに怒りましたが、ひなたやまどんは飄々と、「先日の鴨のご馳走は全部大根でしたので、大根を鴨を呼ぶのかと思いましてご案内いたしました。」と言ったそうです。殿様が走り回った所は実は広い畑で、百姓たちが大根に積もった灰を一生懸命払っているのでした。

こうしてまたやり込められた殿様は、ひなたやまどんを城に連れ帰り、本物の鴨のご馳走をうんとふるまったそうです。そうして、殿様は灰に苦しむ村人の暮らしをひなたやまどんから直に聞かされ、それからは村人達の暮らしをよく見て回るようになったそうです。

(投稿者: ニャコディ 投稿日時 2012-9-10 22:48 )


ナレーション市原悦子
出典鹿児島県
場所について日当山(地図は適当)
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地図:日当山(地図は適当)
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※掲載情報は 2012/9/11 0:31 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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高速戦隊ターボレンジャー  投稿日時 2022/1/6 19:51
マンガ日本昔話(1976年版)(カモの御馳走、六助稲荷)
(1989年2月18日(土)放送)(第687話)
頑張れペナントレース!
六助稲荷の六助は超獣戦隊ライブマンのレッドファルコン(天宮勇介)
超獣戦隊ライブマン  投稿日時 2022/1/6 19:51
マンガ日本昔話(1976年版)(カモの御馳走、六助稲荷)
(1989年2月18日(土)放送)(第687話)
頑張れゴエモン2
M、I、A、
頑張れペナントレース!
六助稲荷の六助は超獣戦隊ライブマンのレッドファルコン(天宮勇介)
歳の順  投稿日時 2018/4/15 10:35
亜細亜道のベテランアニメーター、山田みちしろ氏の作品。だが、今回の登場人物は何故か三善和彦の作品に出てくる人達ぽかった。
ゲスト  投稿日時 2015/9/27 20:16
茶の実(茶飲み)のくだりは、小学生の頃学芸会の劇でやったのでよく覚えてます
自分の役どころ(殿の家来)とその前後しか脚本を読んでなかったので、
村人総出で殿様をからかったりして、何でこんな訳わからん嫌がらせを?と間抜けにも思ってたのを思い出しますw
ゲスト  投稿日時 2011/11/8 18:10
「鴨のごちそう」の徳田太兵衛はウィキにもある実在の人らしいですね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%B3%E7%94%B0%E5%A4%AA%E5%85%B5%E8%A1%9B
しかし、ストーリーを見る限り、徳田太兵衛さんのエピソードは最初の「茶の実」くらいで、後は「吉四六ばなし」のネタというのも…(^_^;。
ゲスト  投稿日時 2011/10/4 19:41
この話は、
吉四六さん(熊本のトンチ名人)の「カモ汁の話」と、
勘作さん(長崎のトンチ名人)の「カモと大根」と、同じようです。
まんが日本昔ばなしでは、このお話は「鹿児島」とあるけど、どれが最初なんでしょう。
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