No.1081
はきだせかえる
はきだせ蛙

放送回:正月特番  放送日:1989年01月02日(昭和64年01月02日)
演出:若林常夫  文芸:沖島勲  美術:門屋達郎  作画:若林常夫
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あらすじ

むかしある所に、毎日たくさんの鍋や窯を担いで売り歩く、「担ぎ売りのタヘイどん」という男がおった。

ある日のこと、いつものようにタヘイどんが鍋や釜を売り歩いていると、途中で陽が暮れてしもうた。あたりは真っ暗な山道でタヘイどんが困っておると、遠くに一軒の家の明かりが見えた。

タヘイどんがその家を訪れると、家に住む夫婦は大層人が良さそうだったので、一晩泊めてもらうことにした。そうしてその夜、タヘイどんは安心してぐっすり眠ったそうな。

ところが翌朝、タヘイどんが目を覚ますと、商売道具の鍋や窯が見あたらんようになっておった。タヘイどんは慌てて家の中をくまなく探したが見つからんかったそうじゃ。家の主人は「この家には性悪のネズミがいて、何でも飲みこんでしまうんじゃ。あんたの鍋や窯もネズミに飲み込まれてしまったんじゃろう。」と言って、にやにや笑うばかり。

ネズミがあんな大きな鍋や窯を飲み込むはずもなく、タヘイどんは眠っている間に夫婦に商売道具の鍋や窯を騙し取られたのじゃった。

タヘイどんは仕方なく一旦はその家を出たが、ふと良いことを思いついてこっそり家に戻った。そうして、夫婦が飼っている牛を連れ出して隠したのじゃ。そうしておいて、蛙を叩きながら「はきだせ蛙!はきだせ蛙!」と言いながら、家の前で騒いだそうな。

驚いた夫婦が訳を尋ねると、タヘイどんは「この蛙があんた達の牛を飲み込んでしもうたから、吐き出させようとしておるんじゃ。」と言うたそうじゃ。小さな蛙が牛を飲み込めるはずもないが、夫婦はネズミが飲み込んだことにしてタヘイどんの商売道具をだまし取っているのじゃから、返す言葉もなかった。

結局、夫婦は家の床下に隠していた鍋や窯をタヘイどんに返し、心から謝ったそうじゃ。悪いことをすると、その報いは必ず返ってくるということじゃ。

(投稿者:ニャコディ 投稿日時 2014/10/5 7:31) 


ナレーション常田富士男
出典鹿児島
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※掲載情報は 2014/10/5 11:19 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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抹茶マン  投稿日時 2020/6/6 19:23
昭和時代最後のまんが日本昔ばなしの話
ゲスト  投稿日時 2019/5/21 22:25
カエル。何も悪いことしてないのに、足を縛られ、逆さに吊るされて、むちでたたかっるなんて、いいめいわくです。
ゲストゲスト  投稿日時 2015/10/26 20:28
「はっきだっせ、かっえる~!」と言ってカエルをしばく声と、その傍らでバツの悪そうな顔をして目を伏せる夫婦の顔が忘れられません。
たしかちゃんとカエルは解放してもらってたはず(笑)
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